【レビュー】OHTO(オート)水性ボールペン「CELSUS(セルサス)」【ワイン】

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今回は2023年に廃盤となったOHTO(オート)の水性ボールペン「CELSUS(セルサス)」を紹介します。

セルサルは現在販売されている「CR01」の前身で、金属軸で高級感があり、またC300系高級軸としても重宝された水性ボールペンです。

「CR01」にはない「ブルー」や「ブラウン」といったメタリックに輝くカラーも魅力の一本です。

後継機となった「CR01」と比較しながら詳しく紹介します。

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この記事をおすすめする人

セルサルがどんな水性ボールペンか知りたい

「CR01」との違いを知りたい

OHTO(オート)について

OHTO株式会社は、1929年に創業され、日本で初めてボールペンを量産化したことで知られる日本の老舗文房具メーカーです。

本社工場は茨城県結城市にあり、ボールペンチップの製造、インクの調合、ボールペンの製造、組み立てに至るまで全て日本国内にある自社工場で行っています。

作り出された製品は他メーカーにはない独自性があり、実に魅力的です。

僕はすっかりOHTO製品に魅入られ、廃盤商品を必死で買いあさっています(笑)

OHTOの会社概要などはこちらの公式ページをご参照ください。

OHTO(オート)水性ボールペン「CELSUS」(セルサル)の特徴

「CR01」の前身らしいよく似たデザイン

「セルサル」と「CR01」とを並べてみました。

カラーは違いますが、長さやクリップ形状などはよく似ていますね。

どちらも太めの金属軸でずっしりとした持ち心地です。

またどちらもシンプルなデザインですね。

軸はストレート、余計な装飾はないので悪目立ちすることなく、ビジネスシーンで活躍してくれます。

セルサルはキャップに金色で「CERSUS Ceramic Roller」と「OHTO Made in Japan」。

CR01も同じくキャップに「CR01」と「OHTO JAPAN」のロゴ。

どちらも控えめなロゴですが、セルサスは金文字なのでスマートでありながらゴージャスな印象ですね。

細部をじっくり見ていきます。

(頭冠、キャップ、尻軸などを比較するように写真撮影)

サイズは「CR01」とほぼ同じ

キャップをした状態でセルサスは140.98mm、CR01は141.01mmとほぼ同じ。

キャップを外した状態ではセルサスは127.03mm、CR01は127.09mmでした。

また、キャップをした状態でセルサスは32.69g、CR01は32.84g。

キャップを外した状態でセルサスは24.65g、CR01は24.70gでした。

サイズや重さは大きな差はなく、ほぼ同じと言っていいと思います。

軸やキャップは金属製

軸やキャップの素材はアルミニウム製です。

「セルサル」のアルミニウムらしい光沢が美しいですね。

「セルサル」の軸はアルマイト染色と手法が用いられています。

アルマイト染色とは

アルマイト染色とは陽極酸化処理後の染色方法のことです。

アルミニウムの表面に酸化皮膜を形成し、そこに染料を吸着させることで色を付ける技術です。

アルマイト染色には以下のような特徴があります。

  • 装飾性の向上: カラーバリエーションが豊富で、美しい外観が得られる
  • 耐久性: 耐食性や耐摩耗性が向上する
  • 絶縁性: 酸化皮膜が電気を通さないため、絶縁性が高まる
  • 耐熱性: 高温環境でも色が落ちにくい

またアルマイト染色の欠点としては以下のような事が挙げられます。

  • 紫外線に弱い: 屋外で使用すると、紫外線の影響で変色や色抜けが起こる
  • 色ムラの発生: 素材や加工条件によっては、均一な色を出すのが難しい場合がある
  • 皮膜の脆さ: 曲げ加工などを行うと、皮膜が割れたり剥がれたりすることがある
  • 環境依存性: 染色の再現性が環境条件(温度や湿度)に左右されることがある

美しく仕上がり腐食に強い反面、外力によって塗装が剥げたり、紫外線によって退色したりしてしまう可能性があります。

使用しない時はペンケースに入れて保続し、直射日光が当たらないようにしてくださいね。

軸のカラーバリエーションはメタリックな4種類

今回紹介する「セルサル」は「ワイン」です。

光沢が美しいのが特徴で、その他「ブルー」「ブラウン」「ブラック」と全部で4種類のカラーがありました。

「セルサル」と「CR01」との大きな違いは塗装方法とカラーバリエーションですね。

後継である「CR01」では、クリップなどのパーツがブラックのタイプは「マットブラック」「マットシルバー」「マットワイン」「マットブルー」、さらに「カモフラカーキ」「カモフラブラック」の6種類。

