今回はWANCHER(ワンチャー)スタビライズウッドボールペンを紹介します。
軸の表面に現れた杢目が美しく、金色の装飾と相まって高級感があります。
また太くどっしりとしたデザインで、程よい重みで扱いやすい一本です。
それでは詳しく紹介します。
WANCHER(ワンチャー)スタビライズウッドボールペンをおすすめする人
本格的な木軸のボールペンが欲しい
杢目をずっと眺めているのが好き
「G2」リフィルが使えるボールペンを探している
WANCHER(ワンチャー)スタビライズウッドボールペンの特徴
軸にはスタビライズウッドが使用されている

杢目がくっきりと出ていて、美しい軸ですよね。
軸に使われている素材は「スタビライズウッド」というものが使われています。
「スタビライズウッド」とは
スタビライズウッドとは、天然の木材を着色したアクリル樹脂などの樹脂腋に真空含侵させ、硬化させたものです。
この処理により、木材の強度が大幅に向上し、湿気による伸縮や変形を防ぎ、耐水性、耐摩耗性が向上します。
また樹脂を着色することで、木材の内部まで鮮やかな色模様が生まれます。
密度の低い部分ほど樹脂が浸透しやすいので、木材とは思えないような深みのある模様、色彩が浮かび上がってきます。
木材の内部まで着色されているため、塗装とは違い色落ちや剥がれが起きにくいといった特徴があります。
実際に手に取ってみると、深みや奥行き、輝きが素晴らしいですね。
加工によって生まれた模様の美しさは、筆記具という単なる道具ではなく芸術作品にまで昇華されたようにも感じます。
ワンチャーの公式ページでも「丁寧な削り出しで現れる不思議な美しさは、まさに芸術作品」と表現され、「眺めれば眺めるほど、時が経つのを忘れてしまう」魅力があると語られています。
写真ではその深み、美しさが十分表現できていないかもしれませんが、実物を一度手にするとその美しさにハマりますよ。
軸の杢目はひとつとして同じものはない

木軸の魅力としては、全く同じ杢目のものはないというところですね。
丁寧に削り出された杢目は、削るまでどんな杢目が出てくるのか分かりません。
同じ種類の木材でも、木の成長過程や環境、カットされた部位、方向によってすべて異なった模様になります。
サイズなどは設計通りに作られますが、出てきた杢目はそのどれもがオンリーワンの魅力があります。
通販で購入する場合は個体差には注意

自然のものを加工して作られている為、かならず希望の杢目が手に入るとは限りません。
店舗で実際に手に取って購入される方であれば確認できると思いますが、通販ではお店にお任せになってしまいます。
制作しているメーカーでさえ、一本ずつ削り出すまでどんな杢目になるか分からない訳ですから、杢目や色の出方など個体差が必ずあります。
購入の際は個体差があることを十分注意してくださいね。
杢目が生み出す「1/fゆらぎ」効果

これも公式ページで杢目の魅力について解説されていたもので、杢目から生み出される「1/fゆらぎ」効果により心地よい癒しを提供してくれるというもの。
僕が「1/fゆらぎ」という言葉を耳にしたのは、扇風機からCMでした(笑)
1925年にJ.B.ジョンソンという人が1/fノイズを発見。
日本の東京理科大学教授である武者利光氏が1/fゆらぎを生成する技術などを発明し、その癒し効果をもたらすということを発表しています。
1/fゆらぎとは
自然界や人間の感覚に心地よいと感じられる「規則性と不規則性が絶妙に混ざったリズム」の事です。
例えるなら「川のせせらぎ」「木漏れ日が揺れる様子」「ろうそくの炎の揺れ」「心臓の鼓動のリズム」「クラシック音楽のメロディの流れ」などです。
人間は進化の過程で自然のリズムに囲まれて育ったため、脳が「自然」と認識し「1/fゆらぎ」に安心感や、集中力の向上を感じるのだそうです。
また自律神経に影響し、副交感神経が優位となる為リラックス、ストレス軽減効果が期待できるというものだそうです。
スタビライズウッドの杢目が描く曲線が視覚的な1/fゆらぎを、また触れる事で指先に伝わる微妙な変化が1/fゆらぎが生み出されているそうで、ただ筆記するだけの道具ではなくリラックス効果も期待できそうです。
ワンチャーのスタビライズウッドボールペンに限った話ではないかもしれませんが、木軸ペンに魅了される理由のひとつとして、こうした効果も関係ありそうです。

