【後編】【検証1年後の経過報告】「染料」インクの耐光性実験【万年筆インク】

インク
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今回耐光性実験に用いたインクは全部で42種類。

【前編】では「黒~青系インク」の耐光性の結果、21種類中10種がかなり退色せずに残っていました。

【後編】の21種類のインク達は、さらに半年間日光を浴びたことで、実験前の状態から1年経過でどう変化したのか。

それでは順に見ていきたいと思います。

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染料インクが太陽の光を浴びることでどのように変化していくのか知りたい

耐光性が高い染料インクを知りたい

染料インクの耐光性実験1年後の経過報告

パイロット

色彩雫「新緑」

半年経過時点ではまだ緑の要素はわずかに残っていますが青みが強くなり、元の「新緑」のイメージとはかなり変わってきていました。

それからさらに半年経過した時点で、半年前の印象とほとんど変わらない状態が維持されています。

色彩雫「竹林」

半年経過時点で既にかなり退色が進み、文字はほとんど見えなくなっています。

1年経過時点で筆記線はほぼ確認できなくなってしまっていますね。

インク瓶の部分はインクがが厚くなっていたためか、その痕跡だけが残っています。

色彩雫「燈路」

半年経過時点でかなり退色は進み全体的に薄くなってはいますが、ある程度インクカラーは維持され、筆記線も確認できる状態でした。

1年経過時点で、半年前と比べるとそこまで大きく変わっていない印象ですが、実験開始前と比べるとインクカラーの印象はかなり変わってしまっています。

赤色の要素が消え、黄色要素だけが残っている感じです。

色彩雫「夕焼け」

半年経過時点で元の「夕焼け」らしいインクカラーは維持されていなかったですが、筆記線は確認できる状態でした。

1年が経過し、さらに退色は進みましたが筆記線はまだ確認できる状態です。

色彩雫「花筏」

半年経過時点でに完全に退色してしまっていました。

もちろん、1年経過時点でも完全に退色してしまっている状態ですね。

色彩雫「躑躅」

半年経過時点でかなり退色してしまい、筆記線もほぼ確認できない状態でした。

さらに退色が進み、筆記線はほぼ確認できない状態です。

半年経過時点ではわずかに赤色が残っていた印象ですが、1年経過し赤は完全に消えて黒っぽく残っていますね。

色彩雫「秋桜」

半年経過時点でインクの厚みがあった部分に多少残る程度でほぼ退色してしまっており、筆記線は確認できない状態でした。

1年経過し、筆記線は全く確認できない状態です。

インク瓶の絵に塗った部分だけが残っていますが、半年経過時点でわずかに赤色が残っていた印象でしたが、さらに色がくすみ茶色っぽくなってきています。

色彩雫「冬柿」

半年経過時点で筆記線は確認できるものの、インクカラーは元の「冬柿」とは似ても似つかない色へと変化していました。

1年経過時点では、若干赤色の要素が残っていますが、少し黄色っぽい感じもします。

筆記線はほぼ退色して読めなくなってしまっています。

色彩雫「山葡萄」

半年経過時点で「山葡萄」のインクカラーは維持されていなかったですが、筆記線は確認できる状態でした。

1年経過時点では、青い要素がかなり減り、赤味が残っている印象です。

筆記線はほぼ確認できない状態となってしまいました。

色彩雫「紫式部」

半年経過時点でほぼ退色してしまっており、インクカラーは青色の要素がほとんどなくなり、全く維持できていません。

筆記線もほぼ確認できない状態となっていました。

1年経過時点でインク瓶にのせた厚みのある部分だけがなんとか残っている程度で、筆記線はほぼ退色してしまっています。

残ったインクも半年時点で赤っぽくなっていたのが、赤黒くなってきています。

色彩雫「春暁」

半年経過時点で「春暁」のインクカラーと全く違う色へと変化してしまっていますが、筆記線は確認できる状態でした。

1年が経過し、茶色っぽい色は残っていますが、筆記線はほぼ読めなくなってしまっています。

色彩雫「山栗」

半年経過時点で「山栗」としての印象は変わりましたが、ある程度インクカラーの印象は維持され、また筆記線は確認できる状態でした。

1年が経過し、かなり退色が進んでいます。

一見、インクカラーの印象はやや維持されているようにも見えますが、実験開始前と比較するとかなり変化してきているのが分かりますね。

筆記線は一部消えてしまっている部分もありますが、かろうじて読める状態かと思います。

セーラー万年筆

四季織「金木犀」

半年経過時点では徐々に退色は進んでいますが、インクカラーはある程度維持されており、筆記線は確認できる状態でした。

1年が経過し、インク瓶の部分以外は赤色の要素がかなり退色し、黄色要素が残っています。

筆記線は一部退色して消えてしまってはいますが、まだ読める状態です。

四季織「桜森」

半年経過時点でほぼ退色してしまっており、筆記線は確認できない状態でした。

1年経過し、完全に退色してインクの存在が確認できない状態です。

四季織「夜焚」

半年経過時点でかなり退色が進みインクカラーは維持できていなかったですが、筆記線はなんどか確認できる状態でした。

1年経過時点で、インク瓶のインクが多くのっていた部分は半年経過時点と大きくは変わっておらず、残り火のような色合いが印象的です。

筆記線はほぼ退色してしまっており、じっくり見ればかろうじて筆記線が見えるかどうかという状態ですが、欠けている部分が多いので読めないと判断しました。

北一硝子「思い出のラベンダー」

半年経過時点で赤系統の色素が抜けて青系統の色素が残った印象で、インクカラーの維持は出来ていなかったですが、筆記線は確認できる状態でした。

