つけペンとは、ペン先にインクをつけて書くペンのことです。
ペン先にインクをつけると、少量のインクがペン先に付きます。
筆記時には、毛細管現象を利用してインクが紙にうつっていきます。
この毛細管現象は万年筆でも同じ原理ですね。
今回はつけペンの特徴、種類、長所や短所、使い方などについて詳しく紹介します。
つけペンの特徴
ペン先が簡単に付け替えられる
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万年筆との比較になりますが、万年筆はペン先を簡単には交換できません。
ペン先が傷んでしまった場合、万年筆だとペン先を交換するには専門の業者に依頼する必要があります。
それに比べ、つけペンは簡単に抜き差しができるので誰にでも交換ができます。
ペン先の種類を変えたい時もすぐに交換できますよ。
ペン先の種類
ペン先の種類としては「丸ペン」「スクールペン」「カブラペン」「Gペン」などが一般的です。
それぞれの特徴についてまとめてみました。
丸ペン
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筒状になっているのが特徴です。
スリムで小ぶりな見た目通り、細い線がかけます。
適度にしなり、強弱をつけることができます。
スクールペン
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丸ペンより少し太くてしっかりしています。
あまりしならず、細く均一な線がかけます。
カブラペン
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カブラペンは総称で、メーカーによって「サジペン」「スプーンペン」「タマペン」と名称が違います。
野菜の蕪(カブ)に形が似ているのが「カブラペン」と呼ばれる由来のようです。
「丸ペン」よりしなりやすく、強弱のある線がかけます。
Gペン
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ペン先に「G」と型押しがあるのが特徴的です。
しなりやすく、筆圧をかけないと細く、筆圧に応じてペン先が開き、太い線がかけます。
メーカーや加工の方法によってペン先の硬さに差があります。
硬いほどペン先が開きにくく、柔らかいほどペン先が開いて太い線がかけるということになります。
「クローム」と「ニューム」
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ペン先の加工方法で「クローム」と「ニューム」という種類があります。
「クローム」はクロームメッキのことです。
メッキ処理を施すことで硬さ、耐久性が増して硬い書き味になります。
同時にペン先が開きにくくなるので字幅の強弱が少なくなります。
また、サビに強くなるのも特徴です。
「ニューム」はアルミニウム製のペン先で、アルミニュームの「ニューム」です。
柔らかくてペン先が開きやすく字幅の強弱がより出やすく、またインクの持ちがいいのが特徴です。
その分「クローム」に比べると、ペン先が開いてしまって細い線がかけなくなったり、サビやすかったりして寿命が短くなります。
「Gペン(クローム)」と「Gペン(ニューム)」を比較してみると、
「Gペン(クローム)」は、硬くて字幅の強弱がつけにくいが長持ちする。インクの持ちが悪く、垂れてしまうことがある。
「Gペン(ニューム)」は、柔らかく字幅の強弱がつけやすいが長持ちしない。インクの持ちが良く、インクが垂れにくい。
という感じですね。
どちらも一長一短ありますし、書き味が違うのでどちらを使うのかは好みになります。
長く使いたいのであれば「クローム」を選びましょう。
カリグラフィー用
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カリグラフィー用のペン先で、幅が広く太い線が書けるペン先や、先が開きやすいペン先などがあります。
書きたい字体や、文字の大きさなどに合わせてペン先を使いわけます。
僕が買ったのはエルバンのカリグラフィー&ライティングセットです。
かなり太い線が書けたり、柔らかいタッチで線の強弱をつけられたりといろんなペン先がセットになっています。
また、開封しただけで使っていませんが、どんな書き心地か楽しみです。
また使用感などレビューしたいと思います。
カリグラフィーにはいろんな字体があります。
カリグラフィーについてはこちらの記事で紹介しています。
興味がある人は参考にどうぞ。
ペンポイントがあるペン先
万年筆のペン先を使ったつけペンがセーラーとパイロットから発売されています。
セーラーのhocoro(ホコロ)
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![](https://shinowanblog.com/wp-content/uploads/2022/09/IMG_2202-1024x768.jpg)
セーラーのホコロはペン先が2種類あり、一つはペンポイントのある細字のペン先。
