今回は2025年の3月に発売されたセーラー万年筆の筆タイプのつけペン「Brush(ブラッシュ)」を紹介します。
絵画用の筆とはちょっと違う使い心地が楽しいですし、お手入れがしやすいのも魅力です。
それでは詳しく紹介します。
セーラー万年筆(SAILOR)hocoro(ホコロ)Brush(ブラッシュ)をおすすめする人
気軽に使いやすい筆を探している
メンテナンスしやすい筆が使いたい
筆で描くカリグラフィーや絵画などにチャレンジしたい
セーラー万年筆(SAILOR)hocoro(ホコロ)Brush(ブラッシュ)の特徴
毛はナイロン製

hocoro(ブラッシュ)の毛はナイロンで作られています。
絵画用の筆にもナイロン製のものもありますが、主に動物毛(イタチ、馬、ヤギ)などが使われています。
毛に使われている素材によって絵の具の含み方や描き心地が異なり、ナイロン製の毛はコシが強く耐久性が高いのが特徴です。
そのため筆圧をかけても形が崩れにくく、筆先のコントロールがしやすいので筆の扱いに慣れていない初心者でも使いやすいと思います。
ナイロン毛は水性インクと相性がいい

ブラッシュに使われているナイロン毛は、水性インクと相性がいいです。
というのも、ナイロン毛は適度なコシがある為ペン先の形状が崩れにくく、水性インクの流れをある程度保ってくれます。
また、毛先が細かくインクの保持力が高いため、インクの流れが途切れにくいです。
さらにナイロンは化学的に安定しているので、水性インクの成分による劣化が少ないため、長期間使用しても劣化しにくいといった特徴があり、ナイロン毛と水性インクとの相性がいいと言えますね。
特に万年筆やインクのメーカーが作った筆なので、万年筆に使える水性インクとの相性が悪い訳ないですよね。
いろんなボトルインクを使って楽しめますよ。
ラメ入りインクも使える

万年筆には使えないラメ入りインクも手軽に使えます。
ラメ入りインク特有のキラキラ感がたまらないですよね。
セーラー万年筆からラメ入りのインク「Dipton(ディプトン)」シリーズが販売されています。
このシリーズにはラメが入ったshimmer〈きらめき〉インク、インクが溜まる部分に異なる色の光沢が生じるsheen〈光沢〉インクなどがあります。
つけペンとの相性はもちろん、色のきらめきや光沢をブラッシュでたっぷりと楽しめますね。
コンパクトなデザインで使いやすい

絵画用の筆は用途に応じていろんな形状がありますが、軸が長いものが多いです。
ホコロはペン先をつけていない状態で軸の長さが113.7mmとコンパクトです。
ちょうど手に納まるサイズでボールペンなどと同じような感覚で使えますよ。
洗浄しやすい作りになっている

絵画用の筆との大きな違いはお手入れがしやすいところです。
ナイロン毛をまとめているオレンジ色の樹脂部分を見ると、横に大きく穴が開いていますね。
流水でインクを流す際に毛の根元までしっかりと洗い流せるようになっているんです。
また絵画用の筆は使用する絵具の種類によっても洗い方やお手入れの方法が違い、非常に手間がかかります。
毛先を傷めないように、優しく洗う必要がありますし、場合によっては筆専用のコンディショナーを使うこともあります。
その点ブラッシュは使用後すぐに水でインクをしっかり洗い流せばいいのでとてもお手軽ですね。
使用するにあたっての注意点について
洗浄方法は簡単ですが、長く使用するためにはいくつか注意する点があります。
インクがついたまま放置しない

いろんなボトルインクを使って楽しめるブラッシュですが、Hocoroブラッシュは、主にインクを使用するため、使った後すぐに水で洗い流すことが重要です。
インクが乾燥し固着しても水性インクであれば洗い流せますが使ったすぐ程でなくても洗い流すことは可能ですが、水に浸け置きしておくなど手間と時間が必要になります。
また顔料インクが乾燥して固着してしまうと、水だけでは洗い流せなくなるので、専用の洗剤を使って洗わないと洗い流せません。
インクが固着してペン先が乱れたままではきれいな文字が書けなくなってしまうので、使用後は必ず洗浄するようにしてくださいね。
洗浄後の乾燥は穂先を下に向けて干すのが好ましい

洗浄後は穂先を整えてから下に向けて干して乾燥させます。
これは絵画用の筆と同じですが、毛先が拡がったり曲がったりならないようにするためです。
絵画用の筆や習字用の筆には尻軸部分に紐がついていて穂先を下に向けて干せるようになっています。
ただホコロは乾燥用の紐はついていません。
僕は乾燥させるときは洗濯ばさみで挟んで穂先が下を向くようにして干しています。
また、ブラッシュのナイロン毛はもし広がってしまった場合の対処法ですが、セーラーのホームページに載っていました。
穂先を60~80℃のお湯に1~2分程浸けるようにするといいようです。
ナイロン毛はお湯に浸けると柔らかくなってまとまりやすくなる性質があります。
柔らかくなったところで毛先を整えれば元通り使えるようになるそうですよ。
保管する時はホコリに注意