半年経過時点から徐々に退色は進んでいますが、印象はほぼ変わらず、筆記線も十分確認できる状態です。

ゆらめくインク「極夜」

半年経過時点で元のインクカラーのイメージはガラッと変わり、青色の要素が残り、その他の要素は退色してしまっています。

筆記線は確認できる状態でした。

1年が経過し、残った青色の中に若干黄色い要素が残っているかという印象を受けます。

筆記線は徐々に退色が進み、一部欠けている部分もありますが、だいたい読める状態が維持されています。

シュナイダー

「ローズ」

半年経過時点で退色は進みましたが、インクカラーはかろうじて赤系統であったというのが確認でき、筆記線もまた確認できる状態でした。

1年が経過し、残っているインクには赤い要素はほとんどなく、黒っぽく残っているだけですね。

筆記線はじっくり見れば読めますが、これだけ退色してしまっているので、読めないと判断しました。

ラミー

「チャージグリーン」

半年経過時点で徐々に退色してはいますがインクカラーの印象は変わらず、筆記線もしっかりと確認できる状態でした。

1年経過時点で、退色は進んではいるものの、インクカラーはかなり維持されている印象です。

筆記線もほぼ読める状態で残っています。

IWI

「春分」

半年経過時点でほぼ退色してしまい、インクカラー、筆記線はほぼ確認できない状態でした。

1年が経過し、わずかに残っていた部分もすっかり退色してしまい、なにも見えなくなってしまっています。

「大寒」

半年経過時点でかなり退色が進んでおり、筆記線はかろうじて確認できる状態でした。

1年経過時点で、さらに退色が進み、筆記線もほぼ確認できない状態となってしまっています。

染料インク耐光性実験開始後1年経過した時点でのまとめ【後編】

【前編】と同様に染料インクの検証後の変化について、以下の3通りに分類。

〇:多少退色したが色が識別でき、筆記線が確認できる(退色しなかった)
△:退色して元の色は分からなくなったが、筆記線が確認できる(退色したが読める)
×:ほぼ退色して元の色がわからなくなり、筆記線も分からなくなった(退色し読めない)

【後編】21種類の半年経過時の状態~1年経過時の変化をまとめてみました。

半年経過時1年経過時
パイロット 色彩雫「新緑」 
パイロット 色彩雫「竹林」 ×
パイロット 色彩雫「燈路」 
パイロット 色彩雫「夕焼け」 
パイロット 色彩雫「花筏」 ××
パイロット 色彩雫「躑躅」××
パイロット 色彩雫「秋桜」××
パイロット 色彩雫「冬柿」×
パイロット 色彩雫「山葡萄」×
パイロット 色彩雫「紫式部」××
パイロット 色彩雫「春暁」×
パイロット 色彩雫「山栗」
セーラー 四季織「金木犀」
セーラー 四季織「桜森」××
セーラー 四季織「夜焚」×
セーラー 北一硝子
「思い出のラベンダー」
セーラー ゆらめくインク
「極夜」
シュナイダー 「ローズ」×
ラミー 「チャージグリーン」
IWI 「春分」××
IWI 「大寒」×

半年経過時点で退色せずに残ったのが21種類中4種類でしたが、さらに半年経過し、退色せずに残ったのがわずか1種類という結果に。

また退色したが読めるものが11種から7種へ、退色し読めないものが6種から13種類という結果になりました。

かなり退色してしまったものが多いですが、退色しながらも読める程度には残るインク

青系統の色は一定の耐光性を持つものが多い

【前編」でも触れましたが、【後編】でもパイロットの「深緑」やセーラーの「思い出のラベンダー」「極夜」は元のインクカラーは維持できなかったものの青系統の色素が残り、筆記線が確認できる状態でした。

黄色系統も比較的耐光性がある

パイロットの「燈路」「夕焼け」やは赤系統の色が退色し黄色い色素が残りました。

セーラーの「金木犀」はまだ若干赤色が残ってはいますが、黄色の残り具合が優位です。

またラミーの「チャージグリーン」は若干インクカラーの印象は変わったものの、ほぼ維持されており、黄色の色素もある程度耐光性を認めるものもありました。

赤色に耐光性を求めるのはかなり厳しい印象

パイロットの「秋桜」やセーラーの「桜森」など赤系統は半年経過時点でほぼ退色してしまっています。

先の実験でも赤系統はかなり厳しい結果となっていたし、紫外線を吸収してしまう赤系統は耐光性を求めるのはかなり厳しいのかなと思います。

インクカラーを維持しているか悩む「山栗」

退色が進んでおり、インクカラーは維持できていないという判定にしましたが、何かの色素が抜けるといった大きな変化がなく、全体的に退色が進んでいるという印象です。

このまま色が薄くなるように退色していくのか、残る色素がどう変化していくのか、もうしばらく実験を続けて経過を見てみたいと思います。

【前編】【後編】まとめ

半年経過時点1年経過時点
退色しなかった1511
退色したが読める2016
退色し読めない715

【前編】【後編】合わせ、退色しなかったものが15種から11種へ、退色したが読めるものが20種から16種へ、退色し読めないものが7種から15種となりました。

染料インクが1年間光に耐え続けたものが「退色しなかった」と「退色したが読める」を合わせると全42種類中27種もありました。

この結果から染料インクでも一定の耐光性を持っていると言っていいのかなと思います。

最後に

万年筆の耐光性実験を始めて2年以上が過ぎました。

この実験結果を一度まとめてみたいと思います。

もちろん実験は引き続き行っていきますし、また1年後くらいを目途にレポートできればと思っています。

最近僕の諸事情で更新頻度が遅くなってしまっていて申し訳ないですが、頑張って続けていきますのでよろしくお願いします。

この記事が皆さんのインク選びの一助になれば幸いです。

最後まで読んでくれてありがとうございました。

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