今回はステッドラーのボールペン「コンクリート」を紹介します。
コンクリートボールペンは、その名の通り軸にコンクリート素材を使用したちょっと変わった筆記具です。
それでは詳しく紹介します。
ステッドラー「コンクリートボールペン」をおすすめする人
重いボールペンが好き
人とはちょっと違ったボールペンが使いたい
G2規格リフィルのボールペンを探している
ステッドラー「コンクリート」の特徴
素材はコンクリート

一番の特徴は軸に使われている素材です。
初めてこのボールペンを見た時何度も見返してしまいました。
「え、あのコンクリート⁉」ってなりますよね(笑)
軸に使われているコンクリートはステッドラーが独自に開発したもので、高密度で耐久性にも優れているということです。
コンクリートの特性上、一本一本に異なる模様や気泡が現れ、「まさに“世界に一つだけ”のボールペンです!」ってキャッチコピーを見たら、もう購入するしかなかったです(笑)
コンクリートはキメが細かくなめらかな手触り

コンクリートと聞くとごつごつしたコンクリートブロックを真っ先にイメージしてしまいます。
なので、ちょっとごつごつした感じかと思いきやキメが細かくて手触りはとてもなめらかです。
マット塗装とも違う、上質な紙のような感じですね。
ノック部分にもコンクリート製のメーカーロゴ

ノック部に軸と同じカラーで、コンクリート製のメーカーロゴが入っています。
丸く膨らんでいて手触りがよく、ノックしやすいですね。
重さは33.08g

重さを測ったところ33.08gありました。
数字だけ見ると結構重いかなという印象ですが、持ってみると以外と軽く感じました。
重さが同じでも金属製のボールペンの方が重く感じますね。
六角形でグリップがしやすい

軸は六角形になっています。
全部の辺が同じ長さではなく、ちょっといびつな六角形ですね。
この形は人間工学に基づいていて、グリップしたときに自然に指が沿うように設計されているそうです。

クリップが上に向くようにしてグリップすると、確かに指にフットしやすく持ちやすいですね。


全長が148.47mmとサイズはボールペンとしてはほぼ標準的なサイズです。
グリップするあたりの外径が12.78mmとちょっと太めなのと、持ちやすい形状から数値よりも軽く感じたのかなと思います。
ただ、それでも重いボールペンなので手帳と一緒に持ち歩くのはちょっと不向きですね。
軸にステッドラーのロゴ

軸のクリップ横にはステッドラーのロゴがデボス加工されています。
コンクリートの質感と相まって無骨な感じがかっこいいですね。
ステッドラーのロゴについて

ステッドラーを英語表記では「STAEDTLER」となります。
日本ではなじみのある表記かと思います。
ドイツでは「Städtler」と「ウムラウト」(「a」の上にあるふたつの点)が含まれているのが本来の綴りです。
ウムラウトというのはドイツ語で母音の音を変化させる役割があり、「a」を「アー」と発音するところを「ä」とウムラウトが付くことで「アー」だけど「エー」に近い発音に変わります。
国際的に表記しやすいように「ä」を「ae」と置き換えて「Staedtler」となり、さらにブランドロゴでは簡略化して「STAEDTLER」になっています。
また現在のロゴデザインも歴史と共に徐々に変化してきていますが、話が長くなるので省略します。
普段見ているステッドラーのロゴにはこんな「表記のこだわり」があったんですね。

そしてロゴに描かれている兜をかぶった男性の横顔。
これはローマ神話に出てくる軍神マルス(Mars)の横顔なんだそうです。
火星を英語で「Mars(マーズ)」といいますが、軍神マルス(Mars)が由来となっていて、軍神マルスは火星の神とも呼ばれているそうです。

ステッドラーのロゴに使われている「マルスヘッド」が初登場したのは1908年。
登場した当時の「マルス」はこんな感じだったんですね。
時代とともに少しずつデザインが洗練され、今のデザインに至っています。
「ロゴ」と「マルスヘッド」の変遷をたどっていくのも面白いですよ。
イニティウムクリップが採用されている


イニティウムクリップというのはステッドラープレミアムという高級筆記具ラインに採用されているデザインのクリップです。
金属製で、カクカクした感じに四角い凹みが並んでいる特徴的なデザイン。
マットな質感で目立ちすぎず、それでいて存在感のあるクリップです。
作りはしっかりとしていてクリップしやすいですね。
イニティウムシリーズにはレジン軸の「レシーナ」、アルミ素材を使用した「メタルム」、木軸の「リグヌム」といったシリーズがあり、それぞれに万年筆やローラーボールがありどれも高価です。
コンクリートボールペンはこれらのシリーズに比べると安価で購入できますが、高級ラインと同じクリップデザインというところがいいですね。

コンクリートの無機質な感じにがっしりとしたクリップはすごくしっくりきますね。
「イニティウム(Initium)」とはラテン語で「始まり」を意味しているそうで、筆記具としての原点や創造の出発点を象徴しているんだそうです。
デザイン性はもちろんですが、これまでになかったコンクリートという素材の筆記具の出発点という意味合いもあるのかもしれませんね。
カラーは3種類

