今回は2025年6月にリニューアルした三菱鉛筆のジェットストリームのプライムシリーズから回転繰り出し式シングルボールペンを紹介します。
ジェットストリームの高級ラインであるプライムシリーズは、その上質さと使いやすさが人気のシリーズです。
今回のリニューアルでどのように変わったのか、リニューアル前のモデルと比較しながら詳しくレビューしていきます。
三菱鉛筆「ジェットストリームプライム回転繰り出し式シングル」をおすすめする人
上質で落ち着いたデザインのボールペンを探している
回転繰り出し式のボールペンを使いたい
ジェットストリームの書き味が好き
三菱鉛筆「ジェットストリームプライム回転繰り出し式シングル」の特徴
プライムシリーズの変遷

プライムシリーズはジェットストリームの高級ラインとして2013年10月に登場しました。
この時発売されたのは「回転繰り出し式多機能ペン 3&1」と「ノック式3色ボールペン」の2種類。
この時にジェットストリームインクを搭載した、国際規格としても互換性の高い「D」型リフィルが登場しています。

そして初代の回転繰り出し式シングルボールペンが登場したのは2018年2月。
同時にジェットストリームインクを搭載した「G2」規格(パーカー互換)のリフィルが登場しています。
2018年9月には軸のカラー「ブライトブルー」「ダークボルドー」2種を追加するとともに「G2」規格のリフィルにボールサイズ0.38mmが登場。

2021年2月には「ミントブルー」「ダークオリーブ」「コーラルオレンジ(限定)」3カラーが追加。

この時に石のついていないノック式3色ボールペンが登場しています。

2024年12月にプライムシリーズのデザインがリニューアルし、高級感に加えカジュアルな感じを加えた新たなプライムシリーズへと変わっていきました。

その流れで2025年6月に回転繰り出し式シングルボールペンがリニューアル。
それと同時にリニューアル前のモデルは一部カラーを除き、生産が終了となっています。
初代の登場から7年という時を経てリニューアルされましたが、どれほど変わったのか、細部をじっくり比較していきます。
少し短くなり、グリップ部分が太く持ちやすくなった

写真の上がリニューアル前、下がリニューアル後です。
これまでの回転繰り出し式シングルは中央が太く、両端に向かってなだらかに細くなっている、引き締まったデザインでした。
リニューアルによってストレートなデザインに変更されています。
引き締まった印象はそのままに、少し短く、また若干太くなったように見えますね。
実際にサイズを測定し比較してみました。


長さは140.06mmから136.94mmに。


最大径は10.30mmから10.31mmとほぼ同じでした。


ですが、グリップ辺りの太さを測定すると9.94mmから10.25mmと形状がストレートになったことでグリップ部分が太くなっていますね。
| リニューアル前 | リニューアル後 | |
| 全長 | 140.06mm | 136.94mm |
| 最大径 | 10.30mm | 10.31mm |
| グリップ径 | 9.94mm | 10.25mm |
真鍮製で重さはちょっと軽くなった
リニューアル前後とも先軸、後軸はどちらも真鍮製です。


重量は若干軽量化していますが、ほぼ同じですね。
重心が最適化された
ずっしりとした持ち心地はほぼ変わりないですが、リニューアルによってさらに重心が低くなっています。


先軸の長さを測るとリニューアル前が88.78mm、リニューアル後が88.61mmとほぼ同じでした。


対して後軸の長さはリニューアル前が61.03mm、リニューアル後が57.97mmと短くなっています。


さらに、先軸の重さを測るとリニューアル前が13.43g、リニューアル後が15.93gと長さがほぼ同じなのに重くなっています。
全体の重さはほぼ変わりないですが先軸を重くし、後軸を短く軽量にしたことで重心が低くなっているんですね。
クリップデザインは大きく変更された

リニューアル前後ともクリップは銅材が使用されています。
リニューアル前はシャープなデザインのクリップですが、リニューアル後はスリット式のクリップに変更し、上質でありつつデザインコンセプトであるカジュアルさが加わった感じですね。
リニューアル前のシャープさはないですが、角が取れて柔らかく、また洗練された印象を受けます。
石の名残もなくなってしまった

リニューアル前のクリップ部分に石っぽい名残みたいな形がありました。
このちょっとポコッと飛び出している部分ですね。

こちらは「ダークオリーブ」のクリップ部分です。
他のカラーと違い、「ダークオリーブ」のみクリップなどの装飾部分が黒で塗装されています。
黒で塗装されているのであまり目立ちませんが、しっかりと石の名残がありますね。

