今回紹介するのはモンブランの146というモデルです。
マイスターシュティックはモンブランの代表的な万年筆で、万年筆好きには憧れの的かと思います。
モンブランの146はペン先が14金で書きやすく、ペン先はもちろんクリップやキャップリングに施された装飾が美しく宝飾品としての価値があります。
またインクは本体吸入式というのが特徴です。
今回紹介する146はカラーが「ボルドー」です。
残念ながら「ボルドー」は2000年に廃盤になっており、現在では中古でしか手に入れることができません。
それでは詳しく紹介します。
こんな人におすすめ!
モンブランの万年筆が欲しい
本体吸入式の万年筆を探している
一生ものの万年筆を探している
モンブランはドイツの老舗高級筆記具メーカー
モンブランはドイツで創業し、現在はリシュモングループ傘下の老舗高級筆記具メーカーです。
1906年の創業当初は「シンプロ・フィラーペン・カンパニー」という社名でした。
ブランドイメージを生かし1934年に「モンブラン・シンプロ・GMBH」という社名に変更。
ダンヒルに買収後、そのダンヒルがリシュモンに買収されたという経緯があり、現在モンブランはリシュモン傘下となっています。
リシュモンはスイスに本社があり、宝石、時計、ファッションブランドなどの会社を傘下に保有する世界規模の大企業グループです。
モンブランの他、カルティエやダンヒルなどもリシュモン傘下となっています。
リシュモン傘下となりましたが、モンブランというブランドは健在で、近年は高級筆記具だけでなく腕時計や革製品なども販売されています。
腕時計やバッグについているブランドロゴであるホワイトスターがかっこいいですよね。
僕には高級すぎて手が出ませんが(笑)
モンブラン 146の特徴
軸やキャップは樹脂製
軸やキャップの主な素材は樹脂です。
樹脂製なので、持った時に滑りにくく手になじみやすいです。
また程よい重さと太さで持ちやすく扱いやすいです。
インクが入っていない状態で29gですね。
形はバランス型
万年筆の両端が丸くなっている形を「バランス型」といいます。
軸の真ん中が緩やかに膨らんで先端に向かうほど細くなっていています。
軸の膨らんでいるところがちょうど手にあたるので、フィット感がいいですね。
万年筆の形を大きく分けると「バランス型」ともう一つ、両端が平らになっている「ベスト型」とがあります。
万年筆の形についてはこちらの記事で詳しく紹介している。
よかったら参考にしてください。
ペンの装飾が美しい
天冠にあしらわれたシンボルマーク「ホワイトスター」
このシンボルマークは「ホワイトスター」と呼ばれ、アルプス最高峰のモンブラン山頂の冠雪をイメージされています。
万年筆の全体像を見なくても、「モンブラン」と一目で分かる特徴的なデザイン。
この「ホワイトスター」が胸ポケットからちらりと見えたりすると、すごくできる人って感じがしますよね。
金色の装飾が美しい
キャップリングやクリップなどの装飾は金色になっています。
軸のボルドーカラーととても相性がいいですね。
ではさらに細部を見ていきます。
キャップリングに「MONT BLAMC – MEISTERSTUCK」
キャップリングに「MONT BLAMC – MEISTERSTUCK」と彫られています。
また文字が斜めのラインで彫られていて、美しく繊細ですね。
クリップリングには「GERMANY」とシリアルナンバー
この細いクリップリングに「GERMANY」と彫られています。
肉眼でもなんとか見えますが、かなり小さい文字で彫られています。
反対側にはシリアルナンバーが彫られています。
大量生産ではなく、一本ずつ管理されているというのがよく分かりますね。
キャップはネジ式
キャップはネジ式になっています。
キャップを取ろうと無理やり引っ張ったり、キャップをつけるときに無理やり押し込んだりしないように気をつけてくださいね。
ネジ山がつぶれてしまい、キャップがつけられなくなってしまいます。
万年筆のキャップの開閉方法にはネジ式ともう一つ嵌合(かんごう)式というのがあります。
万年筆のキャップについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
よかったら参考にしてください。
14金のペン先
ペン先は14金でできています。
金はステンレスなどに比べ、酸に強く腐食しにくいという特徴があるので、丁寧に扱えば長く使い続けることができますね。
ペン先が金色と銀色のバイカラーで美しい
金と銀のバイカラーで美しい造形のペン先は、モンブランの技術の高さがうかがえますね。
すべて職人が手作業で研磨しているということなので、宝飾品としての価値があるのもうなずけます。
ペン先の「4810」のはモンブランの標高
ペン先には「4810」の刻印が見えますね。
この「4810」という数字にはマイスターシュテュックが万年筆の最高峰を目指し、アルプス最高峰であるモンブランの標高を掲げたということなんだそうですよ。
今は廃盤のボルドー
最初にも書きましたが、現在は中古でしか手に入れることができません。
現在でも人気があり、かなりの高値で取引されています。
