【前編】【検証1年後の経過報告】「染料」インクの耐光性実験【万年筆インク】

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万年筆用のボトルインクの中から染料インクに限定して2025年2月から始めた耐光性実験が1年を過ぎました。

検証に用いた42種類のインクが1年後どうなっているのか。

今回も【前編】【後編】の2回に分けて報告します。

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染料インクが太陽の光を浴びることでどのように変化していくのか知りたい

耐光性が高い染料インクを知りたい

染料インクの耐光性実験1年後の経過報告

写真は1枚目が検証開始0日目、2枚目が半年後、そして3枚目の大きい写真が1年後となっています。

パイロット

色彩雫 「竹炭」

検証半年の時点でかなり退色しており、「竹炭」と判別するのは難しい状態になってしまってはいましたが、筆記線などはしっかりと残っていました。

1年経過後、退色した状態のまま筆記線は維持されていました。

色彩雫「冬将軍」

検証半年時点で退色して色の判別はやや厳しいですが「冬将軍」のグレーっぽい感じは残り、筆記線は十分確認できる状態でした。

1年経過し、かなり退色が進みインクカラーは判別できない状態になっています。

また筆記線はインクの濃い(厚みがあった)部分はかろうじて残っていますが、消えている部分もありますね。

色彩雫「霧雨」

検証半年時点では退色はしてきていましたが、インクカラーはまだ判別できました。

また筆記線も十分確認できる状態でした。

1年経過後、退色してインクカラーはほぼ判別できないレベルになっています。

筆記線はかろうじて読める状態です。

色彩雫「月夜」

半年経過時点で、やや明るくなった印象ながら、インクカラーは判別できるレベルで、筆記線も十分確認できる状態でした。

1年経過後、半年経過時点からほぼ印象は変わらず、筆記線も十分確認できる状態です。

色彩雫「紫陽花」

検証半年時点ではある程度退色が進み、くすんだ印象ですがインクカラーが青系統と判別できるレベルでした。

もちろん筆記線も十分確認できる状態でした。

1年経過し、半年経過時点から比べると徐々に退色している印象ですが、青系統のカラーは残ってはいるのもも、インクカラーは維持できていません。

筆記線は十分確認できる状態です。

色彩雫「朝顔」

検証半年時点では0日から大きな変化はなく、筆記線の確認はもちろん、インクカラーの印象も保たれた状態でした。

1年経過し、若干退色が進んだ印象ですが、インクカラーはある程度保たれているかと思います。

筆記線も十分確認できるレベルです。

色彩雫「天色」

検証半年時点では若干の退色あるもののインクカラーは保たれ、筆記線は十分確認できる状態でした。

1年経過時点で、半年経過時点から大きな変化はなく、インクカラーはほぼ維持できています。

筆記線も十分確認できるレベルです。

色彩雫「紺碧」

「紺碧」は検証半年でもインクカラーはほぼ同じ印象を保ち、筆記線も十分確認できました。

1年経過時点でもインクカラーはほぼ維持されています。

筆記線も十分確認できる状態が維持されています。

色彩雫「孔雀」

検証半年時点では若干退色したものの、インクカラーはほぼ変化なく、筆記線も十分確認できる状態でした。

1年経過時点で、実験開始前とほぼインクカラーの印象は変わっていないですね。

筆記線は十分確認できる状態です。

色彩雫「六花」

検証半年時点では若干退色が進んでいましたが、インクカラーは維持されており、筆記線は十分確認できる状態でした。

1年経過時点で、徐々に退色は進んでいますが、インクカラーは維持され、筆記線も維持されています。

色彩雫「松露」

半年経過し多時点で深みのある色が白っぽく退色していましたが、色のイメージとしてはある程度維持されていて、筆記線は確認できる状態でした。

1年経過時点で、半年経過時点と大きな変化はなく、インクカラーは維持されており、筆記線も十分確認できる状態でした。

色彩雫「翠玉」

半年経過した時点で色の印象が変わり、青みが強くなり印象は変わりましたが、ある程度のカラーは保たれており、筆記線も十分確認できる状態でした。

1年経過時点で、実験開始前の状態から比べるとインクカラーの印象は変わってはいますが、半年経過時点と比べると大きな変化はないですね。

インクカラーはだいたい維持されており、筆記線は十分確認できます。

セーラー万年筆

四季織「霜夜」

半年経過した時点で徐々に退色はしてきています。

インクカラーの印象が変わり、黒っぽく変化してきています。

筆記線は十分確認できる状態でした。

徐々に退色は進み、インクの厚みがある部分が残っています。

インクカラーは半年経過時点からさらに黒っぽい感じに変化してきています。

筆記線はまだなんとか確認できるレベルかと思います。

ゆらめくインク 「凍空」

検証半年時点でほぼ退色してしまい、筆記線も確認できない状態でした。

ほんの僅かに残っていますが、ほぼ退色しており、筆記線は確認できません。

四季織「山鳥」

半年経過時点で徐々に退色はしてはいますがインクカラーは維持され、筆記線は十分確認できる状態でした。

1年経過時点でも、インクカラーの印象はほぼ変わらず、筆記線は十分確認できる状態です。

寺西化学工業

スパークルインク「ミッドナイトネイビー」

寺西化学工業のスパークルインクはラメ入りインクなので万年筆には使用できませんが、検証に加えています。

半年経過した時点でグレーっぽい色に退色してしまいましたが、ラメのキラキラのおかげで筆記線は確認できる状態でした。

