BIC(ビック)というメーカーを御存じですか?
ビックは日本ではそれほど知名度が高いとは言えませんが、世界的には超メジャーな筆記具メーカーで、市場シェアは3.20%で世界第5位(参照:2020/9/19 ディールラボ)。
「ビック・オレンジ」という名前を知らなくても、そのデザインを見るだけで「見たことがある!」と思うはず。
「ビック・オレンジ」は2021年に廃盤となりましたが、その後継として登場したのが「ビック・クリスタル・オリジナルファイン」です。
今回はBIC(ビック)のボールペン「ビック・クリスタル・オリジナルファイン」を紹介します。
BIC(ビック)クリスタル・オリジナルファインをおすすめする人
鉛筆のような持ち心地のボールペンを愛用している
筆記距離の長いボールペンを使いたい
安い事務用ボールペンでも見た目や書き味にこだわりたい
BIC(ビック)について
BICは1945年にフランスで誕生しました。
創始者はマルセル・ビックとエドゥワール・ビュッファールとの共同経営。
1888年にアメリカで発明されたボールペンの特許をビックが買い取り、改良を経て1951年に世界初の使い切りボールペン「ビック・クリスタル」が誕生しました。
そして1961年にBICのベストセラーとなる「ビック・オレンジ」が登場。
ビックは筆記具だけでなく、シェーバーやライターなどいろんな商品を手掛けています。
ビックの歴史やいろんな商品など、詳細については公式ページのリンクを貼っておきますので、よかったご参照ください。
BIC(ビック)クリスタル・オリジナルファインの特徴
BIC(ビック)オレンジEG(イージーグライド)の後継機的な存在
2011年にBIC独自の低粘度油性インク「EGインキ」を搭載した「BICオレンジEG」。
黒いキャップに細身で6角形をしたオレンジ色の軸というデザインを見るだけでビックのボールペンと分かるほど圧倒的な存在でした。
書き味がよく人気があったのですが、海外での売り上げに苦戦し2021年7月に廃盤。
「BICオレンジEG」の廃番とほぼ同時期に発表されたのが今回紹介する「BIC(ビック)クリスタル・オリジナルファイン」です。
高いコストパフォーマンス
「クリスタル・オリジナルファイン」一番の特徴は筆記距離。
3.5kmというのは驚きですね。
しっかりと「BICにビックリ!3.5kmの筆記距離を実現!」と書かれていますね(笑)
カランダッシュ、パーカーと比較
金属製のリフィルでカランダッシュのゴリアット芯が8km、パーカーのクインクフロー3.5km。
どのボールペンもかなり長い筆記距離です。
驚くのは「クリスタル・オリジナルファイン」のコストパフォーマンス。
カランダッシュのゴリアット芯は希望小売価格が1650円。
パーカーのクインクフローは希望小売価格が990円。
そしてビックのクリスタルファインは希望小売価格が110円。
1kmあたりの値段に換算すると、カランダッシュが206.25円、パーカーが282.9円。
そしてビックが31.4円と、圧倒的なコストパフォーマンスです。
長距離を筆記可能にした技術
廃盤となったBICオレンジEGの筆記距離が2kmでした。
クリスタルファインはその約1.75倍長持ちする計算です。
改良されたのはペン先のインクフローの調節とインク。
ビックの低粘度油性インクであるEG(イージーグライド)インクから従来の油性インクになっています。
EGインクに比べ従来の油性インクは粘度が高いです。
粘度が高いインクにすることでインクフローを抑えることができます。
そしてさらにペン先の構造を改良して、このインクフローを調整した結果、長距離筆記を実現させているんですね。
この筆記距離については認証機関 SGS にて筆記距離テストが実証されています。
「長持ちすることでゴミの排出を抑えられるだけでなく、1本100円(税別)の手頃な価格で、環境にも財布にも優しいエコなボールペン。」というのが売りのようです。
フランスのエコラベルであるNF環境マーク(NF400)を所得されています。
書き味については後述しますね。
「BICクリスタル」と「オレンジEG」を合わせたようなデザイン
1951年に生まれた「BICクリスタル」は黒いキャップ、透明の軸で、今でも馴染み深いデザインですね。
事務用のボールペンといえばこのデザインがパッと浮かびます。
世界初の使い切りボールペンで、優れたデザイン・機能性からニューヨーク近代美術館(MOMA)の永久所蔵品となっているそうです。
また「オレンジEG」はオレンジ色のボディに黒いキャップと個性的なカラーで親しまれていました。
