今回はOHTO(オート)のCELSUS(セルサス)という万年筆を紹介します。
セルサスは
- アルミニウム製の軸で高級感がある
- ステンレス製でシュミット社が手掛けたペン先で書きやすい
- カートリッジは欧州規格
といった特徴があります。
それでは詳しく紹介します。
OHTO(オート)万年筆CELSUS(セルサス)をおすすめする人
金属軸で重量感のある筆記具が好き
高級感のある万年筆を探している
日本製の万年筆が使いたい
※カラーはブラックです。(Amazon)
OHTO(オート)万年筆CELSUS(セルサス)の特徴
洗練された高級感のあるデザイン
パッと見は太めでストレート、シンプルなデザインになっています。
無駄のない洗練された印象で、高級感がありますね。
それでは細部を見ていきます。
アルミニウム製の軸で光沢のある塗装仕上げが美しい
軸にはアルミニウムが使用されています。
アルミニウムは軽量、頑丈、塗装の発色がいいといった特徴があります。
光沢のある塗装仕上げが美しいですね。
カラーは今回紹介するブルーの他、ブラック、ブラウン、ワイン、シルバーがあります。
ただ、カラーによっては在庫がないようで入手困難となっています。
装飾はゴールドメッキで豪華
クリップ、ペン先、リング、天冠といった装飾部分はゴールドメッキが施されています。
軸の光沢塗装と合わせて、全体に光沢がありきれいですよね。
キャップに書かれている「CELSUS Fountain Pen」「OHTO Made in japan」の文字もゴールドなので統一感がありますね。
軸のブルーと装飾のゴールドとの相性が良く、「青×金」のコンビも気に入っています。
一番好きなのは「黒×銀」ですが、「青×金」もアリですね。
重さは21g
軸の中に入っているカートリッジインクを除き、軸の重さを測定したところ21gでした。
口金、天冠部分には真鍮が使用され程よい重みは感じますが、金属軸としては比較的軽量ですね。
持った感じもアルミらしい軽やかな持ち心地です。
グリップ部分はエラストマー
OHTOの万年筆やローラーボールのグリップ部分によくこのエラストマーが採用されています。
以前紹介したCR01でもグリップ部分にエラストマーが使われていましたね。
エラストマーについてですが、ちょっと難しいので枠内の記事は読み飛ばしてもらっても大丈夫です(笑)
「エラストマー」とは
「erastic(弾性のある)」+「polymer(重合体)」を合わせた造語で、
豊かな弾性を持つゴム状の高分子物質の総称です。
広義には、一般的に「ゴム」と呼ばれているものすべてをエラストマーと言うようです。
従来のゴム製品は、強い弾性を持たせるため、硫黄などの物質や熱を加えることで高分子間を結合させる「架橋」と呼ばれる工程を行わなければなりませんでした。
OHTOの筆記具に使われているエラストマーは「熱可塑性エラストマー(TPE)」呼ばれ、この架橋の工程を行うことなく強い弾性を発揮し、近年注目されている素材です。
「熱可塑性エラストマー」には「ゴム」に比べさまざまな優れた性質を持っていて
- 製造過程での省エネ性を確保できること
- リサイクルが可能なこと
- 「ゴム」よりも軽い為軽量化が可能なこと
といった優れた特徴があり、架橋という過程が必要な「ゴム」からの代替が進んでいるということです。
「熱可塑性エラストマー」は今回紹介する筆記具に限らず、医療機器であるとか、電気製品、自動車、スポーツ用品、家具などいろんな製品に使われています。
グリップすると程よい弾力があり滑りにくいです。
商品レビューで劣化しやすいといった口コミもありますが、エラストマーは耐久性に優れており、伸縮性、耐摩耗性や耐薬品性にも優れています。
劣化しにくいので、弾力のある持ち心地が長く維持されると思います。
キャップは嵌合式
キャップは「パチン」と閉める嵌合式という方式をとっています。
開閉時の音はかなり控えめで外す時はほとんど音がしません。
ヌルっとした手ごたえで、静かに外せます。
キャップを閉める時は、片手で簡単に閉めることができます。
また閉めると「コチッ」という感じの音がします。
万年筆のキャップの開閉には「嵌合式」ともうひとつ「ネジ式」とがあります。
万年筆のキャップについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
よかったら参考にしてください。
ペン先はシュミット社製のスチールニブで太さはF(細字)のみ
金メッキされたペン先が美しいですね。
ペン先には「SCHMIDT IRIDEIUM POINT」と刻印されています。
軸などは全てOHTOの自社製作ですが、ペン先についてはこの刻印のある「SCHMIDT(シュミット)」という筆記具メーカーが製造しています。
ペン先に使われている素材はスチール、俗に鉄ペンと呼ばれます。
太さはF(細字)のみの設定となっています。
ペン先の種類が選べないのはちょっと残念ですね。
せめてM(中字)もあればよかったかなとは思います。
シュミット社製のペン先は個体差があるかもしれない
シュミット社は1968年にドイツで創業した筆記具メーカーです。
万年筆ではペン先(ニブ)、コンバーターなど自社で製造が困難な会社に提供しているOEM生産を主に行っている会社です。
万年筆関係以外では、ボールペンのリフィル(替え芯)も製造しています。