ですが、リニューアル後にはそんな名残すら見当たりませんね。
クリップ部分にあった「石」はプライムシリーズの象徴であったかと思います。
でもあまり評判がよくなかったのか、気が付けば「石」の付いたモデルはどれも生産終了になってしまいました。
ちょっと脱線しますが、ずっと愛用している「石」のついたノック式シングルも2025年6月で生産が終了。
プライムシリーズのノック式シングルモデルもリニューアルして出して欲しいところですね。
マット塗装は同じだがわずかに色合いが違う

どちらもブラックで比較してみます。
マット塗装が施されており、どちらも少しザラッとした手触りがします。
触った感じはリニューアルでそれほど大きな違いはないかと思いますが、わずかにですが色合いが違いますね。
リニューアル前の方が黒く、リニューアル後はわずかに明るくややグレーっぽい色になった印象です。
リニューアルでやや明るくなったのは、新たなプライムシリーズの「カジュアルさ」を加えたデザインコンセプトによるものかなという感じですね。
「ブラック」はワントーン塗装で統一感がある

リニューアル前はカラーバリエーションが豊富です。
初期に登場した「ブラック」の他、「パールホワイト」、「ダークネイビー」、「ベビーピンク」の4種に加え、「ダークボルドー」、「ブライトブルー」が追加、さらに「ミントブルー」「ダークオリーブ」が加わり、限定カラーの「コーラルオレンジ」まで含めると全部で9種類もあります。
最後に追加された「ミントブルー」「ダークオリーブ」以外は2025年6月で生産が終了。
この2色も終了日は未定ですが、生産終了予定となっています。
リニューアル直後という事で、「ブラック」と「ダークネイビー」の2種類と少ないですが、シンプルなカラーに絞り込まれているなという印象です。


今回紹介する「ブラック」はクリップやリング部分、ペン先まで黒に塗装されており、ワントーンでシックな印象ですね。
またこの2カラーにとどまらず、これから新色が登場していくんじゃないかと思いますが、どんなカラーで、どんな装飾のものが登場するのか楽しみですね。
控えめなブランドロゴ

リニューアル前は軸の中心あたりに小さく「uni」「JETSTREAM」と書かれていました。
リニューアル後は軸のロゴが消えています。

その代わり、クリップ部分に「uni JETSTREAM」と刻印されています。
回転は重厚な手ごたえ

リニューアル前は心を繰り出すときの回転はけっこう重めの手ごたえでした。
このグリッと回すときの手ごたえはリニューアル後も継承され、けっこう重めの手ごたえですね。
この回転の重みがより上質さを感じさせてくれます。
回転繰り出し式ボールペンの回転の手ごたえは各メーカーで違いがあり、重いものがあれば軽いものもあります。
僕はそれぞれの個性だと思っているので、どちらも好きですが、この手ごたえは好みが分かれるんでしょうね。
回転して芯を繰り出す時に音がしない

音がしないのは回転繰り出し式ならではのメリットですね。
音を立てたくない場面では、静かに芯を繰り出せるのは便利ですよ。
だたし、回転繰り出し式は片手で操作ができないというのがデメリットですね。
とはいえ、ちょっと頑張ればリニューアル後のモデルでも片手で回す事はできました。
軸にへんなトルクがかかりそうなので、素直に両手で持って回転させる方がいいかもですが(笑)
価格は550円の差
リニューアル前は税込価格3300円。
リニューアル後は税込価格3850円と550円アップになっています。
いろんな物価が上昇している中、価格の上昇は致し方ないのかなと思います。
お給料も同じように上がってくれたらうれしいんですけどね(泣)
初期充填されているリフィル(替え芯)は0.7mm

初期に充填されているリフィルのボールサイズは軸のカラーによって違います。
今回比較している「ブラック」はリニューアル前後どちらとも0.7mmです。
リフィルの品番は「SXR-600-07」。
0.7mmの他、リフィルのボールサイズは0.38mm、0.5mmがあり、全部で3種類。
品番はボールサイズに合わせ、「SXR-600-(38)、(05)、(07)」となっています。
価格は税込定価660円。
筆記距離はボールサイズによって多少違いますが、ざっくり1500mくらいです。
インクのタンク部分が大きいので、けっこう筆記距離が長いので長持ちしますね。
リフィル(替え芯)は「G2」規格

回転繰り出し式シングルに使用されるリフィルは「G2」という規格です。
「G2」規格は高級筆記具メーカーで有名な「パーカー」が発祥なので、「パーカータイプ」や「パーカー互換」とも呼ばれています。
「G2」規格は、互換性が高く筆記距離も長いのが特徴で、人気が高く世界中のボールペンで採用されています。
「G2」規格ついてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
よかったら参考にしてください。
三菱鉛筆「ジェットストリームプライム回転繰り出し式シングル」の使い心地
低重心で安定したペンバランス

