今回はパーカーの多機能ボールペン(マルチファンクションペン)「ソネット」を紹介します。
「ソネット」はボールペンは黒と赤の2種類とシャープペンシル(0.5mm)がついた多機能ボールペンです。
回転繰り出し式(ツイスト式)で使いやすくシンプルなデザイン、さらに互換性の高いD型リフィルが採用されているのが魅力です。
それでは詳しく紹介します。
- PARKER(パーカー)多機能ボールペン「ソネット」をおすすめする人
- PARKER(パーカー)多機能ボールペン「ソネット」の特徴
- PARKER(パーカー)多機能ボールペン「ソネット」の使い心地
- PARKER(パーカー)多機能ボールペン「ソネット」をおすすめする理由
- 最後に
PARKER(パーカー)多機能ボールペン「ソネット」をおすすめする人
回転繰り出し式の多機能ボールペンを探している
リフィルはD型を使いたい
パーカーの筆記具が好き
PARKER(パーカー)多機能ボールペン「ソネット」の特徴
「ソネット」シリーズが登場したのは1993年

パーカーは1888年にアメリカで創業された老舗の筆記具ブランドです。
1993年に誕生した「ソネット」シリーズのひとつに今回紹介する多機能ボールペンも登場しています。
この「ソネット」という名前は、14行詩の「ソネット(Sonnet)」が由来だそうです。
「ソネット(Sonnet)」とは

「ソネット(Sonnet)」は、14行で構成された定型詩のことです。
13世紀のイタリアで生まれ、ルネサンス期(おおよそ14世紀中頃から16世紀末まで)に広まりました。
特にシェイクスピアによって有名になりました。
「Shall I compare thee to a summer’s day?(君を夏の日にたとえようか)」

シェイクスピアのソネットの中で有名なものは、第18番「Shall I compare thee to a summer’s day?(君を夏の日にたとえようか)」です。
恋人の美しさとその永遠性を称える内容で、次のような冒頭で始まります。
Shall I compare thee to a summer’s day?
Thou art more lovely and more temperate.
” 君を夏の日にたとえようか? 君のほうがもっと美しく、穏やかだ “
この詩は、時の流れや自然の移ろいに対して、詩の中で描かれた美が永遠に残るというテーマを持っています。
まさに「言葉による不滅」を体現した作品ですね。
「ソネット(Sonnet)」の主な特徴
- 14行で構成されている(これが最大の特徴)
- 韻律や構成に厳格なルールがある
- イタリア風(ペトラルカ風)・イギリス風(シェイクスピア風)・スペンサー風と3つの主要な形式が存在する
「ソネット(Sonnet)」という言葉は、イタリア語の sonetto(小さな歌)に由来し、詩の中で感情や思想を凝縮して表現する手法なんですね。
パーカーの「ソネット」はこの「ソネット(Sonnet)」のような厳格さ、優雅さ、伝統、革新といったものの象徴としてデザインされたということだそうです。
筆記具のレビューからはちょっと脱線した話になってしまいましたが、名前の由来を知るともっとその筆記具への興味が深まりますね。
パーカーを象徴する矢羽クリップ

パーカーといえばこの矢羽クリップですね。
1933年に「バキューマティック」モデルで初めて採用され、1957年にはブランドの正式なエンブレムとなりました。
矢羽クリップには「未知への挑戦や新たな可能性を探し求め、志を抱く人々の道しるべでありたい」というメッセージが込められています。
矢羽というコンセプトは同じですが、モデルによって矢羽クリップのデザインは違います。

写真は左から「アーバン」「IM」「ジョッターXL」そして「ソネット」です。
「ソネット」以外はシングルボールペンです。
クリップのデザインコンセプトは同じですが、羽の部分や矢じり部分などそれぞれ少しずつデザインが違うのが面白いですね。
「ソネット」のようにそれぞれのシリーズごとにテーマやデザインコンセプトがあり、矢羽部分もそれぞれデザインが違うのかなと思います。
回転繰り出し式でデザインはシンプル

軸はストレートで余計な装飾はなくとてもシンプルですね。
ノック方式は回転繰り出し式が採用されており、多機能ボールペンとしてはノック式などよりも非常にシンプルです。
多色、多機能ボールペンのノック方式は主に「ノック式」「回転繰り出し式」「振り子式」の3種類あります。
こちらの記事で多色、多機能ボールペンのノック方式について紹介しています。
よかったら参考にしてください。
多機能ボールペンらしくノック部分には消しゴムがついている

