LAMY(ラミー)safari(サファリ)は1980年に登場。
45年たった今でも愛され続けている人気モデルです。
2024年に三菱鉛筆の子会社化、2025年にはサファリのジェットストリームインサイドが発売され話題となりましたね。
毎年限定色が登場し、不動の人気をほこるサファリシリーズには、万年筆、ボールペン、ローラーボール、シャープペンの4種類があります。
今回はその中のローラーボールを紹介します。
サファリシリーズのデザイン性や機能美を備えたキャップ式のローラーボールで、水性インクで万年筆のようなサラサラとした書き味が魅力の一本です。
それでは詳しく紹介します。
LAMY(ラミー)safari(サファリ)ローラーボールをおすすめする人
ラミーのサファリシリーズが好き
樹脂製で軽量なローラーボールが使いたい
水性インクのサラサラとした書き味のボールペンを探している
LAMY(ラミー)safari(サファリ)ローラーボールの特徴
軸は樹脂製で頑丈

サファリの軸にはABS樹脂という耐衝撃性プラスチックで作られており、ハードな使用にも耐えられるようになっています。
ABS樹脂について

ABS樹脂は、アクリロニトリル、ブタジエン、スチレンの3種類のモノマーを組み合わせて作られる熱可塑性樹脂です。
ABS樹脂の特徴
- 耐衝撃性: ゴムの特性を持つブタジエンが含まれているため、外部からの衝撃に強い
- 耐熱性: 耐熱温度は70~100℃程度で、一般的な用途には十分な耐熱性を持つ
- 加工性: 射出成形や押出成形、真空成形など、さまざまな方法で成形可能で、切削や接着、塗装も容易
- 光沢性とデザイン性: 表面の光沢性や着色性に優れている
- 寸法安定性: 成形後の寸法変化が少なく安定している
ABS樹脂の弱点
- 耐候性が低い: 紫外線に長時間さらされると変色や劣化が起こる可能性がある
- 有機溶剤に弱い: 特に有機溶剤に対しては劣化しやすい
- 燃えやすい: 可燃性があるため、炎にさらされると燃える
衝撃などの外力には強い一方、紫外線の当たるところで保管したり、アルコールなどの有機溶剤に触れたりすると劣化してしまいます。
そのため、保管する際はペンケースにいれて日光が当たらないようにするとか、アルコールなどで拭かないように注意してくださいね。
重さは21.44g


重さを測定したところリフィルを含め21.44gでした。
キャップを外した状態では12.30gと軽量でした。
キャップが結構重いんですね。
キャップを含めると樹脂製のボールペンとしてはちょっと重いかなという印象ですが、キャップを外せば軽量で扱いやすいですよ。
デザインは同じサファリシリーズの万年筆とほぼ同じ

同じスケルトンカラーの万年筆と並べてみました。
万年筆の方が大きくみえますが、デザインとしては同じサファリシリーズなので当然と言えば当然ですがよく似ていますね。
メーカー名を見なくてもこのデザインを見るだけでラミーのサファリだと分かるデザイン性の高さ。
これが1980年に登場したものとは思えないほど洗練されていますよね。
細部を比較しながら見ていきたいと思います。
ローラーボールと万年筆のサイズ比較
見た目はほぼ一緒に見えますね。
実際にサイズを測ってみました。
全長


ローラーボール | 139.49mm |
万年筆 | 139.42mm |
キャップを外した全長


ローラーボール | 130.05mm |
万年筆 | 129.27mm |
見た目通り全長などのサイズはどちらもほぼ同じでした。
キャップは嵌合式

どちらもキャップはパチンと開け閉めする嵌合式というタイプです。
開閉時の手ごたえはどちらもやや軽めで簡単に開け閉めすることができます。
閉めると「カチッ」という軽い音がします。
キャップにはインナーキャップがある

どちらのキャップにもインナーキャップがあります。
ローラーボールも万年筆もペン先が乾燥してしまうと筆記できなくなります。
そのためペン先の乾燥を防ぐ必要があり、どちらもインナーキャップが備わっています。
インナーキャップがあることで、ペン先の気密性が保たれペン先が乾きにくくなっているんです。
といっても、ずっと乾燥を防げる訳ではなく、長期間放置すると乾燥して使えなくなってしまいます。
ローラーボールも万年筆もペン先の乾燥を防ぐには、使用しない時にキャップをするのはもちろんですが適度に使ってあげるのが一番ですよ。
キャップのサイズは微妙に違う

キャップだけを外してみてみると、ローラーボールも万年筆も見た感じは同じサイズですね。
サイズが似ているので流用できるかなと思い、万年筆のキャップをローラーボールにつけてみました。
いちおうハマりましたが、最後のカチッという感触がない…

微妙なサイズ差があるようで、まったく同じものではないようですね。
キャップの天冠はマイナス(―)

キャップのサイズは同じですが、ローラーボールと万年筆とではキャップの天冠が違います。
ローラーボールを見るとマイナス(―)になっていますね。
万年筆はプラス(+)になっています。
写真の左がローラーボール、右が万年筆です。
スケルトンなので、どっちがローラーボールか万年筆かすぐに分かりますが、他のカラーだとひと目では分かりにくいですよね。
でもこの天冠をみるとプラスだと万年筆、マイナスだとローラーボールとひと目で見分けられるようになっています。
特徴的なワイヤークリップ