筆にホコリがついたままにしておくと、ホコリが毛に絡まってしまいます。
絡まってしまうと、滑らかさが損なわれ書き味が悪くなってしまいます。
またインクのつきが悪くなるので擦れたり、ムラになってしまったりしてしまいます。
さらにホコリが毛に長く付着したままだと、毛の繊維を痛める原因になってしまいます。
その点、ブラッシュはペン軸にペン先を収納できるようになっていて、ホコリから守ってくれます。
しっかり洗浄し乾燥した後は、ペン先をホコリから守るためにもペン先を収納する方がいいですね。
ブラッシュのペン先は消耗品

長く使えるようにメンテナンスは大切ですが、万年筆のペン先のようにずっと使えるわけではありません。
ずっと使い続けているといずれは傷んで使用感が悪くなってしまいます。
絵画用の筆であれば使えなくなったらペンそのものを買い替えるようになりますが、ブラッシュはペン先だけを交換できます。
ペン軸とセットだと税込定価1210円ですが、ペン先だけだと税込定価660円なのでかなり気軽に買い替えられますね。
セーラー万年筆(SAILOR)hocoro(ホコロ)Brush(ブラッシュ)の使い心地
購入時はペン先がカチカチ


購入時、ペン先はこんな感じで梱包されています。
裏側を開いてペン先を出します。
未使用時はペン先がカチカチですが、インクをつければすぐに程よく柔らかくなって使えますよ。
ブラッシュの使い方

ボトルインクにペン先を入れる際は、インクをつけ過ぎないようにしたほうがいいと思います。
インクが垂れてしまったり、ペン軸までインクが付いてしまいます。
インクをつけるのはだいたいペン先の横穴半分程度まででいいかと思います。

ペン先をボトルの口でかるくしごいて余分なインクを落としつつ、ペン先を整えます。
あとは自分が思う文字や絵を書いてみてください。
コントロールは難しいがいろんなインクが使えるので楽しい

最初筆ペンのようなコシと弾力がある感じを想像していたので、かなり柔らかいというのが第一印象です。
想像していたより柔らかかったので最初はちょっと戸惑いました。

カリグラフィーに挑戦しましたが、なかなか線の強弱がつけられず、精一杯頑張った結果がこんな感じです。
慣れてくると適度なコシの感じが分かるようになってきてある程度線の強弱がつけれるようになったかなと思いますが、まだまだ練習が足りないですね(汗)
思うような文字を書けるようになるにはかなり練習は必要かと思いますが、いろんなインクを使って楽しめるところがいいですね。

万年筆では使えないラメインクを使ってキラキラした文字を書くのはホント楽しいです。
筆に慣れていない人だと最初は上手く書こうと思っても書けないと思います。
筆の持ち方や姿勢など難しいことは考えずに、まずは楽しむところから始めてみるのがいいかなと思います。
イラストの色付けなどにも使える
イラストが得意な人は、色付けにも使えます。
万年筆用の多彩なボトルインクを使って色付けすると、他の画材とはまた違った魅力ある絵ができあがるかと思います。
ブラッシュの洗浄方法

使用後は流水で洗い流すだけです。
穂先はもちろんですが、横窓の部分にしっかり流水をあててインクを洗い流します。
インクの色が流れ出なくなれば洗浄は完了です。
ものの数分で洗浄できます。
洗浄後は穂先を指で整え、乾燥させます。
セーラー万年筆の万年筆用サポートキットについている注射器を使えばより簡単に、またしっかりと根本まで洗浄できます。


注射器の先につけるノズルがちょうどブラッシュの根元部分にきれいにハマります。
ノズルをはめ込んだらペン先を水に浸け、水を注射器で吸い上げたり出したりします。

洗浄が終われば、流水で洗浄する場合と同じく穂先を整えて乾燥させます。
ナイロン毛なので割と早く乾燥しますよ。
インクを変える時はもちろんですが、同じインクを使う時でも、すぐに使わない場合はその都度洗浄するようにしてくださいね。
毛先は多少インクの色が残る

購入時は真っ白ですが、使用後はインクの色が多少残ってしまいます。
洗浄の際にインクが流れ出てこなくなるまできちんと洗浄できていれば、ナイロン毛に多少色が残っていても、インクが混ざってしまうようなことはありません。
セーラー万年筆(SAILOR)hocoro(ホコロ)Brush(ブラッシュ)をおすすめする理由
線の強弱が表現できるので多彩な文字が書ける
ペン先の交換が簡単
流水で洗浄するだけなのでお手入れが簡単
イラストの色付けなどにも使えるなど用途が広い
といったところかと思います。
いろんな用途に使える反面、使いこなすにはある程度の練習が必要です。
筆をほどんど使ったことがない人は、けっこう難しいと感じるかなと思います。
ちょっと使えるようなるとほんと楽しいので、ぜひチャレンジしてみてください。
最後に

今回はセーラー万年筆の「ホコロ ブラッシュ」を紹介しました。
この記事が皆さんのつけペン選びの一助になれば幸いです。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
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