リラックスできるか実証は難しいですが、体感的に僕は時間が経つのを忘れるほど見ていられるので、リラックス効果はあるのかなと思います。
ただその僕の姿を見た同僚から、僕が憑りつかれたように軸を眺めていたらしく結構本気で心配されました(笑)
杢目(もくめ)と木目(きめ)
木目(きめ)は木材の表面に見える「年輪や繊維の模様」の総称です。
杉板などの年輪模様は木目ですね。
対して杢目(もくめ)は木目の中でも、特に珍しく、美しい模様や変形した繊維の部分を指します。
縮み杢、玉杢、葡萄杢、鳥目杢など「特殊で価値の高い模様」を杢目といいます。
スタビライズウッドボールペンに使われている木材は公式ページには記載がないので特定できませんが、スタビライズ加工によって現れている模様の美しさから僕は「杢目」として表現しています。
カラーは7色展開

今回紹介するのは「ブルー」。
光の具合によって表情が変わりますが、青というよりは緑がかったような印象です。
その他、「パープル」「オレンジ」「グリーン」「レッド」「パープルブルー」「パープルグリーン」と全部で7種類あります。
今回紹介する「ブルー」を含め、その他もカラーによっては売り切れになっているので、気になる色があれば早めにチェックしておくのをおすすめします。
2025年11月現在で購入可能なのは「【アウトレット】パープルブルー」「パープルグリーン」「【アウトレット】オレンジ」「【アウトレット】パープル」「パープル」でした。
【アウトレット】とあるのは、金属部分に生産過程でついたキズ・スレ・打痕などがあるものです。
その分通常価格より安くなっています。
「多少の傷などは気にならない」「安く買いたい」という人は【アウトレット】がおすすめですよ。
ただ、杢目と同じく色の出方も個体差があるので注意してくださいね。
デザインはシンプルな円筒形

軸のデザインはとてもシンプルな円筒形です。
複雑な造形よりもシンプルなデザインの方が杢目に注目できますね。
クリップがある辺りが一番太く、ペン先に向かって徐々に細くなっていくデザインです。

長さは芯を出していない状態で145.32mmでした。


最大径は13.85mm、グリップ辺りの太さは12.73mmでした。
太くどっしりとした印象です。
重さは40.13g

木軸ながらスタビライズ加工によって密度が高く、金属軸かのような重みがあります。
金属軸でも40gとなると結構重い部類かと思います。

金属部分には真鍮が使用されているので、よりずっしりとした持ち心地になりますね。
また真鍮だけでなくステンレスとで仕上げられた金属部分は重さと耐久性とが兼ね備えられています。
装飾は無垢仕上げ


口金やノック部分には真鍮が使用されていて、メッキ処理を施していないので真鍮そのものの色を楽しめます。
メッキ処理を施していない為、金属部分は真鍮特融の黄銅色で落ち着いた印象で軸の杢目とも相性がいいですね。
初期に充填されているリフィルはたぶんワンチャーオリジナル

初期に充填されているリフィルは「G2」規格の油性インクリフィルです。
リフィルは公式ページで購入可能で、1本が税込550円、公式ページの通販ではバラ売りはなく5本または10本のまとめ買いになります。
インクは油性の黒のみ、ボールサイズも0.7mm一択ですね。
リフィルにはメーカー名など詳細が記載されておらず、実にシンプルです。
万年筆やインクなどにはセーラー万年筆とのコラボ製品があるので、ひょっとしたらOEMかもしれないですが詳細は不明です。
書き味については後述します。
リフィルは「G2」規格

