ペリカンはドイツの筆記具老舗メーカーとして有名ですね。
今回紹介するのはM205クラシックデモンストレーターという万年筆です。
M205クラシックデモンストレーターは
- 本体吸入式
- 軸やキャップがクリアパーツで、ピストン吸入機構やキャップ内部の構造などを観察できる
- ペン先はステンレススチールながらよくしなって線の強弱がつけやすい
という特徴があります。
それでは詳しく紹介します。
M205はこんな人におすすめ!
ペリカンの万年筆が好き
本体吸入式万年筆が使いたい
透明軸の万年筆が欲しい
ペリカンというブランド
M205を紹介する前にまずペリカンというブランドを紹介します。
といっても、ペリカンはドイツの老舗文具メーカーとして有名で、文具好きならかならずその名を聞いたことがあると思います。
ペリカンは創業当時、絵具やインクを製造していました。
1929年にペリカン初の万年筆が発売され、その吸入メカニズムが評価されました。
ペリカンのフラッグシップといえば「スーベレーン」です。
本体吸入式、ストライブ柄で根強い人気があります。
ペリカンの「スーベレーン」は、一本は手に入れたい万年筆ですね。
また、ペリカーノジュニアやツイスト、ペリカーノアップなどお手頃な万年筆も製造しています。
ペリカンの筆記具は高級なものからお手頃なものまで幅広いラインナップがあり、多くの国で愛用されています。
僕が持っているペリカンの筆記具は今回紹介するM205の他、ペリカーノアップという万年筆とスーベレーンK605というボールペンがあります。
そのどちらもペリカンらしさ、その魅力が十分感じられますよ。
M205 クラシック デモンストレーターの特徴
「M」は本体吸入機構の意味
「M」はドイツ語でMechanik(機械)という意味です。
つまり本体の吸入機構の事を指しているんですね。
「M」の他に、「P」という万年筆もあります。
この「P」はドイツ語でPatronen(カートリッジ)の意味で、カートリッジ式万年筆という意味です。
このM205はもともと自社製品の吸入機構を説明する為のデモンストレーション用として作られたモデルです。
製品化されて以来、売り出されると即完売という大変な人気だそうです。
透明軸で吸入機構が見えるのがかっこいいですよね。
万年筆のインク吸入方式についてこんな記事を書いています。
よかったら参考にしてください。
「205」の「2」はサイズ
ペリカンの万年筆には「200」「300」「400」「600」「800」「1000」があります。
この数字が大きくなるほどサイズも大きくなっていきます。
ペリカンの万年筆はサイズが豊富なので、使う人の手の大きさや使い心地に合わせて選ぶことができますね。
今回紹介するデモンストレーターはかなり小ぶりなサイズです。
全長は筆記時で148mm、重さはインクが入っていない状態で測定したら13.18gでした。
収納時はかなり小さく、126mmとコンパクトです。
「205」の「05」は装飾の種類
「05」は装飾がクロムトリム(クロムメッキ処理された装飾)という意味です。
クリップやキャップリングなどの装飾は、銀色に輝くクロム仕上げとなっています。
また「00」というのもありますが、「00」の場合はゴールドトリム(金メッキ処理された装飾)という意味になります。
「05」はシンプルながら透明軸×クロムで落ち着いた色合いでかっこいいですよね。
クロムメッキやゴールドメッキについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
よかったら参考にしてください。
キャップリング部分には「PERIKAN」「GERMANY」の文字。
細部までこだわって作られているのがよく分かりますね。
「M205」の型番の意味について紹介しましたが、ペリカンの万年筆、ボールペン、ローラーボールなどの型番についてこちらの記事で詳しく紹介しています。
よかったら参考にしてください。
美しい透明軸
軸は透明な樹脂でできています。
ペリカンのスケルトンは通称「ペリスケ」という愛称で親しまれています。
尾栓を回してピストンが上下する様子がじっくりと観察できます。
吸入機構が見えると、「本体吸入式の万年筆ってこうなっているのか~」って感心しますし、
インクがどれだけ入ったのかわかるし、インクの残量も一目で分かりますね。
吸入機構が全て見えるので、この機械っぽい感じが好きな人にはたまらないですね。
クリップのペリカン
ペリカンの筆記具はこのクリップが特徴です。
ペリカンをモチーフにしており、このクリップを見るだけでペリカンと分かりますね。