もうひとつはカリグラフィー用のペン先です。
カリグラフィー用のペン先は幅が1.0mm。
ペン軸とペン先に分かれていて、簡単につけ替えるとこができます。
「hocoro(ホコロ)」についてこちらの記事で詳しく紹介しています。
よかったら参考にしてください。
パイロットのiro-utsushi(いろうつし)
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こちらも万年筆と同じペンポイントがあるペン先を使ったつけペンです。
ペン先は細字と中字の2種類です。
一般的なつけペンと違いがあり、この「いろうつし」はペン先が取り外せません。
無理に取り外そうとすると壊れてしまうので、取り外そうとしないようにしてくださいね。
軸は樹脂軸と木軸があり、カラーは樹脂軸が3種類、木軸が2種類あります。
値段は樹脂軸の方が安いです。
僕は木軸でペン先は中字を買ってみました。
「iro-utushi (いろうつし)」のレビュー記事を書いてます。
よかったら参考にどうぞ。
ペンポイントの利点
このペン先にペンポイントがあることで滑りが良くなり、滑らかに書くことができます。
またインクの流れが安定するので、一定の字幅で書けます。
またペンポイントがあることで摩耗に強くなります。
なので、ほかのペン先に比べると寿命が長くなるのが特徴ですね。
ガラスペン
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その名の通り、ガラス製のつけペンです。
そのほとんどが軸とペン先が一体になっているものが多く、ペン先が交換できません。
中には軸とペン先が分かれているガラスペンがあって、ペン先を交換できるものもあります。
ガラスペンについてはこんな記事をかいてます。
よかったら参考にしてください。
お手入れが簡単
使い終わったら流水でインクを洗い流して、柔らかい布などで水分を拭き取るだけです。
しっかり水分を拭き取らずに放置してするとサビの原因になるので注意してくださいね。
使わないときは、日の当たらないところ、高温多湿になるところを避けて保管しましょう。
いろんなインクを使うことができる
お手入れが簡単なので、インクを変えたいと思った時には、ペン先についているインクを洗い流してしっかり水分を拭き取れば、先に使っていたインクと違うインクを使えます。
万年筆でインクを変えようと思ったら、インクをきれいに洗い流して乾燥させるには、少なくとも一晩はかかります。
この手軽さはつけペンの魅力ですね。
一度にたくさんは書けない
インクはペン先に持たせられる量が少ないです。
なのでたくさん字を書こうとすると、何度もインク瓶にペン先を入れてインクをつけなければいけません。
ガラスペンであれば、他のつけペンに比べてペン先にかなりの量のインクを持たせることができます。
といってもペンの中にインクを入れておける万年筆とは比べものにはなりませんけどね。
たくさん書きたい人には、インクをつける作業がちょっとわずらわしく感じるかもしれませんね。
インクが垂れてしまう
たくさん書こうとしてペン先にできるだけインクを持たせようとすると、インクがポタッと垂れてしまうことがあります。
インクを垂らしてしまうと、せっかく書いていた原稿や絵などが台無しになってしまいます。
何度もインクをつけるのがわずらわしいと思っても、ペン先にあまりインクを持たせすぎないように気をつけてくださいね。
つけペンの使い方
準備するもの
「ペン軸」「ペン先」「インク」「紙」
準備するものはこれだけです。
ペン軸
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ペン軸は樹脂製か木製が主流です。
樹脂製の方が比較的安価で手に入ります。
僕が買ったのは「立川」のペン軸とペン先、インクがセットになっている「お試しペンセット」を買いました。
このペン軸の素材は樹脂製。
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ペン先を入れるところはこんな感じになっています。
いろんなペン先が使えるようになっているタイプの軸を一本買っておけば大丈夫です。
ペン先
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好みのペン先を選びましょう。
どのペン先がいいか迷ったら、まずは初心者向けのお試しペンセットがいいかと思います。
僕が買ったセットになっていたペン先は「丸ペン」「スクールペン」「Gペン(クロームとニュームの2種類)」「サジペン」の全部で5種類です。
いろいろ試したかったのでこのセットにしました。
もう少し安いもので、ペン軸とペン先3種類がセットになっているデリーターのお試しペンセットがあります。
こちらは1000円未満で買えますし、いろんなペン先を試せるのでおすすめですよ。
インク
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インクもお好みのボトルインクを選びましょう。
インク選びのコツは「直感」です!