1年経過し、半年経過時点で残っていたラメ部分は剥落してしまったようで、キラキラと輝く部分がなくなっています。

徐々に退色が進み筆記線はところどころ消えてしまっていますが、まだなんとか確認できる状態です。

富士山いろどり「燦」

半年経過した時点でインクカラーは維持できずグレーっぽい印象に変化しましたが、筆記線は十分確認できる状態でした。

1年経過し、さらに退色が進んでいます。

半年経過時点よりさらに青みが消え、黒っぽい色だけになってしまっています。

筆記線もところどころ消えていますが、なんとか読める状態かと思います。

ハイカラインキ「メランコリックブルー」

半年が経過した時点で退色が進み、グレーっぽく変化、インクの厚みがない部分は退色して筆記線が確認できない部分もありましたが、全体としてはまだ文字が認識できるレベルでは残っていました。

1年経過し、さらに退色が進んでいます。

黒い部分が残り、実験開始前とはインクカラーの印象が全く違っています。

筆記線もところどころ消えてしまっていますが、かろうじて読めるかなという状態です。

シュナイダー

「アイスブルー」

半年経過時点では変化はあるもののある程度インクカラーは維持されており、筆記線も十分確認できる状態でした。

若干退色が進んだかなという印象ですが、インクカラーは維持されています。

筆記線も十分確認できる状態です。

ペリカン

「ロイヤルブルー」

半年経過時点で黒~グレーに変化し、インクカラーは維持できなかったですが、筆記線は確認できるレベルでした。

1年経過時点でさらに退色が進み、より黒っぽく変化しています。

筆記線は一部消えていますが、まだ読める状態で残っています。

ラミー

「ブルーブラック」

半年が経過した時点でインクカラーはグレー~茶色に変化してしまっており維持はできなかったですが、筆記線はまだ確認できる状態でした。

1年経過し、さらに茶色っぽい色に変化しています。

筆記線は一部消えてしまっている部分はありますが、かろうじて読めるかなという印象です。

染料インク耐光性実験開始後1年経過した時点でのまとめ【前編】

染料インクの検証後の変化について、以下の3通りに分類。

〇:多少退色したが色が識別でき、筆記線が確認できる(退色しなかった)
△:退色して元の色は分からなくなったが、筆記線が確認できる(退色したが読める)
×:ほぼ退色して元の色がわからなくなり、筆記線も分からなくなった(退色し読めない)

検証した中で【前編】21種類の半年経過時の状態~1年経過時の変化をまとめてみました。

半年経過時1年経過時
パイロット 色彩雫「竹炭」
パイロット 色彩雫「冬将軍」×
パイロット 色彩雫「霧雨」
パイロット 色彩雫「月夜」
パイロット 色彩雫「紫陽花」
パイロット 色彩雫「朝顔」
パイロット 色彩雫「天色」
パイロット 色彩雫「紺碧」
パイロット 色彩雫「孔雀」
パイロット 色彩雫「六花」
パイロット 色彩雫「松露」
パイロット 色彩雫「翠玉」
セーラー 四季織「霜夜」
セーラー
ゆらめくインク 「凍空」
××
セーラー 四季織「山鳥」
寺西化学 スパークルインク
「ミッドナイトネイビー」
寺西化学 富士山いろどり
「燦」
寺西化学 ハイカラインキ「メランコリックブルー」
シュナイダー「アイスブルー」
ペリカン 「ロイヤルブルー」
ラミー 「ブルーブラック」

半年経過時点から1年経過時点での変化の推移については以下のようになりました。

半年 → 1年
退色しなかった11 → 10
退色したが読める9 → 9
退色し読めない1 → 2

完全に退色してしまったのはパイロットの「冬将軍」、セーラーの「凍空」のふたつ。

退色しなかったのが10種、退色しても読める状態が9種。

筆記線が確認できる状態が維持されたものが多かったのには驚きました。

染料インクはある一定の耐光性を持っていると言える結果かと思います。

古典インクの退色具合とよく似た退色を示す染料インク

パイロットの「竹炭」、ラミーの「ブルーブラック」は1年経過時点で退色し、茶色っぽく変化しています。

先の実験結果でのペリカンの「ブリリアントブラック」や寺西化学工業の「アンティークブラック」の退色具合とよく似ていますね。

プラチナの「ブルーブラック」やペリカンの「ブルーブラック」といった古典インクの退色具合とよく似てますね。

下の写真は耐光性実験2年後の状態です。

おそらく、パイロットの「竹炭」やラミーの「ブルーブラック」にも使われている色素に金属に類するようなイオンが使われている可能性がありますね。

黒っぽく変化したインク

パイロットの「霧雨」、セーラーの「霜夜」、寺西化学工業の「燦」、ペリカンの「ロイヤルブルー」などは退色してインクカラーは維持できなかったですが、どれもが黒っぽく変化しています。

退色してカラーは維持できなかったインクたちですが、黒っぽい色素が残った状態で少なくとも1年間の実験で生き残っています。

複雑な色素の集合によって作られているインクの中に紫外線という高エネルギーに耐えうる色素が組み込まれていたと考えてよさそうです。

この黒い色が残ったインクは、先の茶色っぽい色が残ったインクとはまた別の理由がありそうですね。

【後編】の状態も確認すればもう少し考察が進められそうです。

最後に

今回は染料インクの耐光性検証1年後の経過報告【前編】をレポートしました。

この検証が皆さんのインク選びの一助になれば幸いです。

最後まで読んでくれてありがとうございました。

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