ラミーのサファリといえばこの特徴的なワイヤークリップですね。
ほどよい弾力性がありつつ、どこにでも挟みやすいので、厚手のペンケースでもメモ帳などでも簡単に挟むことができます。
正しい持ち方に導いてくれるグリップ形状

スケルトンなので、写真ではちょっと分かりにくいかと思いますが、グリップは三角形の形になっています。
三角の頂点が上に向くようにして、親指と人差し指をそえると正しくグリップできるようになっています。
人間工学に基づいたデザインで正しくグリップできるほか、指が疲れにくくなるため長時間の筆記にも適しているそうです。
軸は平らな面があり転がらない

胴軸には平らな面があり、キャップを外した状態でも転がりません。
角になっている部分がちょっと角が立っている感じで少し気になりますが、グリップしてしまうと、割と気にならないですね。
ローラーボールには万年筆にあるインクが見える小窓がない

ローラーボールと万年筆との違いは天冠のプラスマイナスともうひとつ、ローラーボールには胴軸にあるインク残量が確認できる小窓がありません。
スケルトンなので、小窓は関係なく軸内の様子が見えますけどね(笑)
小窓がない分、見た目はかなりシンプルに感じますね。
カラーバリエーションが豊富

今回紹介するのは「スケルトン」(公式ページでは「ビスタ」という表現でした)。
軸内部が見えてメカニカルな感じがかっこいいですね。
「スケルトン」は通常カラーなのでいつでも購入可能です。
その他、通常カラーには「ブラック」「ブルー」「グリーン」「レッド」「ピンク」「スチールブラック」「アンブラ」「ホワイト」「イエロー」と「スケルトン」と合わせて全部で10色もあります。
どれも濃くくっきりとしたカラーで個性がはっきりと出ますね。

さらに先にも述べましたが毎年限定カラーが登場しています。
写真は万年筆ですが、2018年の限定カラー「オールブラック」です。
万年筆と同カラーのボールペンやローラーボールも出ていました。
限定はそのカラーによってはプレミア価格がつくほどの人気ぶりです。
通常カラーとは違い、絶妙なニュアンスのカラーもあって魅力的です。
気に入ったカラーが登場したら売り切れる前に手に入れておきたいですね。
使用するリフィル(替え芯)は 「M 63」

購入時に装填されているリフィルは「M63」。
太さはM(中字)です。
サラサと線の太さを比べてみました。

線の太さはだいたい0.7mm~1.0mmあたりかなという感じですね。
書き味については後述しますね。
「M63」は太さが2種類でカラーは4色
字幅は今回紹介する「M(中字)」の他、B(太字)の2種類があります。
さらにインクカラーも「M」は「ブラック」の他、「ブルー」「レッド」「グリーン」の4色、「B」は「ブラック」「ブルー」の2色があります。
1本の値段は税込定価800円です。
基本的なカラーがそろっていますが、個人的には「ブルーブラック」を追加で出してほしいところです(笑)
LAMY(ラミー)safari(サファリ)ローラーボールの使い心地
ペンバランスはキャップがない状態で重心が中央


キャップを外した状態で重心が中央あたりになります。
キャップを軸につけるとかなり重心が上になってしまい、筆記時はキャップに振り回されるようになってしまいます。
バランスとしてはキャップを軸につけないほうが扱いやすいかなと思います。
筆記時にキャップを軸につけるかつけないかは好みですが、僕はキャップをつけずに使っています。
水性インクらしいサラサラとした書き心地

水性インクらしいもサラサラとした書き心地で、筆圧をかけなくてもなめらかに書けます。
インクフローはよく、むしろドバドバ出てくるくらいの印象です。

そのため紙質によってはがっつり裏抜けしてしまいますね。
先にサラサと比べた通り、かなり字幅がやや太めです。
手帳などに小さな文字を書いたりするにはちょっと不向きかなと思います。
インクが乾くのは結構早い
水性インクは比較的乾くのに時間を要しますが、ラミーのインクは乾くのが早いです。
筆記直後、筆記10秒後にティッシュでサッと文字を擦ってみました。


写真左が筆記直後、右が10秒後です。
筆記直後ではさすがに、わずかですが擦れてしまいました。
筆記10秒でもインクが多かったなという部分はアップにしてみると若干擦れているように見えます。
紙の上ではほぼ擦れた状態は確認できませんでした。
速乾性についてはかなり優秀かなと思います。
その分、ペン先が乾きやすいかもしれないので、くれぐれもキャップのし忘れには注意してくださいね。
LAMY(ラミー)safari(サファリ)ローラーボールをおすすめする理由
発売45年が過ぎても色褪せないデザインがかっこいい
樹脂製で軽量かつ耐久性が高いので扱いやすく壊れにくい
サラサラとした書き味で長時間の筆記でも疲れにくい
といったところでしょうか。
税込定価は4400円とちょっとお高めですが、実売価格はもう少し安く手に入ると思います。
難点としては対応リフィル「M63」は他メーカーと互換性がないので、ランニングコストが高くなるというところですね。
ただ、これも少し手を加えたりすると安価なリフィルが使えるようにする方法もあるようです。
また別の機会にちょっと試してみたいと思います。
最後に

今回はラミーの「サファリ」ローラーボールを紹介しました。
この記事が皆さんのローラーボール選びの一助になれば幸いです。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
ボールペンとローラーボールの違いについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
よかったらこちらの記事も参考にしてください。
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