ノック部分のキャップを外すと消しゴムが出てきます。
結構しっかりした消しゴムで消しやすそうですね。
僕はもったいなくて使っていません(笑)
仕様素材はステンレススチール

軸に使用されている素材はステンレススチールです。
ステンレスは耐食性が高くさびにくい、また衝撃や摩耗に対して変形しにくいのが特徴です。
さらに軸表面の着色にはグロスラッカー仕上げが施されています。
グロスというのは光沢という意味で、表面に艶があり高級感を演出してくれます。
ラッカー仕上げは見た目が美しく手触りがいいのが特徴です。
ただ、傷がつきやすく経年劣化しやすい、薬品に弱いというデメリットがあります。
シンナーやアルコールなどの溶剤に弱く、表面が溶けたり曇ったりすることがあるので、お手入れの際には注意してくださいね。
カラーや装飾によって値段が違う

今回紹介するのは「ラックブラックCT」というカラーになります。
その他、「ステンレススチールCT」、「ステンレススチールGT」、「レッドCT」、「ブラックGT」、「ネイビーブルーCT」、「パールPGT」と全部で7種類あります。
カラーや装飾によって値段が違い、一番安いのが「ステンレススチールCT」で税込定価5500円。
次いで「ラックブラックCT」、「ネイビーブルーCT」が税込定価6600円。
「パールPGT」が税込定価8800円。
「レッドCT」、「ブラックGT」、「ステンレススチールGT」が税込定価9900円です。
結構値段に差がありますね。
「CT」はクロームトリム

クリップやノック、リング部分の装飾部分にはクロムメッキ処理がされています。
銀色に輝いてかっこいいですね。
僕は「黒×銀」の組み合わせが好きなのでこの「ラックブラックCT」を選びました。
その他のモデルは「GT」(ゴールドトリム)、「PGT」(ピンクゴールドトリム)と見た目がゴージャスな仕様で、見た目に華やかですね。
「CT」「GT」についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
万年筆として解説していますがボールペンにも当てはまることなので、よかったら参考にして下さい。
リング部分には「PARKER」「SONNET」に「A.lll」


中央のリング部分には「PARKER」「SONNET」と刻印されています。

そして「A.lll」の刻印。
メーカー名、モデル名は分かりますが、「A.lll」はどういう意味なのか。
この刻印に関しては公式ページなどを見ても正確な情報がなかったです。
もう少し調べてみたところ、製造年と製造時期を示すパーカー独自のコードで「A=製造年」「lll=第一四半期」を示している可能性が高いようです。
ただ、製造時期やモデルによってもこの方式が違うことがあるようなので、すべてのソネットに共通したものではなさそうです。
どなたか正確な情報をお持ちの方はいらっしゃいますか?(汗)
全長135.72mmで重さは20.61g

リフィルを収納している状態での全長は135.72mmでした。


軸の最大径は10.22mmですが、グリップする先軸の径は9.34mmとちょうど握りやすいサイズですね。

重さは20.61gと金属製の多機能ボールペンとしては比較的軽量ですね。
パーカーのリフィルはカラーが3種類で太さが2種類

購入時に充填されているリフィルはF(ボールサイズ0.8mm)です。
品番は 黒が「S1164312」、赤が 「S1164313」です。
インクカラーは黒、赤ともうひとつ青の3色あります。
また、それぞれボールサイズはF(0.8mm)とM(1.0mm)の2種類があります。
リフィルにも「A.lll」の刻印がある

リフィルを見てみると、ここにも「A.lll」の文字がありますね。
先に触れた軸にある刻印の情報が正しいのであれば、このリフィルも同じタイミングで製造され、同じタイミングで組み上げられたのではないかと思われます。
リフィルにも個別の刻印があるのは、パーカーの品質管理の高さの現れなのかもしれませんね。
リフィル(替え芯)の規格は「D型」

ボールペンに使われているリフィルは「D型」という規格が採用されています。
D型リフィルを採用しているメーカーはたくさんあり互換性が高いのが魅力です。

パーカーはもちろん、三菱鉛筆のジェットストリームやパイロットのアクロインキにもD型リフィルがありますね。
D型リフィルについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
よかったら参考にして下さい。
PARKER(パーカー)多機能ボールペン「ソネット」の使い心地
回転の手ごたえはなめらか