「G2」規格のリフィルは「パーカータイプ」や「パーカー互換」とも呼ばれ、高い互換性のある規格になります。
「G2」規格のリフィルについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
よかったら参考にしてください。
また、いろんなメーカーから「G2」規格のリフィルが出ています。
インクも油性、低粘度油性、ゲルと多彩なのも魅力です。
こちらの記事でいろんな「G2」規格のリフィルをレビューしています。
こちらもよかった参考にしてください。
WANCHER(ワンチャー)スタビライズウッドボールペンの使い心地
ペンバランスはほぼ中央にある

グリップ部分が太めなので、あまり指に力を入れなくても持てますね。
スタビライズウッドは指に吸い付くような持ち心地で滑りにくいです。
40gとかなり重量級のボールペンですが重心はほぼ中央にあり、バランスは悪くないです。
ただ、145mmと通常のボールペンより少し長いので、あまり立てて使うとノック側がフラフラして若干取り回しにくいかなという印象です。
手が小さい人にはちょっと持て余すかもしれません。
またペンを寝かせ気味に持つ人であれば重心位置はそれほど気にならないかもしれないです。
しっかりしたノック感

けっこうしっかりしたノック感ですね。
バネがしっかり効いていて、ちょっと重めの手ごたえです。
音も重厚な「ガシャッ」という感じの機械っぽい音がします。
芯を戻した時の跳ね返りも強めですね。
油性インクらしいヌルッとした感じの書き心地

ボールサイズが0.7mmとやや大きく、ヌルヌルとした感じの書き心地ですね。
インクが途切れたりかすれたりすることはなく、なめらかに書けます。
発色はグレーがかっており、まさに油性インクって感じです。

ダマはそれなりにできますが、おおよそ想定内ってところでしょうか。
重みのあるペンなので、純正リフィルの書き味とバランスよく、違和感なく使えますね。
他メーカーの「G2」リフィルを試してみた

純正リフィルはボールサイズが0.7mmのみ。
普段使いの場合、細い線が書けるほうが好まれる傾向にあります。
ですので、ボールサイズを変更したい場合は純正以外のリフィルを選ぶようになります。
おすすめは沢山ありますが、今回は以下の2種類を試してみました。
三菱鉛筆「SXR-600-05」

皆さんご存じジェットストリームインク搭載の「G2」規格リフィルです。
低粘度油性インクでサラサラとした書き味、油性インクに比べ発色がよく、かすれにくいのが特徴ですね。
ボールサイズは0.38mm、0.5mm、0.7mmと3種類ありますが、今回は0.7mmを入れてみました。

リフィルは金属製で、軸内での固定は特に問題なくカタカタと中で揺れることはないですね。
口金との相性も特に問題なく、しっかり固定されており、筆記時にグラつくことはないですね。
あえてボールサイズを純正リフィルと同じ0.7mmにしてみましたが、ジェットストリームインクだと純正リフィルよりシャープな線が書けますね。
リフィルの価格は税込定価660円です。
パーカー「GEL 0.55」

ゲルインクが採用されたパーカーの「G2」規格リフィルです。
金属製のリフィルで、軸内でしっかりと固定されカタカタと動揺することはないですね。
ペン先の固定も問題なく、筆記は安定してできました。

ボールサイズは0.55mm。
ゲルインクのヌルヌルな書き心地がいいですし、かなり黒々とした発色もいいですね。
価格は税込定価990円とちょっとお高いのが難点ですね(汗)
WANCHER(ワンチャー)スタビライズウッドボールペンをおすすめする理由
スタビライズ加工で現れた杢目が美しい
杢目の美しさや手触りが癒しを与えてくれる
太くずっしりとした安定した持ち心地で扱いやすい
いろんな「G2」リフィルが使える
といったところかと思います。
定価は税込7700円と結構高価ですが、十分その価値があると思います。
カラーによっては売り切れになってしまっているので、欲しい色があれば早めの購入がいいのかなと思います。
ただ、先にも触れましたがかなり個体差があると思うので、通販で購入する際は十分注意してくださいね。
最後に

今回はワンチャーの「スタビライズウッドボールペン」を紹介しました。
この記事が皆さんのボールペン選びの一助になれば幸いです。
最後まで読んでくれてありがとうございました。





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