万年筆の老舗メーカーであるペリカンの万年筆やボールペンにある「M600」とか「K605」はどんな意味があるのかご存じですか?
ペリカンが好きな人には当然のことかと思いますが、今回は改めてこのペリカンの型番について解説したいと思います。
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ペリカンの型番の意味を知りたい
ペリカンの型番はアルファベットと3桁の数字で構成されている
写真は左はスーベレーンの「M600」、右が「K605」です。
最初に書きましたが「M600」とか「K605」といったように、ペリカンのスーベレーンシリーズやクラシックシリーズなどはアルファベッド一文字と3桁の数字で構成されています。
最初の「M」「P」「K」「R」「D」の意味
品番の最初にある「M」「P」「K」「R」「D」。
それぞれちゃんと意味があります。
それでは順に解説します。
「M」は本体吸入機構の意味
「M」はドイツ語でMechanik(機械)を意味します。
つまり、ドイツ語では本体吸入式の万年筆は
Fullhalter(万年筆)mit(備えた)Mechanik(機械)
と表現され、このMechanik(マハニックと発音します)の頭文字「M」をとって、本体吸入式を表しています。
「P」はカートリッジ式(両用式)の意味
この「P」はドイツ語でPatronen(カートリッジ)の意味で、カートリッジ式万年筆という意味です。
Patronen(カートリッジ)fullhalter(万年筆)
と表現され、このPatronen(パトローネンと発音します)の頭文字「P」をとって、カートリッジ式を表しています。
カートリッジ式という表現ですが、コンバーターも使えるのでカートリッジ・コンバーター両用式と解釈できます。
「M」「P」は万年筆の吸入方式を表している
まとめると、品番の頭文字が「M」や「P」であれば万年筆であることが分かりますね。
またそれぞれ「M」と「P」は万年筆のインクを吸入する方式を表しているということになります。
本体吸入式やカートリッジ式など、万年筆のインクを吸入する方式についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
よかったら参考にしてください。
「K」はボールペンの意味
続いて「K」ですが、ドイツ語の「Kugelschreiber」の頭文字で「ボールペン」を意味しています。
余談ですが、ドイツ語で「kugeln」(クーゲン)は「玉」、「schreiben」(シャイブン)は「書く」を意味しています。
ペン先の「玉(ボール)」と「書く」を合わせた言葉が「Kugelschreiber」、つまりボールペンを意味しているという事ですね。
「R」はローラーボールの意味
これは比較的分かりやすいかと思いますが、「Rollerball」の頭文字で「ローラーボール」を意味しています。
発音も英語とほぼ同じで「Rollerball」(ローラーボール)です。
ボールペンとローラーボールの違いについて、こちらの記事で詳しく紹介しています。
よかったら参考にしてください。
「D」はシャープペンの意味
「D」はドイツ語で「Druckbleistift」の頭文字で、「シャープペン」という意味です。
「Druck」(ドーク)は「圧」、「bleistift」(ブライシュテフト)は「鉛筆」を意味しており、圧をかけることで芯を出す、つまりシャープペンを指しているという事になります。
ノック方式はノック式と回転繰り出し式の2種類
「D400」はノック式シャープペン
「D400」というモデルでは一般的なシャープペンと同じノック式のシャープペンです。
「D600」「D800」は回転繰り出し式のシャープペン
ペリカンのシャープペンは一般的に普及しているノック式ともうひとつ、回転繰り出し式という方式が採用されています。
その方式というのは、ボールペンの回転繰り出し式のようにキャップ部分を回転させて芯を繰り出す方式です。
とても興味深いのですが、「D600」「D800」といった上位モデルで採用されている方式です。
僕の小遣いでは手が届きそうにないです(笑)
いずれは手に入れてみたいシャープペンですね。
3桁の数字の意味
頭文字の解説は以上ですが、続いて数字を見ていきます。
僕のもっているペリカンの筆記具は頭文字を外すと「205」「400」「600」「605」の4種類です。
100の位はサイズを表している
まずは100の位にある数字に着目します。
「2」「4」「6」の3種類になりますね。
この100の位にある数字はサイズを表しています。
スーベレーンシリーズは「3」「4」「6」「8」「10」
スーベレーンシリーズは「3」「4」「6」「8」「10」とあり、この数字が大きくなるほどサイズも大きくなっていきます。
スーベレーンシリーズはサイズだけで5種類もあります。
クラシックシリーズは「2」
「2」はスーベレーンシリーズではなく、クラシックシリーズにつけられている数字です。
サイズとしてはスーベレーンシリーズの「4」よりほんのちょっとだけ(2mm程度)小さいサイズになります。
写真の上が「M205」、下が「M400」です。
「M205」デモンストレーターは全長約147mm、「M400」の全長は約149mmと2mmの差です。
パッと見た感じはほぼ同じサイズに見えますよね。
トレドシリーズは「7」「9」
またトレドシリーズではこの100の位が「7」や「9」となっています。
こちらも同じくサイズを表しています。
下2桁は装飾のカラー
品番の下2桁に注目すると「00」と「05」と2種類あります。
「00」はゴールドトリム
「00」はゴールドトリムを意味しています。
ゴールドトリムはゴージャスで美しいですよね。
「05」はシルバートリム
「05」はシルバートリムを意味しています。
シルバートリムは派手さはありませんが、落ち着いた雰囲気がいいですよね。
特に「K605」などシュトレーゼマンと呼ばれるブラックストライプはより大人な雰囲気を演出し、とてもかっこいいですよね。
トレドシリーズの「10」はシルバープレートモデル
またトレドシリーズでは「10」というのがあり、これはトレドシリーズのシルバープレートモデルを指しています。
トレドシリーズは軸に彫金が施されたプレートが貼られているとてもゴージャスな万年筆です。
こちらも一度は手にしたい一本ですね。
ゴールドトリム(GT)とシルバートリム(CT)についてはこんな記事を書いています。
よかったら参考にして下さい。
最後に
今回はペリカンの品番について解説してみました。
なんとなく知っているようで知らなかったなと思ったところがありましたか?
この記事が皆さんの筆記具選びの一助になれば幸いです。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
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