クリスタルファインはこれら「BICクリスタル」と「オレンジEG」をかけ合わせたようなデザインになっています。
黒いキャップや6角形の形はそのままに、半透明なオレンジのボディになったことでインクの残量がわかりるようになっています。
ただ安いだけじゃない徹底した品質管理
クリスタルファインに限らず、BICにおける品質管理は各製造工程において徹底した品質管理が行われています。
クリスタルファインは筆記テスト基準(2km)を設定し、筆記距離が維持されているかをチェックしているそうです。
筆記具だけでなく、BICのライターでは50以上の個別・工程別品質検査を行い、国際安全基準のISO9994の各項目に準拠あるいはそれ以上の厳しい品質基準に沿って生産管理されているということです。
「安かろう悪かろう」ではなく、きちんとした品質を保ち、安全で安心できるものを消費者に提供できるように努力されているんですね。
世界レベルで長く愛用されるのも納得です。
キャップや軸など樹脂製で軽量
重さを測定したところ5.15gでした。
非常に軽量で持ち運びには便利ですね。
インクは黒、赤の2種類
クリスタルファインのインクカラーは2種類。
黒、赤の2種類あり、キャップカラーはインクに合わせた色になっています。
BIC(ビック)クリスタル・オリジナル ファインの使い心地
グリップ部はツルっとしていて滑りやすい
細くストレートな軸で6角形、今ではオーソドックスなこの形は完成された機能美が感じられます。
ただグリップ部分はツルっとしています。
樹脂製なので手にはなじみやすいですが、筆圧の高い人だとちょっと滑ってしまうかもしれませんね。
油性ボールペンらしいヌルっとした書き味
昔ながらの油性インクに比べるとなめらかですが、やはり油性インクらしいヌルっとした書き味ですね。
フローも若干渋めな印象でヌルヌルとまではいきませんが、筆圧をかけなくても割となめらかに書けますね。
発色は油性インクらしいグレーっぽい色で、濃淡が見られるのがいいですね。
油性インクはどうしても「ダマ」が出てしまいますが、比較的少ないかなという印象です。
BICオレンジEG・BICクリスタルと比較
上から、BICオレンジ、BICクリスタルオリジナル(黒)、BICクリスタルオリジナル(赤)、BICクリスタルです。
インク粘度、色、ボールサイズとそれぞれに個性的です。
BICオレンジEGと比較
写真左がBICオレンジ、右がBICクリスタルオリジナルです。
発色はどちらも油性インクらしいグレーっぽい色ですが、若干BICクリスタルオリジナルの方が黒っぽく見えますね。
書き味は低粘度インクであるEGインクの方が明らかになめらかに書けます。
この書き味がこれまでファンを魅了してきたんですが、廃盤になったのは残念ですね。
ですが、どちらもヌルヌルと気持ちよく書けます。
EGインクと比べてみると、なめらかな書き味という点では劣りますが、BIC(ビック)クリスタル・オリジナル ファインはBICオレンジの後継機として十分満足できる書き味です。
ただ、BICから低粘度インクがなくなったわけではないです。
いろいろありますが、おすすめはノック式のボールペン「クリックゴールド」です。
ボールサイズは0.5mmと細く、低粘度インクでヌルヌルとした書き味が楽しめますよ。
BICクリスタルオリジナル(赤)・BICクリスタルと比較
赤は明るめのちょっと朱色っぽい感じで柔らかい印象がいいですね。
書き味は黒と同様、油性インクらしい少し重みのあるヌルっとした書き味です。
BICクリスタルはボールサイズが1.0mmなので、BICクリスタルオリジナルよりヌルっとした書き味が楽しめます。
BIC(ビック)クリスタル・オリジナルファインをおすすめする理由
メイドインフランスの歴史あるボールペン
筆記距離が長くコストパフォーマンスが高い
品質管理が徹底されている
油性インクらしいヌルっとした書き心地で「ダマ」がでにくい
というところかと思います。
「ビック・オレンジ(EG)」が廃盤になったのは残念ですが、クリスタルファインはしっかりといい部分を継承してくれています。
オレンジカラーの軸、黒いキャップというアイコニックなデザインはこれからも世界で愛されるボールペンとして活躍されると思います。
最後に
今回はBIC(ビック)クリスタル・オリジナルファインを紹介しました。
この記事が皆さんのボールペン選びの一助になれば幸いです。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
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