マット塗装で「セルサル」とは違った魅力のある塗装となっています。

またゴールドパーツモデルでは光沢のある「ブラック」と「ワイン」の2種類。

こちらの方がセルサルの後継らしい感じがしますね。

写真にある「ブルー」はセルサスの万年筆です。

ゴールドと光沢のあるブルーはとても相性がよくてきれいですね。

「セルサル」の光沢のある「ブルー」や「ブラウン」はは現行では製造されていないので残念ですが、CR01のゴールドパーツで復活してくれないかな~と期待してます。

口金や頭冠は真鍮製

口金、頭冠には真鍮が使用されています。

頭冠というのはキャップの頭にある丸くなったゴールドカラーの部分です。

口金に真鍮が使われているため、重心が低くなり、また全体でずっしりとした重みを感じますね。

クリップはSK材

クリップにはSK材という素材が使われています。

ちょっと耳慣れない素材ですね。

OHTO製品のクリップには比較的よく使われている素材です。

SK材とは

SK材は「炭素工具鋼」とも呼ばれる鋼材で、主に工具や機械部品の製造に使用されます。

SK材の特徴
  • 硬度と耐摩耗性: 高い硬度を持ち、摩耗に強いため、刃物や工具に適している
  • 炭素含有量: 炭素量が多いほど硬度が増す
SK材の短所
  • 高温での硬度低下: 200℃を超える環境では硬度が低下する
  • 加工性の難しさ: 高い硬度のため、加工には特殊な技術や設備が必要

高硬度で耐久性に優れた素材であり、クリップなど外力がかかりやすい部品には適した素材といえますね。

またゴールドメッキが施され、ロゴの金色とも相まって見た目がとてもゴージャスです。

光沢のあるワインレッドにゴールドメッキのコンビはとても相性がいいですね。

グリップ部分にはエラストマー

グリップ部のゴムのような部分、エラストマーという素材が使われています。

「セルサル」、「CR01」そのどちらにもグリップ部分にはエラストマーが使われていますね。

さっきからずっと素材の話ばかりですね(笑)

青い□で囲っている部分は文具とはおおよそ関係ない話なので、素材に興味のない方はサクッと読み飛ばしてくださいね。

エラストマーとは

エラストマーは、ゴムのような弾性を持つ高分子材料の総称です。

その名前は「弾性(elastic)」と「高分子(polymer)」を組み合わせたものです。

広義には、一般的に「ゴム」と呼ばれているものすべてをエラストマーと言うようです。

エラストマーの特徴
  • 柔軟性と弾性: 弱い力で大きく変形し、力を取り除くと元の形状に戻る性質がある
  • 軽量:従来のゴムに比べ軽量
  • 加工性: 特に熱可塑性エラストマーは射出成形が可能で、リサイクル性にも優れている
エラストマーの短所
  • 耐熱性の限界: 高温環境では性能が低下する場合がある
  • 強度の制限: 一部のエラストマーは、金属や硬質プラスチックに比べて強度が劣ることがある
  • ゴムとプラスチックの中間的な特性を持つ

「セルサル」、「CR01」に使われているエラストマーは「熱可塑性エラストマー(TPE)」呼ばれ、強い弾性を発揮し、近年注目されている素材です。

リフィル(替え芯)は「C-305」

「C-305」の一番の特徴はペン先に使われているボール部分が金属ではなくセラミックというところです。

セラミックボールにすることで、ボール表面の凹凸にインクがのりやすくなり、掠れにくくインクフローが安定します。

また金属ではないのでサビにも強くなるので、長期間使用していなくてもボールの不具合で書けなくなるということがなくなります。

さらにセラミックはかなり硬い素材なので、ボールがゆがんだりせず、一定の書き味が保たれるというのも利点ですね。

ノンドライ機構でペン先が乾きにくい

書きやすく、しかもインクフローを安定させた上に、ペン先には「ノンドライ機構」というものが搭載されています。

リフィルの構造についてはOHTOの公式ページに詳しく載っているので省略しますが、キャップをし忘れても乾きにくいのはありがたいですよね。

とはいえ、あまりキャップをせずに放置しておくと乾燥して使えなくなることもあるのでキャップのし忘れには注意してくださいね。

ボールサイズは全部で4種類

ボールサイズは黒が0.4mm、0.5mm、0.7mm、1.0mmと4種類あります。

ボールサイズに応じて品番も「C-304」「C-305」「C-307」「C-310」となっています。

ボールサイズが0.5mmのみ、黒のほか、赤、青があります。

ブルーブラックもあったんですが、生産終了しています(涙)