シュミット社のペン先は素材がスチール(鉄ペン)でも、しなやかで書きやすいと定評があり、いろんな筆記具メーカーで採用されています。
口コミを見ると時に個体差があるようで、ペン先の歪みやズレがあって書きにくいということもあるようです。
ただこれは頻発することはなく品質は安定していますし、初期不良の場合はメーカーが対応してくれます。
初期不良などの不具合があった場合は、メーカーに問い合わせるようにしてください。
書き味については後述しますね。
カートリッジ式の万年筆
購入時、軸のなかにショートタイプのカートリッジが2本入っています。
インクカラーはブラックです。
カートリッジは欧州規格
カートリッジは欧州規格となっています。
規格というのは首軸とカートリッジを接続する部分のサイズのことです。
規格は大きく「独自規格」と「欧州規格」に分けられます。
セルサスに採用されている欧州規格は「欧州統一規格」「ヨーロッパ規格」「ヨーロッパ統一規格」「国際規格」などとも呼ばれています。
たくさんのメーカーが欧州規格でカートリッジを製造しており、同じ欧州規格であれば、いろんなメーカーのカートリッジを使用することができますよ。
この規格についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
よかったら参考にしてください。
OHTO(オート)万年筆CELSUS(セルサス)の使い心地
キャップは軸にしっかりとハマるが重くなる
キャップは軸にしっかりとハマり、グラグラしませんね。
ただ、重心がかなり上になってしまい、重さをかなり感じるようになります。
重心が高く扱いにくいと感じる方は、キャップは軸につけずに使用する方がいいかと思います。
欧州規格のコンバーターを使ってみた
公式ではカートリッジ式と表記されていますが、実はコンバーターも使えます。
欧州規格のコンバーターで、軸の中に納まれば大丈夫です。
試しにAmazonで購入した欧州規格のコンバーターを使ってみました。
欧州規格のはずですが上手くハマらなかったです(汗)
次にシュナイダーのコンバーターを使ってみました。
ハメるときにちょっとキツいかなという感じはありましたが、割とスッと入りました。
きっちりハマりすぎた感じもします(笑)
これは他の万年筆に流用せずセルサス専用にした方がよさそうな予感がしますが、とりあえず気にせず使ってみます。
コンバーターを装着した状態で軸の中にはちゃんと納まりました。
コンバーターについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
よかったら参考にしてください。
同じ欧州規格でもわずかな違いで適合しない場合がある
写真は左からAmazonで購入したコンバーター、シュナイダーのコンバーター、付属のカートリッジです。
コンバーターの先をよく見ると、Amazonで購入したコンバーターだけわずかに形状が違いますね。
先に欧州規格であれば他メーカーでも使用可能という話をしましたが、こういった例外があります。
今回の組み合わせでは、この形状違いから上手く合わなかったですが、他の欧州規格の万年筆だとAmazonのコンバーターは使えました。
また、この角をすこし削ればセルサスにも使えるかもしれませんね。
同じ欧州規格でもこういったわずかな違いで使えない場合があります。
欧州規格となっていても、すべてが適合するわけではないので注意してくださいね。
インクはペリカンのブリリアントブラックを入れてみた
コンバーターが装着できたのでインクを吸入してみました。
特にインク漏れもなくスムーズに吸入できました。
インクフローがよくヌルヌルとした書き心地
インクはペリカンのブラックを使ってみました。
スチールニブですが程よい弾力があります。
ペンポイントはなめらかで、筆圧をかけなくてもスルスルと紙の上を滑ってくれます。
線の強弱がつき、躍動的な文字が書けます。
インクフローがよくヌルヌルとした書き心地でインクがかすれることはないですね。
シュミット社のニブは書き心地がいいですね。
ごくたまにハズレがあるようですが、この個体はばっちりアタリでした。
OHTO(オート)万年筆CELSUS(セルサス)をおすすめする理由
金属軸、光沢塗装仕上げで高級感がある
カートリッジだけでなく欧州規格のコンバーターも使える
インクフローがよくヌルヌルとした書き心地がいい
税込定価2200円と安価で手に入る
というところかと思います。
グリップ部のエラストマーの耐久性については、口コミで若干の不安はありますが、僕が使っている分は今のところ劣化などはありません。
またペン先がF(細字)のみというのもちょっと残念な点かなと思います。
ただ、これだけ高級感がありながら税込定価が2200円という手に入れやすい値段なのがいいですね。
低価格帯の万年筆とはとても思えないクオリティは、さすがOHTOだなと感心してしまいます。
最後に
今回はOHTO(オート)の万年筆、CELSUS(セルサス)を紹介しました。
この記事が皆さんの万年筆選びの一助になれば幸いです。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
※カラーはブラックです。(Amazon)
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