ペン先と天冠(キャップの先)にペリカン
ペン先に刻印されているペリカンのロゴマーク、特に天冠のペリカン親子がいい感じですね。
キャップはネジ式
キャップは気密性の高いネジ式が採用されています。
しっかりとペン先の乾燥を防いでくれます。
嵌合式と間違えて無理矢理引っ張ったり、押し込んだりしないように気を付けてくださいね。
万年筆のキャップについてこんな記事を書いています。
よかったら参考にしてください。
ペン先はステンレススチール
ペン先の素材はステンレススチールです。
いわゆる「鉄ペン」に分類されるんですが、けっこう柔らかくてよくしなります。
よくしなる理由はペン先の形にあります。
ちょっと分かりずらいかもしれませんが、ペン先がこちらを向いた状態の写真です。
かなり平らになっているのが分かるかと思います。
ペン先が平らに近いほどしなりやすくなるんです。
今回紹介するペン先の太さはEF(極細)ですが、その他F(細字)、M(中字)、B(太字)の4種類から選べます。
書き味については後述しますね。
ペン先についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。。
よかったら参考にしてください。
ペン先は外すことができる
このペン先部分、ネジのようにまわすと外すことができます。
ペン先だけ交換できるようになっているんです。
ペン先の太さを変えたりできますよ。
ペン先だけで16000円くらいしますけどね…
首軸あたりにインクが固着してしまった場合など、洗浄やメンテナンスの時には便利ですね。
M205デモンストレーターの書き味
使用するインクはペリカンのロイヤルブルー
今回使用するインクはペリカンのロイヤルブルーです。
インク瓶にペン先を入れ、尾栓を回してピストンを動かしてインクを吸入します。
透明軸だから吸入されていく様子がよく見えますね。
本体をしっかり片手で固定して尾栓を回してくださいね。
カリカリした感じで線の強弱がつけやすい
今回紹介するペン先の太さは極細(EF)です。
極細なのでカリカリした感じです。
力を入れないで書くとけっこう細い線が書けます。
ちょっとしたメモや手帳などへの筆記にも使いやすそうですね。
そしてペン先のしなりがすごいです。
線の強弱がかなりつきますね。
日本語の「とめ」「はね」「はらい」はもちろんしっかりと表現できますね。
このペン先のしなり、柔らかい書き味は癖になりますね。
書いていて気持ちいいですよ。
あんまり力を入れすぎるとペン先が壊れてしまうので注意は必要ですが、一度体験してみてほしいと思います。
色彩雫の紫式部を入れてみる
パイロットの色彩シリーズの「紫式部」を入れてみました。
インクフローはいいですね。
色彩雫は水性染料インクでサラサラした感じのインクなので、ペリカンの万年筆にいれてもトラブルなく使用できました。
小ぶりで筆記時にはキャップを軸につけるほうがいい
パイロットのkakuno(カクノ)と比較してみました。
サイズはこんな感じで、カクノよりちょっと小さい感じですね。
小ぶりで携帯しやすいサイズなので持ち運びしやすいです。
ただ小ぶりな分、筆記時はキャップをしないと手の大きい人には小さすぎるかもしれません。
キャップは軸にしっかりつくので、使用時はキャップを軸につけるほうがいいと思います。
M205をおすすめする理由
本格的な本体吸入式の万年筆で、吸入機構が見える
透明軸で見た目が美しく、インク残量も一目でわかる
ペン先が柔らかくしなるのが楽しい
万年筆の老舗ブランド、ペリカンを持っているという所有欲を満たしてくれる
小ぶりなサイズで持ち運びに便利
といったところでしょうか。
「ペリカンの本体吸入式万年筆を使ってみたい」という人はまずこのM205クラシックデモンストレーターを選んでみてはどうでしょうか。
サイズ的にはスーベレーン「M400」とほぼ同じ大きさかと思います。
定価は税込み17600円とかなり高価なので、僕は購入するのにかなり勇気がいりました(笑)
でも使い心地がよく、見た目もかっこいいので買ってよかったと思います。
最後に
今回はペリカンM205 デモンストレーターを紹介しました。
このペリカン M205は僕が初めて買った本体吸入式の万年筆です。
インクが本体に吸い込まれていく様子がよく見えるのが楽しいですよ。
またペン先がよくしなるので書くのも楽しいですね。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
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