「D型」というのは多機能ペンなどに採用されている油性ボールペンリフィル(替え芯)の規格のことです。
この油性「D型」を採用しているメーカーは多く、多色・多機能ペンを簡単にカスタムできるため、とても人気のある規格となっています。
また油性「D型」の規格に準じたゲルインキリフィルも登場しています。
今回はこの「D型」に焦点をあてて詳しく紹介します。
この記事をおすすめする人
「D型」について詳しく知りたい
「4C」と「D型」は同じものだと思っていた
おすすめの「D型」の替え芯とボールペンが知りたい
ボールペンリフィル(替え芯)の規格について
ボールペンのリフィル(替え芯)にはJISで定める規格があります。
油性、水性、ゲルインキと使用されているインクの種類別に定めだれています。
油性ボールペンの規格は「A1」~「H」に分類されています。
この中に形式記号「D」に分類されているのが、今回紹介する「D型」のリフィルです。
「D型」について
「D型」というのはボールペンの替え芯の規格です。
JIS規格で定められているサイズは
全長67mm(+0.3mm、-0mm)、
後部軸径2.35mm(+0mm、-0.05mm)
となっています。
国内の高級ボールペンや海外の多色・多機能ボールペンではこの「D型」が多く採用されています。
「D型」と「4C」の違い
日本では「D型」と「4C」を同じものとして扱われていることが多いです。
ですが、実はこの「D型」と「4C」はまったく別のものです。
それを順に解説していきたいと思います。
「D型」と「4C」のサイズ比較
まずはそれぞれの規格(サイズ)を比較してみましょう。
「D型」 | 全長67mm(+0.3mm、-0mm) 後部軸径2.35mm(+0mm、-0.05mm) |
「4C」 | 全長 67mm 後部軸径2.4mm |
「D型」は多少の幅を設けています。
後部軸径を見ると2.35mm(+0mm、-0.05mm)とあるので、
「2.30mm~2.35mmの範囲内であれば「D型」としていいですよ」
という意味です。
で、改めてこの表をみると、
ゼブラの「4C」芯が最小で0.05mm、最大で0.10mm太い
ことになります。
肉眼ではほぼ分からない差ですが、「4C芯」は「D型」の規格を逸脱しているため同じものとしては取り扱えません。
このため、ボールペンによっては、この違いからきちんとハマらなかったり、替え芯をハメる穴が大きくなってしまったりなどの不具合が生じる場合があります。
実際、「D型」「4C芯」のどちらも使えるモデルも存在するようですが、不具合の原因となることもあるので取り扱う場合は自己責任ということになりますね。
「D型」はJIS規格、「4C」はゼブラ独自規格
サイズの違いについて数値で確認してもらいました。
先に述べたように「D型」というのはJIS規格で定める油性ボールペンリフィル規格の形式記号です。
これに対し「4C」というのはゼブラの替え芯の品番です。
ゼブラ独自の規格で、油性リフィルの規格に照らし合わすと油性「H」に分類されます。
海外では「H」と言わず、「D型」に似ている「4C」を「D1」と呼び区別されているようです。
ただし、油性リフィルの規格には「D1」は存在せず、これも「4C」同様俗称になります。
まとめると
- 「D型」はJIS規格で定められた規格の形式記号
- 「4C」はゼブラの独自規格でリフィルの名称
ということです。
なぜ「D型」が「4C芯」として呼ばれるのか
先に述べたように実際にはゼブラの「4C芯」は「D型」といわれる規格とは違い俗称です。
- 「D型」という規格の名称が広まる前にゼブラの「4C芯」という呼び名が定着してしまったこと
- わずかな差(0.05~0.10mm)であるため、「D型」の規格に近いので、同じものとして扱われることが多かった
といった理由かと思います。
「G2」規格もパーカーのリフィルから始まった規格なので「パーカータイプ」「パーカー互換」などと呼ばれています。
こちらは規格名と俗称とは一致するので問題はないですが、「D型」と「4C芯」は違います。
実際の形式記号より俗称で呼ぶ方が世間になじみやすいことから、誤って広まってしまったのだと思います。
海外では「D型」との違いを区別するため、品番である「4C」を使わず「D1」という俗称が生まれたのだと思います。
油性「D型」規格に準じたゲルインキリフィルがある
油性「D型」規格に準じたゲルインキリフィルがあります。
サクラクレパスの「R-LGB04D」「R-GBM04」、ゼブラの「JSB-0.4芯」「JSB-0.5芯」、パイロットの「LHRF-20C4」などが相当します。
「D型」のゲルインキリフィル?
