コンバーターって何?
コンバーターってあまり聞きなれない言葉ですよね。
万年筆のコンバーターには二つの機能があり、
ひとつはインクをインクボトルから吸入する機能、
もうひとつは吸入したインクを貯めておくタンク機能です。
コンバーターはインク吸入器ともいわれます。
それでは詳しく説明していきます。
この記事をおすすめする人
コンバーターって何なのか知りたい
どのメーカーのコンバーターでも使えるの?
コンバーターの使い方が分からない
コンバーターって何?
最初にも書きましたがコンバーターとは
万年筆のインクを吸入する、そしてタンクに貯めておく機能をもったものです。
万年筆の首軸という部分に接続して使います。
構造としては、インクを吸入するための機構と、インクをためておくタンクの役割をする部分とが一体になっています。
インクを貯めておくタンク部分
インクを貯めておくタンク部分の容量はメーカーによってある程度違いがあります。
ざっくりですが、だいたい0.3~0.5ml程度の容量がありますが、中にはかなり多くのインクを貯めておけるコンバーターもあります。
このあと紹介するパイロットの「CON-70」がそうなんですが、容量がなんと1.1mlとかなり大容量のコンバーターになります。
吸入の種類は大まかに3種類
まずはコンバーターの吸入の方法について紹介します。
コンバーターでインクを吸入する方法は主に3種類あります。
- ノブを回してピストンを上下させてインクを吸入するタイプ
- ボタンをプッシュしてインクを吸入するタイプ
- ノブをスライドしてピストンを上下させてインクを吸入するタイプ
それぞれタイプ別に使い方を詳しく紹介します。
ノブを回してインクを吸入するタイプ
ノブを回してインクを吸入するタイプのものが一般的かと思います。
ノブを回すことでピストンが上下してインクが吸入できます。
機構が単純なので安価で手に入れることができます。
ボタンをプッシュしてインクを吸入するタイプ
写真はパイロットの「CON-70」というコンバーターです。
ボタンをプッシュすることでインクが吸入できます。
パイロットの「CON-70」以外にプッシュ式のコンバーターを見たことがないけど、他のメーカーのプッシュ式コンバーターってあるのかな?
少なくともセーラー、プラチナにはこのタイプのコンバーターはありませんね。
で、このパイロットの「CON-70」ですがパイロットの万年筆にしか使えません。
なぜ使えないかというのはコンバーターには「規格」というのがあるからです。
詳しくは後述しますね。
プッシュ式のコンバーターは吸入ノブを回すコンバーターよりもたくさんインクが入るのが特徴です。
ただ、これはコンバーターそのもののサイズが大きいのでパイロットの万年筆であっても、サイズが合わないために使えない万年筆もあります。
パイロットの万年筆を買う時には適合サイズをかならず確認してくださいね。
ノブをスライドしてインクを吸入するタイプ
見た目は回転式のコンバーターとよく似ていますが、
このノブ部分を上下させることで、中のピストンが上下してインクを吸入します。
回転式よりもピストンをダイレクトに動かすので吸入が簡単です。
本体と接続するところは規格がある
写真を見てもらうとわかるかと思いますが、
この先の部分と万年筆の首軸というところを接続するんですが、それぞれコンバーターの先のところの形が違いますよね。
この形の違いが「規格」です。
さきほど出てきたパイロットの「CON-70」がパイロットの万年筆にしか使えないのは、この「規格」が違うからなんです。
大きく分けると独自規格とヨーロッパ統一規格。
独自規格
左から4本が国産メーカーです。SAILOR(セーラー)、PLATINUM(プラチナ)、PILOT(パイロット)、はそれぞれの規格でつくられているので互換性はありません。
海外メーカーでも、LAMY(ラミー)、PARKER(パーカー)(右から5番目、4番目)は独自規格です。
ヨーロッパ統一規格
右から3本がヨーロッパ統一規格といわれるもので、PELEKAN(ペリカン)、HERBIN(エルバン)、MONTBLANC(モンブラン)がそうです。
写真の1番右のMONTBLANC(モンブラン)145に付属しているコンバーターはネジ式でになっていて、しっかり固定できるようになっています。
ヨーロッパ統一規格とはいえ、メーカーによって微妙に違っている場合があります。
きちんと入らない、また入ってもインクが漏れるなどの不具合がある場合があります。
ですので、基本的には同じメーカーのコンバーターを使うことをおすすめします。