回転は往復タイプではなく、どちらの方向にも何周もぐるぐる回せるタイプです。
回転する手ごたえはソフトな手ごたえでスムーズですね。
音も静かでスーッと回ります。
リフィルが固定される時の「コトッ」という感じが心地いいですね。
ペンバランスは中央にあるリング部分

重心がちょうど中央にあるリング部分辺りにあります。
20gと比較的軽量であることを合わせ、コントロールがしやすいですね。
長時間の筆記でも疲れにくいかと思います。
シャープペンのノックがしやすい

シャープペンの芯を出す時はこのノック部分をノックします。
感覚はシャープペンをノックしているのとまったく同じ手ごたえですね。
多機能ペンのシャープペンはノックしにくい場合が多いかと思います。
でも「ソネット」は軸をしっかりホールドした状態でノックできるので、他の多機能ボールペンよりも断然ノックしやすいですね。
口金の精度がよく筆記時にカタカタしない

口金とリフィルとの隙間は肉眼ではほぼないように見えますね。
ボールペン、シャープペン共にペン先がカタカタすることなく安定して筆記できますよ。
ヌルヌルと書きやすいが擦れたりダマができる

上からボールペン(黒)、ボールペン(赤)、シャープペンで書いています。
ボールペンの黒はちょっとグレーがかった感じの発色ですね。
結構ヌルヌルと書きやすいです。
ボールペンの赤もちょっと控えめな発色で、少し赤黒い感じですね。
黒と同様ヌルヌルとした感じの書き味ですね。
ちょっと擦れてしまったりダマができたりするのがちょっと難点かなという感じです。
ペン先が丸くなっているので筆記視野がちょっと見にくい

口金部分の形状が丸くなっています。
それほど気にしなくてもいいと思いますが、筆記視野がちょっと見にくいかなという印象です。
リフィル(替え芯)の交換方法
ペンのグリップ部分をしっかり持ち、軸をまっすぐ引き抜く

ぐるぐると回る回転式なのでいくら回してもいつまでも外れません。
後軸と先軸をそれぞれしっかり持ち、ひっぱってまっすぐ引き抜きます。
最初は少し固く感じるかもしれませんが、ちょっと頑張れば大丈夫だと思います。
リフィル(黒・赤)を引き抜いて交換

交換したいリフィルを引き抜き、新しいリフィルを差し込むだけです。
先軸をはめ込めばリフィル交換完了です!
純正リフィルからジェットストリーム「SXR-200」に替えてみた

パーカーのリフィルはヌルヌルとした書き心地で気持ちいいですが、時にインクが途切れたりかすれたりします。
また、パーカーのリフィルはF(0.8mm)とM(1.0mm)とボールサイズが大きいです。
手帳などに使うにはちょっと太いので、ボール径の小さいリフィルに替えてみるのもいいかと思います。
おすすめは三菱鉛筆のジェットストリーム「SXR-200-05」です。
ボールサイズが0.5mmと細い線が書けるので、手帳に書き込みやすくなりますよ。
ジェットストリーム「SXR-200」はボールサイズが0.5mmと0.7mmの2種類あります。
どちらもパーカーの純正リフィルより細い線が書けるようになり、書き味も良くなりますね。

上がパーカーの純正リフィル、下がジェットストリームです。


アップで見るとパーカーのリフィルで書いた文字は擦れとダマができているのが分かりますね。
ジェットストリームで書いた文字はほとんど擦れることなく、発色もいいですね。
ジェットストリームだけでなく、パイロットのアクロインキも発色が良く、サラサラとした書き心地でおすすめですよ。
D型リフィルは三菱鉛筆やパイロットの他にもいろんなメーカーから出ています。
いろいろ試してみるのも面白いですよ。
PARKER(パーカー)多機能ボールペン「ソネット」をおすすめする理由
回転繰り出し式なので見た目がシンプルでかっこいい
高級感がありビジネスシーンでもスマートに使用できる
D型リフィルが採用されているのでいろんなメーカーのリフィルに替えることができる
といった感じでしょうか。
価格は税込定価6600円、実売価格ではもう少し安く購入できるので、高級ながら手に出しやすい価格帯かなと思います。
洗練されたデザインと実用性を兼ね備え、十分満足できるクオリティですよ。
最後に

今回はパーカーの回転繰り出し式多機能ボールペン「ソネット」を紹介しました。
この記事が皆さんのボールペン選びの一助になれば幸いです。
最後まで読んでくれてありがとうございました。






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