写真ではちょっと明るめに写っていますが、ブルーブラックはもう少し沈み込んだ感じです。

すごく気に入って使っているのでレギュラーでずっと製造、販売して欲しい…

それはさておき(笑)「C-305」は1本が税込定価330円です。

金属製の水性リフィルとしてはかなり安いです。

ペリカンの水性リフィル「338」は売価でおおよそ800円~1000円。

OHTOのリフィルがいかに安いかがよく分かりますね。

「C-305」はC-300系の語源

「C-305」はC-300系リフィルの語源ともなった「C-300」の後継にあたります。

JIS規格では水性「A」型に分類され、ペリカンのローラーボールリフィルも同じ規格です。

C-300系リフィルには、ゲルインキリフィルの「J」型や「K」型が相当します。

「C-305」は他メーカーのC300系軸と相性はいまいち

C-300系は高い互換性があり、いろんなメーカーのリフィルが流用できますが、語源となったリフィルのわりに他メーカーの軸には合わないことが多いです。

書き味がいいのでいろんな軸でも使いたかったのですが「あ、入らない!」ってなることが多く、ちょっと残念です。

OHTO(オート)水性ボールペン「CELSUS」(セルサル)の使い心地

滑らないしっかりとしたグリップ感

指先にしっかりと吸い付くようなグリップ感です。

安定してグリップできるので、余計な力が入りません。

軸全体が金属なのでひんやりした感じがありますが、グリップはひんやりしませんね。

ペンバランスはキャップをつけない状態でリングあたり

キャップをつけていない状態で重心は中央よりリング部分あたりと、かなり低い位置でとても扱いやすいです。

筆記時にキャップを軸につけることはできますが、キャップをつけると頭冠部分に真鍮が使われているため、重心がかなり高い位置になってしまいます。

長さも150mm以上にもなり、長くなってしまい扱いにくくなってしまいますね。

キャップをつけなくても約127mmとそれなりの長さがあるので使うのに支障はありません。

僕はバランス的にキャップをつけずに使用する方が好みですね。

なめらかでスラスラ書ける気持ちいい書き味

インクフローがよく、また安定していますね。

水性インクらしいサラサラとした書き味が気持ちいいです。

速乾性に優れている為、それほど滲んでしまうことはありませんね。

ただ、フローが良いので裏抜けしてしまう場合があります。

紙の片面だけ使うなどの裏抜けしてもいいような使い方をするか、ツバメノートやロディアのように裏抜けしにくい紙を選ぶのがいいと思います。

OHTO(オート)水性ボールペン「CELSUS」(セルサル)で思うこと

「セルサル」は価格が非常に手頃で、販売していた当時は1000円前後で購入できていました。

この価格でこれほどの品質と機能が手に入っていたので非常に恵まれていたと思います。

同等の性能を持つローラーボールと比較しても何ら引けをとらない仕上がりはかなりお得感がありましたからね。

ただ、いろんな物が高騰する中、さすがにこの価格での販売はかなり厳しい状況となったので「CR01」にモデルチェンジし価格も見直したのかと思います。

それでも「CR01」は税込定価2200円と性能を考えると十分すぎるほど満足できる価格です。

また、後継となった「CR01」はOKB48の第13回で4位、第14回では3位という好成績を残しています。

低粘度油性インク、ゲルインクが主流のボールペンですが、水性インクのサラサラとした書き味は楽しく、他のインクでは体験できない書き味です。

「セルサル」や「CR01」という高品質で低価格な水性ボールペンを生み出してくれているOHTOの企業努力には頭が下がります。

最後に

今回はOHTO(オート)の水性ボールペン(ローラーボール)「CERSUS(セルサス)」を紹介しました。

この記事が皆さんのボールペン選びの一助になれば幸いです。

最後まで読んでくれてありがとうございました。

記事内で水性ボールペン、または「ローラーボール」と表現していますが、どちらも同じものを表しています。

「ボールペン」と「ローラーボール」の違いは使用されるインクです。

「ボールペン」は油性インク、「ローラーボール」は水性インクという違いがあります。

この「ボールペン」と「ローラーボール」の違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

よかったらこちらの記事も参考にしてください。

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