いろんなメーカーからいろんな色が出ています。
色の種類もそうですし、染料、顔料、古典インクとそれぞれ特徴のあるインクがあります。
まずは大まかに「青系が欲しい」とか「赤系が欲しい」って決まったら、あとは「直感」で買ってみましょう!
インクについてこんな記事を書いています。
インク選びの参考にしてください。
紙
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最初のうちは特にこだわらなくていいと思います。
コピー用紙とかで全然問題ないですよ。
ただコピー用紙だと、あんまり筆圧をかけてガリガリ書くと、裏うつりしたり、にじんだりするので気をつけてくださいね。
いろんな紙がありますし、書き心地のいい紙は値段もそれなりにしますからね。
ペンに慣れてきたら紙にもこだわるようにしていけばいいんじゃないかなって思っています。
僕はずっと100円のレポート用紙とかルーズリーフを使ってます。
ですが最近いい紙に書いてみたいと思いこんなのを買いました。
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ツバメノートのお試しセットです。
前々からツバメノートはすごく気になってて、お試しセットがあるのを見つけて衝動買いしてしまいました。
が、買ってみたもののもったいなくて開封せず眺めてるだけですが、見てるだけでもワクワクします。
いろんなサイズのノートやメモ帳がセットになってます。
もうしばらく眺めながら、何に使うか考えていこうかなと思ってます。
実際に書いてみよう
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道具が揃ったら何か書いてみましょう。
今回はGペン(クローム)を使ってみました。
インクはセーラーの四季織シリーズの「夜桜(よざくら)」。
紙はコピー用紙です。
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まずは簡単な縦横の線を。
それから丸や波など、簡単な図を書いてみました。
万年筆に慣れていると、ペンポイントがない分、カリカリした感じが強く感じると思います。
ペン先を引いて書くのが基本なのは万年筆と同じですね。
間違ってもペン先を押すようにしては書かないでくださいね。
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一度につけるインクの量、筆圧など、つけペンに慣れるまでいろいろと書いてみました。
最初はペン先に持たせるインクの量を調整するのが慣れなくて、何度もボトルにつけてはボトルの入り口のところでペン先をしごいてました。
![](https://shinowanblog.com/wp-content/uploads/2022/09/dip-pen-basics-68-1024x768.jpg)
Gペンは結構線の強弱がつくので書いていて楽しいですね。
でも力を入れ過ぎて、太く書こうとしたら派手ににじんでしまいました。
コピー用紙ということもあるかと思いますが、それなりに書けているところもあるので、僕が未熟なせいですね。
もっと練習します!
「夜桜」はいい感じですね。
強い光でライトアップされた桜ではなく、淡く柔らかい光に照らされた桜の花を想像させる色合いで、「夜桜」というネーミングがぴったりですね。
このつけペンで初めて使ったのですが、すごく気に入りました。
これからガンガン使っていこうと思います。
お気に入りの万年筆にも入れて使っていきます。
使い終わったら
インクボトルの蓋をしっかり閉めて、ボトルが倒れてもインクが漏れないようにします。
あとまわしにしてうっかりボトルを倒してしまったら、机の上がインクで染まって大変ですからね。
それからペン先についたインクを流水で流します。
インクがついたまま放置すると、インクが乾燥してペン先がサビたり、軸とくっついて外れなくなったりしてしまいます。
使わない時はインクを洗い流して綺麗な状態を保つようにしましょう。
洗う時はインクが流れ出なくなるまでしっかり流してください。
インクが流れなくなったら柔らかい布などでしっかり水分を拭き取ってください。
毎日使わないのであればペン先は外して、高温多湿を避けて保管しましょう。
最後に
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今回はつけペンについて紹介しました。
つけペンについて記事にしようと思ったきっかけは、
万年筆と同じペンポイントがあるペン先を使った「ホコロ」と「いろうつし」を見つけたこと、
もうひとつは「万年筆のGペン改造」のためにGペンを買ってみたところからです。
どうせならいろんなペン先を買って試してみようと思い、ペン先についていろいろ調べたり使ってみたところ、
つけペンも楽しいと思い記事にしてみました。
今回買ったカリグラフィーペンや「ホコロ」、「いろうつし」など改めて紹介したいと思います。
この記事でつけペンに興味を持ってくれたら嬉しいです。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
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