今回紹介するモンブラン 146 ボルドーは2000年に廃盤となったモデルで、現在は中古でしか手に入れることができません。
現行はブラックレジン×ゴールドとブラックレジン×プラチナ装飾の2点となっています。
本体吸入式
146は本体吸入式になっています。
インクの吸入機構が備わっているので、コンバーターなどの付属品は使いません。
本体吸入式は、コンバーター式よりも多くのインクを吸入することができますよ。
万年筆のインク吸入の方式には大きく分けてカートリッジ式、コンバーター式、本体吸入式の3種類があります。
インクの吸入方式についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
よかったら参考にしてください。
本体吸入式のインクの入れ方
本体吸入式はデモンストレーターなどの透明軸出ない場合は、中のピストンが確認しにくく、インクが吸入できたかどうか分かりにくいですよね。
146はこのグリップ部分あたりに細長い小窓があって、ここからピストンの動きやインクの残量などを確認することができます。
まずインクを吸入する準備をします。
ピストンを下げていきます。
ピストンを下げるように回すと、尾栓が写真のように上がってきます。
小窓からピストンが下りてきたのが確認できます。
ピストンを下げきったら、ペン先をボトルに浸けます。
ペン先がインクに使った状態で、尾栓を回してピストンを上げていきます。
小窓にインクが満たされているのが見えたら、きちんとインクが吸入できているということです。
これで書く準備ができました。
モンブラン 146の書き味
入れたインクはモンブランの「ミステリーブラック」
今回使うインクはこちら、モンブランの「ミステリーブラック」です。
モンブランの「ミステリーブラック」は少し青みが感じられる黒で、インクの濃淡が出やすいのでとても気に入って使っています。
ぬらぬらとした書き味
インクの流れは非常にいいです。
力を入れなくてもスラスラ、ぬらぬらと書けます。
ペン先は柔らかい書き味でなめらかです。
紙のざらつきを感じることができるほど繊細ですね。
インクフローが安定しているので、線の太さは一定です。
ペン先も程よくしなってくれるので、少し力を入れてみるとペン先が少し開きます。
これでインクフローが調節できるので、線に強弱をつけることができます。
思い通りの字が書けるので、思ったこと、考えたことなどをアウトプットするときなどに重宝しています。
また年賀状や礼状などかしこまった文を書くときにも活躍しています。
ペンバランス
キャップを付けなくても書きやすいですが、僕はキャップを軸につけています。
キャップを軸につけることで、若干重心が後ろになりますが、僕が好きな重さになりますし、キャップをつけたほうがペン先のコントロールがしやすいと感じます。
もちろん、キャップを軸につけるかどうかは好みがあるので、実際に持ってみて手になじむほうにしてくださいね。
本体吸入式はしっかりメンテナンス
本体吸入式は取り扱いに注意が必要です。
万年筆すべてにいえることですが、使わないまま放置しているとインクが乾燥してペン芯などでインク固着してしまいます。
毎日使っている人でもインクが少しずつ乾燥して固着する場合があります。
インクが固着しまうとインクが流れにくくなりかすれるようになります。
最悪の場合インクが全くでなくなって書けなくなってしまうなんてことも。
本体吸入式でインクが固着してしまうと、場合によってはメーカー修理、専門店での分解、洗浄が必要になる場合もあります。
こうしたトラブルを避けるために定期的に洗浄するようにしてくださいね。
モンブラン146 をおすすめする理由
手に入れることができれば一生ものの万年筆になる
本格的な本体吸入式でインクをたくさん入れることができる
金ペンのなめらかな書き味を堪能できる
というところかと思います。
モンブランは万年筆メーカーの象徴的な存在です。
万年筆が好きな人でなくてもモンブランというブランド名は知っているほど知名度は高いです。
モンブランの作り出す万年筆は単なる筆記具としての域を超え、細やかな造形美は万年筆としてだけでなく宝飾品としての価値があります。
美しい万年筆は持っているだけでワクワクして「文字を書く」楽しさを改めて認識させてくれます。
モンブランほどのブランド品であればなおさらで、持っているだけで喜びになります。
むろん高価な品なので何本も買えませんが、一生ものとして、ずっと大切につかう筆記具として、手軽で簡単に使えるボールペンにはない魅力が万年筆にはあります。
最後に
今回はモンブランの146というモデルを紹介しました。
ボルドーカラーが廃盤となってしまっているのは残念ですが、現行モデルも十分美しい造形で満足できると思います。
僕の上司が持っていたモンブランに憧れ、145に続き146も手に入れることができたので非常に満足しています。
これからもずっと大切にしていきたい万年筆です。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
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