リニューアルによってより低重心となったので、重さが約30gあってもそれほど重みを感じないですね。
安定していてとても扱いやすいです。
リニューアル前後ともブラックはマット塗装なので、手に馴染みやすく、しっかりとグリップできます。
リニューアル前よりグリップ部分がストレートになったことで、よりグリップが安定ましたね。
ジェットストリームならではのさらさらとした書き心地

ジェットストリームの書き味はご存じの方が多いと思います。
インクは同じジェットストリームなので、同じ書き味のはずですが、グリップ感がよくなったことで、より書きやすくなったように感じます。
僕は油性ボールペンを使う場面ではずっとジェットストリームを使っているので安心感がありますね。
いろんなメーカーの「G2」規格リフィルも試してみた
いくつか他メーカーの「G2」規格リフィルを試してみました。
パーカー「クインクフロー M」

軸内でリフィルはしっかりと固定されており、カタカタしませんね。
ペン先も肉眼では隙間がほとんどなく、安定して筆記できます。

パーカーのクインクフローは低粘度油性インクで、ぬるぬるとした書き心地です。
書き味はいいですが、ボールサイズが大きいので手帳には向かないのと、発色がややグレーっぽく油性インクらしい感じです。
価格は990円と少しお高めですが、パーカーのリフィルは筆記距離が3500mとかなり長いです。
ジェットストリームが1500m程なので倍以上の距離が書けますよ。
OHTO「PG-M05NP」

OHTOの「G2」規格のゲルインクリフィルで金属製です。
軸内での固定は問題なく、ペン先も安定しています。

ニードルポイントで筆記視野が広くなるのが特徴です。
価格は税込価格が1本550円。
ゲルインクなので筆記距離は700mと油性インクに比べると短いですが、発色が良くぬるぬるとした書き味が楽しいですよ。
モンテベルデ「1919621」

モンテベルデのゲルインクリフィルで、インクカラーがブルーブラックです。
金属製のリフィルで軸内の固定やペン先の安定性は問題ないですね。

価格は660円とジェットストリームリフィルと同じ価格帯です。
モンテベルデのゲルインクリフィルはカラーが豊富なのが特徴で、僕は特にこのブルーブラックが気に入って使っています。
「G2」規格のリフィルはいろんなメーカーが製造しており、それぞれに特徴があります。
こちらの記事でいろんな「G2」規格リフィルの書き比べをしています。
よかったら参考にして、好みのリフィルを見つけてください。
三菱鉛筆「ジェットストリームプライム回転繰り出し式シングル」をおすすめする理由
回転繰り出し式のボールペンなので芯を繰り出すときに音がしない
ずっしりとした重みが心地よく高級感がある
「ブラック」は全体が黒で統一されていてかっこいい
ジェットストリームの安定した書き味がいい
いろんなメーカーの「G2」リフィルを使える
といったところかと思います。
リニューアル前も十分高級感があって良かったですが、さらに使用感が良くなった感じですね。
僕は見た目的には前のデザインもシャープなイメージで好きですが、コンセプトであるカジュアルさをデザインにしっかり落とし込まれているという印象です。
最後に

今回は三菱鉛筆のジェットストリームプライム「回転繰り出し式シングル」をレビューしました。
この記事が皆さんのボールペン選びの一助になれば幸いです。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
こちらは「ダークオリーブ」カラーになりますが、リニューアル前の回転繰り出し式シングルのレビュー記事です。
よかったらこちらの記事もご参照ください。






コメント
しのわんさま
いつも楽しく記事を読ませて頂いております。
今回ご紹介のジェットストリームプライムも良いボールペンですよね!
私も欲しかったのですが、ボールペンに目覚めてしまったこの半年の間に、あれもこれも
とボールペンを買い漁ってしまい、高価安価含めて計60本以上になってしまったため、
泣く泣くプライムの購入は見送っておりました。
G2パーカー互換のボールペンは色々とありますが、このジェットストリームプライムも
秀逸ですよね!
今回の記事を拝見して、やっぱり欲しいなあ!と物欲が沸々と湧いているところです(^^;
comさんこんにちは。
こちらこそいつもありがとうございます。
半年の間にボールペン60本は凄いですね!
満足する一本に出会ってもついつい他のペンにも手を出してしまいますよね〜(笑)
僕も物欲が止まりません(笑)