ちょっと面倒な話なので、ここは読み飛ばしてもらっても大丈夫です(笑)
ボールペンリフィル(替え芯)の規格はインク別に分類されています。
その中で、ゲルインキリフィルの規格は「J」「K」「L」「G2」に分類され、形状やサイズが異なるものが「N」に分類されます。
お気づきかと思いますが、ゲルインキリフィルの規格には「D」という形式記号は存在せず、厳密にはゲル「N」型に分類されます。
でも実際にいろんなメーカーが油性「D型」リフィル規格に準じたゲルインキのリフィルを製造・販売しています。
現段階ではゲルインクリフィルの規格に「D型」はないですが、便宜上「D型」ゲルインキリフィルと呼んでも差し支えはないと思います。
ひょっとしたらそのうちゲル「D型」という規格ができるかもしれませんね。
「D型」リフィルを紹介
国内外でいろんなメーカーが「D型」リフィルを製造・販売してい、互換性が高く人気のリフィル。
「D型」に分類される油性(低粘度油性含む)リフィルと「D型」規格に準じるゲルインキリフィルを分かる範囲で一覧にしてみました。
ただし、ボールサイズ・インクカラーの識別番号(記号)は省略しています。
調べる場合は「メーカー名 品番」をコピペすればすぐに調べれますよ。
油性インクリフィル
メーカー名 | 品番 | ボール径の種類 | インクカラー |
三菱鉛筆 | SE-7 | 0.7 | 黒 赤 青 |
ぺんてる | KFS7 | 0.5 0.7 | 黒 赤 青 |
トンボ鉛筆 | BR-VS | 0.7 | 黒 |
セーラー万年筆 | 18-0103 | 0.5 0.7 | 黒 赤 青 |
プラチナ万年筆 | BSP-100S# | 0.5 0.7 | 黒 赤 青 |
ラミー | LM21 | 0.7 | 黒 赤 青 緑 |
低粘度油性インクリフィル
メーカー名 | 品番 | ボール径の種類 | インクカラー |
トンボ鉛筆 | BR-VLE33 | 0.5 | 黒 |
パイロット | BRFS-10 | 0.5 0.7 1.0 | 黒 赤 青 緑 |
プラチナ万年筆 | SBSP-150S | 0.5 0.7 | 黒 赤 青 |
ぺんてる | XKBXES7 | 0.5 0.7 | 黒 赤 |
三菱鉛筆 | SXR-200 | 0.5 0.7 | 黒 赤 青 |
オート | R-4C | 0.5 0.7 | 黒 赤 青 |
ゲルインク
メーカー名 | 型番 | ボール径の種類 | インクカラー |
サクラクレパス | R-GBM04 | 0.4 | 黒 赤 |
サクラクレパス | R-LGB04D | 0.4 | 黒 赤 クリムゾンレッド |
パイロット | LHRF-20C4 | 0.4 | 黒 赤 青 |
ゼブラ | JSB | 0.4 0.5 | 黒 赤 青 緑 ブルーブラック |
これでもまだ一部で、海外メーカーを全部拾い出すとかなりの種類になります。
沢山種類がありすぎてどのメーカーのどのリフィルを使うか悩みますよね。
おすすめの「D型」リフィル
いろいろと紹介しましたが、使いやすさでは低粘度油性インクを使用したリフィルです。
三菱鉛筆「SXR-200」
ジェットストリームインクを使用したサラサラの書き心地で大人気のリフィルです。
ジェットストリームプライムの多色・多機能ボールペンで使用されているリフィルですね。
1本の税込定価は220円です。
パイロット「BRFS-10」
4色同じメーカーで揃えたいならパイロットの「BRFS-10」です。
これも「アクロインキ」搭載でジェットストリームとはまた違ったサラサラの書き心地です。
2+1アクロドライブや4+1リッジなどで使用されているリフィルです。
1本の税込定価110円です。
オート「R-4C」
コスパがいいのはOHTOの「R-4C」ですね。
ニードルチップで筆記視野が広いので書きやすいですね。
1本の値段が税込定価88円です。
D型の替え芯がつかえるおすすめのボールペン
紹介したい多色・多機能ボールペンはたくさんありますが、僕が個人的におすすめするボールペンをいくつか紹介します。
ラミー2000
一番人気はなんといっても「ラミー2000」です。
振り子式のノックで、見た目がスマートです。
ラミーを代表するロングセラーで今でも人気の高いボールペンです。
三菱鉛筆(uni)ジェットストリームプライム 3色ボールペン
ノック式の3色ボールペンです。
ジェットストリームはサラサラな書き味でとても人気のあるボールペンです。
このプライムシリーズはノック感にかなりこだわって作られています。
前に紹介したプライムシングル ノック式もかなりノック感にこだわりを感じます。
ジェットストリームプライムの書き味とノック感はジェットストリームプライムならではですね。
パーカー 多機能ペン ソネット
回転式の多機能ペンです。
パーカーはアメリカ発祥の高級筆記具ブランドで、シングルのボールペン、万年筆など紹介してきた僕の好きなブランドです。
スリムなボディに2色のボールペンとシャープペンが入っています。
余計な装飾がなく、スタイリッシュなデザインです。
またパーカーの特徴といえばやはり矢羽クリップですね。
ステッドラー アバンギャルド
振り子式の多機能ペンです
ステッドラーは創業が1835年というドイツの老舗複合文具メーカーです。
鉛筆製造から始まり、筆記具全般、製図用品など幅広い製品を作っているメーカーです。
色を抑えたシンプルでスタイリッシュなデザイン、横にあるボタンを押すと出した芯を収納できます。
ステッドラーの純正の芯はあまり評判は良くありませんが、書きやすい低粘度の替え芯に交換することで、使い心地は激変します。
最期に
今回は「D型」の替え芯に焦点をあてて紹介しました。
純正の替え芯を使う、これが基本とは思います。
ですが、せっかくの同じ規格のものがあるのなら、ちょっとカスタムしてみたくなりますよね。
自分流にカスタムして自分好みに仕上げて使うという醍醐味をぜひ堪能してください。
他にもおすすめしたい「D型」規格の替え芯が使えるボールペンはたくさんあります。
購入して使ってみて、それぞれ詳しく紹介できればと思います。
最期まで読んでくれてありがとうございました。
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