今回はエルバンのつけペン「カリグラフィー&ライティングセット」を紹介します。
カリグラフィーを始めたいけど、何を揃えればいいか分からないという人にはピッタリのセットです。
僕もカリグラフィーを始めたいなと思って最初に買ったのがこのセットです。
それでは詳しく紹介します。
エルバン(HERBIN)「カリグラフィー&ライティングセット」をおすすめする人
カリグラフィーを始めてみたい
カリグラフィーを始めるのに何を買っていいのか分からない
手軽に始められるカリグラフィーセットが欲しい
エルバン(HERBIN)「カリグラフィー&ライティングセット」の特徴と使い心地
ペン軸とペン先がセットになっている


カリグラフィーは字体によって使用するペン先が違うので、字体に合わせていろんなペン先を買いそろえていく必要があります。
カリグラフィー初心者では、道具はもちろんそもそもどの字体から始めればいいかも分からないですよね。
その点、エルバンのカリグラフィー&ライティングセットにはペン軸が1本とペン先が6種類セットになっています。
いろんな字体に対応できるようにセットされているので、道具に関してはこれひとつあれば大丈夫かと思います。
具体的にどんな種類の道具がそろっているのかを紹介します。
ストレートホルダーと呼ばれるタイプのペン軸

カリグラフィーのペン軸は大きく2種類あります。
ひとつはセットに付属しているストレートホルダー(直軸)と呼ばれるもので、見た目通りまっすぐな軸にペン先をつけるタイプになります。
ストレートは初心者にも扱いやすいです。
もうひとつはオブリークホルダー(斜軸)と呼ばれるもので、ペン先が斜めに取り付けられるタイプです。
筆圧を調整しやすく、曲線の多い書体を書く際に便利ですが初心者には難しいかと思います。
セットについているのは、初心者でも扱いやすいストレートホルダーと呼ばれるタイプになります。
イタリック体やゴシック体などの書体に適していますが、カッパープレート体などの筆記体にも使えます。
軸の素材は木

木軸は見た目が美しく、手に馴染みやすいので長時間の使用でも疲れにくいのが特徴です。
木軸の他、樹脂製のペン軸もあり、軽量で手頃な価格で手に入れることができます。
樹脂製の軸は耐久性があり、扱いやすいのが特徴です初心者におすすめです。
タチカワの樹脂製の軸は軽量でグリップ部分が程よい太さでとても扱いやすいですよ。

僕は軸選びで最初にこだわりたいのはデザイン性と思っています。
自分の好みに合った素材やデザインを選ぶことで、モチベーションが上がりますよね。
樹脂製の軸も使いやすいですが、木軸の見た目や使い心地が好きな方にはおすすめですよ。
セットに入っている軸は木製で見た目も良いので、初心者でもその質感に満足できるのではないかと思います。
グリップはやや細めで最大径は10.06mm
ペン軸を選ぶポイントとして大拙なのは握りやすさです。
普段使っているペンが太ければグリップ部分が太い軸、細ければ細い軸を選び、自分の手にフィットする形状や太さを選ぶようにした方がいいです。
道具が自分に合わないと、せっかく始めた趣味も合わない道具のせいで嫌になってしまいます。
楽しく長時間使いたいので、自分の好みの太さを選びましょう。


セットに入っている軸の最大径は10.06mm。
サラサグランドのグリップ部分が10.13mmなので、ほぼ同じ太さですね。
細すぎず、また木製というのもあってとてもグリップしやすいですよ。
重さは7.32g

軸選びでグリップ部分の太さと合わせ、重さも重要な要素のひとつです。
好みの重さやバランスがあるかと思いますが、最初は軽量で取り扱やすいものがいいと思います。
軸の重さを測定したところ7.32gでした。
グリップ部分を太くし重心が低くなっているので扱いやすいですよ。
ペン先を装着する時はちょっと力が必要


ペン先をこの軸の先に固定します。
中にある爪部分と外側との隙間に差し込んでペン先を固定します。

最初のうちは付け外しはちょっと力が必要ですがかなりしっかり固定できます。
また、こなれてくると付け外しもしやすくなります。
しっかり固定できるので筆記時にグラグラせず安定して描くことができますよ。
ペン先6種類について

エルバンのカリグラフィー&ライティングセットのパッケージに「Brause(ブラウゼ)」とありますね。
「ブラウゼ」は、ドイツのイーザーローンで1850年に創業された金属加工業を起源とする筆記具ブランドです。
エルバンがブラウゼ社製のニブ(ペン先)を採用しているため「ブラウゼ」と表記しているんです。
このセットに入っているペン先6種とも「ブラウゼ」製です。
エルバンはフランスのブランドですが、カリグラフィーの品質を高めるために、ドイツのブラウゼ社が製造する高品質なニブをセットにして信頼性と使いやすさを提供してくれています。
それではひとつずつ紹介していきます。
「Plakat(プラカト)」

セットのなかで金色に輝き、いかにも太い文字が書けそうなペン先ですね。
「プラカト」と呼ばれるペン先で、見た目通り太い文字を書くのに適しています。
ペン先の幅が10mmと極太の線が書けます。


板状の金属を折りたたんで、スロットが2か所ありますね。
インクをつけるとこのスロットから先端に向かってインクが流れ出してくる仕組みになっています。
太い文字を書くため、ペン先にインクを多く持たせられる構造になっているんですね。
ゴシック体などの書体で使われたり、ポスターやレタリングなど大きな文字等を書いたりするのに適しています。