違うメーカーのコンバーターを使う場合はあくまで自己責任ということで。
この規格についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
よかったら参考にしてください。
コンバーターの使い方
本体とコンバーターを接続する
それではコンバーターの使い方について紹介します。
写真のように万年筆の首軸という部分にコンバーターを接続します。
まっすぐ付けて、まっすぐ外すのが基本です。
接続するときや外すときに無理やり引っ張ったりこねたりすると壊れてしまいます。
コンバーターは樹脂製なので、乱暴に使うと壊れますし、大事に扱っていても消耗品なので寿命があります。
コンバーターの寿命は3年といわれています。
接続部が傷んでしまうとインクが漏れたりうまく吸入が出来なくなったりします。
本体につけたままにしておけば付け外しの時の痛みが少なくて済むので多少は寿命を延ばすことはできます。
が、ピストンのパッキン部分などは経年で劣化していくので上手くインクが吸入できなくなります。
うまくインクが吸入できなくなれば買い替えてくださいね。
インクを吸入する
それでは実際にインクを吸入してみます。
本体に取り付けたら、インク瓶にペン先をいれてインクを吸入します。
写真は回転式のコンバーターです。
この写真のようにペン先をインクボトルに入れます。
ペン先がボトルの口に当たらないように入れてください。
ペン先全体がインクに浸るまで入れないとインクが吸入できないのでしっかり浸してください。
あまりペン先をボトルに突っ込みすぎると、今度はボトルの底にペン先が当たって傷めてしまうので注意してください。
そしてコンバーターをしっかり固定してから、ノブを回転させてピストンを上にあげます。
一度ではしっかり吸入できないので、何度かピストンを上下させながらインクを吸入してください。
ペン先がきちんとインクに浸っていないと、気泡が混じってしまったり、まったくインクが吸入できない場合があります。
また、あまり急いで入れようとしても空気が入ってしまいます。
ペン先を傷めないように、また気泡が入らないように、落ち着いてゆっくりとインクを吸入するようにしましょう。
使い終わったら
コンバーターのお手入れ方法
同じインクを使い続ける場合でも、コンバーターのタンク部分でインクが乾燥して固まってしまったりする場合があります。
コンバーターの中にインクが残っていると、固まって動かなくなったり、ピストンを傷めてしまい使えなくなってしまいます。
また、インクを替える場合、しばらく万年筆を使わない場合にはコンバーターを洗浄しましょう。
流水でしっかりと洗浄するのが基本です。
コンバーター式の場合は、コンバーターを付けたままで洗浄します。
インクを吸入する要領で水を吸入、排出を繰り返します。
インクが流れ出なくなるまで何度も繰り返します。
コンバーターの中に固まって洗い流せないインクが残っている場合、
写真のように首軸と一緒に一晩水につけてインクを溶かします。
翌日再度流水で溶け出てきたインクを洗います。
インクが流れ出なくなるまで洗えたら次は乾燥です。
天日ではなく陰干しにしてください。
日光に当たることで変形や変色することもあるので注意して下さいね。
また、水が残っていると、新たに入れるインクが薄まってしまいます。
しっかりと乾かしてから使うようにしましょう。
コンバーターの保管
コンバーターは樹脂製なので傷つきやすいです。
使わない場合は、何かケースなどにいれて保管して下さいね。
僕は100均で小物入れを使ってます。
コンバーターの他にも、カートリッジインクやボールペンの替え芯などまとめられるし、バラバラにならないので便利ですよ。
ただ今はいろんなものが一緒に入っているので、同じケースを買ってメーカー別に保管しようと思ってます。
最後に
今回はコンバーターの使い方に焦点をあてて紹介しました。
使い方や手入れの方法に手間がかかるので、割と面倒ですよね。
これは万年筆ならではの宿命かと思います。
コンバーターはいろんなインクが入れて使えるし、経済的というメリットがあります。
万年筆を使っているといろんなインクを使ってみたいと思う時がくると思います。
各メーカーのボトルインクは多彩で魅力的なインクが多いので、きっと気に入るボトルインクに出会えると思います。
そんなとき、コンバーターが大活躍してくれますよ。
コンバーターとうまく付き合って楽しいインクライフを楽しみましょう!
最後まで読んでくれてありがとうございました。
コメント