今回紹介するのは「ブリックレッド」というカラーです。
このカラーはコンクリートというかレンガっぽい印象ですね。
その他、「ナチュラル」「グレイ」と全部で3種類あります。
ただステッドラーの公式サイトを見ると「販売終了」となっています。
「ブリックレッド」は2025年7月現在ではまだ「販売終了」とはなっていなかったので購入は可能です。
リフィル(替え芯)は油性インク

コンクリートボールペンに使われているリフィルは油性インクです。
購入初期に充填されているリフィルの品番は「458-M-9」。
インクカラーは黒、字幅はM(中字・ボールサイズは1.0mm)です。
ステッドラーの純正替え芯には「458-M-9」の他に字幅がF(細字・ボールサイズ0.8mm)の「458-F-9」、B(太字・ボールサイズ1.2mm)の「458-B-9」と全部で3種類ありました。
残念ながら「458-M-9」と「458-B-9」は在庫限りで販売終了となっています。
現在購入できるのは「458-F-9」だけで、価格は税込定価550円です。
リフィルはG2規格

コンクリートボールペンのリフィルは「G2」という規格です。
「G2」は油性リフィルの規格で、「パーカータイプ」や「パーカー互換」などとも呼ばれています。
互換性が高く、多くのボールペンのリフィルに採用されている規格です。
「G2」規格についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
よかったら参考にしてください。
「G2」リフィルは種類が豊富

多くのメーカーが互換性の高い「G2」リフィルを製造、販売しています。
低粘度油性インクでは三菱鉛筆のジェットストリームが有名ですね。
その他、「G2」規格のゲルインクも発色が良くヌルヌルとした書き心地なのでおすすめです。
こちらの記事でいろんな「G2」リフィルの発色や書き味を紹介しています。
一度にたくさんのメーカーを紹介しているので、余計迷ってしまうかもしれませんが(汗)よかったら参考にしてください。
ステッドラー「コンクリート」の使い心地
無骨な感じのしっかりとしたノック感

ノックの形状は大きく安定しており、指が触れる部分は丸くなっているのでノックしやすいです。
バネはそこそこ強く、しっかりした感じの手ごたえです。
ノックの音は割と控えめで「ガシャッ」という感じの音がしますね。
ペン先を収納する時の跳ね返りは結構しっかり跳ね返ってきます。
ステッドラーのG2リフィルの書き味

油性インクですが、ボールサイズが1.0mmと大き目なので、ヌルヌルと書きやすいですね。
ボールサイズが大きい分線が太くなるので、手帳などに書き込むにはちょっと不便かなと思います。
発色は油性インクらしいちょっとグレーっぽい感じです。
かすれることはあまりなく、またダマもあまり気にならない程度でした。
三菱鉛筆「SXR-200-05」(G2リフィル)に替えてみる

G2リフィルで人気なのは三菱鉛筆のジェットストリームですね。
同じ規格なので、軸内での納まりはよくカタカタしません。
口金との相性も問題なく、ペン先が安定しています。

ボールサイズが0.5mmと手帳にも書き込みやすくなりますね。
書き味も良くなり、発色も良くなりました。
OHTO(オート)のセラミックゲルに替えてみた

もう一種類、OHTO(オート)のゲルインクリフィルに替えてみました。
ジェットストリームと同じく、同じG2リフィルなので軸内での収まりはよく安定しています。
ペン先と口金との相性もよく安定しています。

OHTOのリフィルはペン先がニードルポイントという形状になっているので筆記視野が広くなり、とても使いやすいですよ。
油性インクとは違う、くっきりとした発色はゲルインクならではですね。
書き味はインクフローが良く、ヌルヌルとした書き味が楽しいですよ。
経年変化への期待

この個体は気泡がポツポツ見られる程度で、大きく書けたところはなく、またシミといったエラーが少なくきれいな状態でした。
木軸や真鍮と同じように、コンクリートも経年変化を楽しめる素材です。
この状態から使い込んでいくとどんな感じに変化していくのか、すごく楽しみです。
ステッドラー「コンクリートボールペン」をおすすめする理由
34gと重いが軸が太めで六角形が持ちやすくそれほど重みを感じない
素材がコンクリートなので人と被ることが殆どない
G2規格リフィルが使えるのでカスタマイズしやすい
コンクリートの経年変化を楽しめる
というところかと思います。
価格は税込定価4400円。
売価はもう少し安く手に入るかと思いますが、「ブリックレッド」以外のカラーは販売終了しており入手困難となっています。
インパクト抜群のボールペンで持っているとかなり目立つと思います。
「ブリックレッド」はちょっとレンガっぽい感じがしますが、他のカラーはいかにもコンクリートって感じでかっこいいですよね。
再販してくれないかな…
最後に

今回はステッドラーのコンクリートボールペンを紹介しました。
この記事が皆さんのボールペン選びの一助になれば幸いです。
最後まで読んでくれてありがとうございました。





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