セーラー万年筆の顔料インク「ストーリア」のパープルを使ってみました。
「S」をゴシック体で描いてみました。
すごく濃淡が出て迫力のある面白い文字が描けました。
幅が広いので、ペン先の平らになっている部分を紙としっかり合わせて書かないとインクが流れ出てきません。
慣れるまでちょっと苦労するかなと思います。
「Bandzug(バンドズーク)」

ペン先が四角い形をしており、「スクエアニブ」と呼ばれています。
ブラウゼの「Bandzug(バンドズーク)」シリーズには、細いのもので1.0mm、太いもので5.0mmと幅広くサイズが揃っています。
サイズによって文字の大きさが変わってくるので、最初どのサイズがいいのか迷ってしまうかと思います。


その点セットに入っている2種類は初心者には扱いやすいサイズになっていて、1.5mmと3.0mmの2種類です。
お手入れが不十分だったせいでちょっとサビがきてますね(汗)
1.5mmは細かい文字や装飾などに使用でき、汎用性が高いです。
また3.0mmは太めの文字に使用できますね。
どちらもペン先にはリザーバーと呼ばれるものがついています。
リザーバーというのはペン先に乗っかっている金属の板の事です。
このリザーバーがあることでペン先に多くのインクを持たせることができます。

2種類の太さで「shinowan」と描いてみました。
使用したインクはセーラー万年筆の顔料インク「ストーリア」のレッド、字体はファウンデーショナル体です。
1.5mmと3.0mmでこれだけ幅が違います。
「Bandzug(バンドズーク)」のような太い線が書けるペン先ではインクの消費が多いので、リザーバーがないとすぐインクが切れてしまい、何度もインクをつけなければならなくなります。
リザーバーがあればペン先にインクを多く持たせられることで、一度でたくさんの文字が書けるようになるので便利ですよ。
ゴシック体、イタリック体、ファウンデーション体などいろんなカリグラフィーに向いています。
「Steno(ステノ)」

丸みを帯びた形に切れ目がたくさん入っていますね。
また青色に輝いているのも特徴ですね。

「Steno(ステノ)」は青色で独特な形状から「Blue Pumpkin」とも呼ばれているそうです。
言われてみればハロウィンのジャックオーランタンを青くしたようにも見えますね。
このペン先は、柔軟性が高く、滑らかな線を描くのに適しており、カリグラフィー愛好家やアーティストに人気があります。

「Steno(ステノ)」は柔軟性があり、細い線を美しく描くことができますし、かなり強弱をつけることができます。
あまり力を入れ過ぎるとインクがドバっと紙についてしまうので、最初はコントロールが難しいと感じるかもしれません。
僕は練習不足のせいもあってずっと難しいと感じています(汗)
「Steno(ステノ)」はカッパープレート体を描くのに向いています。
耐久性があるので、長持ちするのも魅力ですね。

このペン先を使用する場合は粘度の高いインク、または顔料インクのようににじみにくいインクがいいですね。
僕はセーラー万年筆の蒼墨という万年筆用の顔料インクを使っています。
万年筆用のインクは紙によってはにじみやすいので、最初は粘度の高いカリグラフィー用のインクを使った方がいいのかなと思います。
「Dessin(デッサン)」

切り割り(ペン先の中央にある切れ目のこと)部分がギザギザになっているのが特徴的ですね。
先に紹介した「Steno(ステノ)」ほどではないですが、ある程度柔軟性があり線の強弱をつけやすく、繊細な表現ができます。

名前の通り「デッサン」はデッサンやスケッチに適した設計になっていますが、もちろんカリグラフィーにも適しています。

カッパープレート体や文字の装飾(フローリッシュ)などにも使えます。
「Steno(ステノ)」よりもインクコントロールがしやすい印象で、安定して描けるので気に入って使っています。
「Index(インデックス)」

人差し指を立てた人の手を模した形が独特ですね。


人の指を模した形の為「Finger」とも呼ばれています。

先に紹介した「Steno(ステノ)」や「Dessin(デッサン)」に比べると、ややしなりが少なく硬めのペン先になっています。
先端部分がかなり尖っているのでガリガリとした書き味になります。
手の部分の裏側はインクを溜めやすい形状になっています。

線の強弱はやや控えめですが、シャープな線を描けます。
カッパープレート体や文字の装飾、ラインを書くのに適しています。
使用前の注意点
ペン先には購入時さび止めが塗布されています。
さび止めは油性なので、すぐインクをつけてもインクを弾いてしまいます。
そのため、初めて使用する前にペン先についた油分を取り除く必要があります。
まずは水や中性洗剤などで洗って、洗った後はしっかりと水気を拭き取ってから乾燥させてください。
水気をしっかりとっておかないとサビの原因になります。
油分がとれれば、ペン先にインクがしっかりと持たせられるようになりますよ。
最初はちょっと面倒かもしれませんが、忘れずにしてくださいね。
エルバン(HERBIN)「カリグラフィー&ライティングセット」をおすすめする理由
最初から木製のペン軸が使える
ペン先が6種類もあるのでこのセットだけでいろんなカリグラフィーに挑戦できる
といったところかと思います。
カリグラフィー用のペン先は割と高価なので、バラバラで購入しようとすると結構高価になります。
その点エルバンのセットは約3,000円で購入が可能なので、悩んだり考えたりする時間を短縮でき、コストパフォーマンスもいいと思います。
ペン先は消耗品なので、傷んで使えなくなったら買い換える必要がありますが、入門用として十分な価値があると思います。
あまり練習ができていないのでほぼ素人の僕ですが、ずっとこのセットのお世話になっています。
最後に


今回はエルバン(HERBIN)の「カリグラフィー&ライティングセット」を紹介しました。
この記事が皆さんのつけペン選びの一助になれば幸いです。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
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