【レビュー】PILOT(パイロット)ノック式万年筆「キャップレス」【ブラックマット】

万年筆
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今回はパイロットのノック式万年筆「キャップレス」を紹介します。

「キャップレス」は1963年に登場。

60年以上も続くロングセラーで、グッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞しています。

「キャップレス」はその名の通りキャップのない万年筆で、ボールペンのようなノック式になっているのが最大の特徴です。

それでは詳しく紹介します。

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  1. PILOT(パイロット)ノック式万年筆「キャップレス」をおすすめする人
  2. PILOT(パイロット)ノック式万年筆「キャップレス」の特徴
    1. キャップがない万年筆
    2. ペン先の乾燥を防ぐ「シャッター機構」
    3. クリップがペン先側にあるのには意味がある
    4. ペン先側にクリップがある事でペンを正しくグリップできる
    5. ペン先が上を向いていて、さらにシャッター機構がある事で気圧の変化にも対応できるかも?
    6. 軸には黄銅(真鍮)が使用され重量感がある
    7. すべてのパーツが真っ黒なマットブラック
    8. ペン内部の構造
    9. ペン先は18金
    10. ペン先の形状がちょっと変わっている
    11. ペン先の太さは全部で4種類
    12. カートリッジ・コンバーター両用式
    13. コンバーターはCON-40が使える
    14. カートリッジ・コンバーターはパイロットの独自規格
    15. コンバーターを使う時はカートリッジカバーは使わない
  3. PILOT(パイロット)ノック式万年筆「キャップレス」の使い心地
    1. ノック感
    2. パイロットの色彩雫「竹炭」を使う
    3. キャップレスの書き味
  4. PILOT(パイロット)ノック式万年筆「キャップレス」をおすすめする理由
  5. 最後に
  6. キャップレスシリーズを紹介
    1. 「ペーシックシリーズ」
    2. 「螺鈿(らでん)シリーズ」
    3. 「木軸シリーズ」
    4. 「キャップレス デシモ」
    5. 「キャップレス フェルモ」
    6. 「キャップレス LS」

PILOT(パイロット)ノック式万年筆「キャップレス」をおすすめする人

ノック式の万年筆を探している

真っ黒な万年筆が欲しい

ペン先が金でできた万年筆を使いたい

PILOT(パイロット)ノック式万年筆「キャップレス」の特徴

キャップがない万年筆

1963年に登場した初代キャップレスは回転繰り出し式でした。

その翌年、1964年にノック式のキャップレスが登場。

試行錯誤を繰り返されており、中には自重でペン先が出てくるモデルもあったようです。

キャップレスには現在「ノック式」「回転繰り出し式」「ノック&ツイスト式」という3種類のノック方式があります。

今回紹介するキャップレスはノック式。

ノックする事でペン先を出したり収納したりできます。

万年筆はキャップ式がほとんどです。

使おうとするとどうしても両手を使ってキャップを外さないといけません。

これに対してノック式であれば片手で操作が完了するので、手軽に使いやすいのが一番のメリットですね。

ペン先の乾燥を防ぐ「シャッター機構」

万年筆のキャップには「ペン先の保護」と「ペン先の乾燥を防ぐ」という役割があります。

まず「ペン先の保護」についてですが、キャップがなくてもペン先が軸内部に収納されるのでしっかり保護されており問題ないですね。

もうひとつの大きな課題である「ペン先の乾燥を防ぐ」についてですが、これをクリアするために開発されたのが「シャッター機構」というものです。

ペンの先端部分をよく見てみます。

ペン内部に蓋のようなものが見えますね。

ノックしてみると、この蓋が開いてペン先がニュッと出てきました。

ペン先を収納するとまた蓋が閉じていきます。

この蓋部分がシャッターと呼ばれる部分です。

このシャッターのおかげで、ペン先の気密性を確保し、乾燥を防いでくれているんですね。

クリップがペン先側にあるのには意味がある

クリップはペン先側についています。

ノック式という利便性を追求した万年筆なので、当然ポケットなどに刺して持ち運ぶことが想定されてデザインされています。

ペン先を収納し、ポケットに刺すとペン先側が上に向いています。

インクの入った万年筆を収納しておく場合、ペン先側を上にしておくのが鉄則です。

ペン先側を下にして収納することでインクが漏れたり、ペン先側が下を向いたまま長期間放置するとペン先内部でインクが固着してしまったりして、インク詰まりなどのトラブルになります。

ボールペンなどはノック側にクリップがついているので、初めてキャップレスを見るとペン先側にクリップがついている姿に違和感を覚えるかもしれません。

ですが、万年筆としての特徴を踏まえ、トラブルを防ぐという目的があり、きちんと理にかなったデザインになっているということなんですね。

ペン先側にクリップがある事でペンを正しくグリップできる

一見するとグリップする時にクリップが邪魔になるんじゃないかと思いますよね。

ですが、実際にグリップしてみると全く気にならない位置にあります。

というか、むしろクリップがある事できちんと正しいグリップが出来る位置になっているんです。

ペン先の正面とクリップがきれいに合うようになっていて、クリップに沿って握るとペン先の正面が上を向くようになっています。

ペン先が横を向いていると、文字がかすれたり、滑らかに書けなかったりします。

ペン先が正しい方向に向くことで、かすれることなくなめらかに書くことができますね。

ペン先が上を向いていて、さらにシャッター機構がある事で気圧の変化にも対応できるかも?

万年筆を胸ポケットに刺したまま飛行機に乗る人がどれだけいるのかは分かりませんし、実際に試したことがないので、ちょっと確証はないですが…

万年筆だけでなくボールペンなどでも起こり得る現象として、気圧の変化によるインクの吹き出しです。

飛行機内の気圧はある程度コントロールされているのでそれほど大きな変化はありませんが、高度が上がると気圧が下がります。

機内の気圧が下がってもボールペンの替え芯内、また万年筆のカートリッジやコンバーター内の気圧は大気圧と同じなので、外に向かって圧が掛かってしまいます。

キャップのある万年筆であればインクが噴き出すことはありませんが、機内で不意にキャップを外すとインクが噴き出してしまう可能性があります。

ましてやキャップのないキャップレスだと、機内の気圧が下がってくるとインクが噴き出してしまいそうですよね。

ですが、ペン先の気密性を保持するシャッター機構のおかげでインクが噴き出すことはないようです。

「実際に機内に持ち込んでインクが噴き出したことがない」という記事も見かけましたので、おそらく大丈夫かと思います。

ただ機内で使用しようとすると、シャッターが開きインクが噴き出す可能性があるので、使用は控えた方がよさそうです。

軸には黄銅(真鍮)が使用され重量感がある

カートリッジやコンバーターを装着していない状態で重さを測定してみると31.79gでした。

コンパクトなデザインながらかなりずっしりとした持ち心地です。

すべてのパーツが真っ黒なマットブラック

先軸、後軸、ノック、クリップとすべてのパーツがマットブラック塗装になっています。

すべてがブラックなので引き締まって見えますね。

またマット塗装なので、光沢が抑えられ落ち着いた雰囲気で高級感があります。

握ったときに滑りにくく手になじみやすいのもマット塗装のメリットですね。

ペン内部の構造

先軸と後軸を回すと写真のように外せます。

ペン先側とノック側のパーツを外すと万年筆の中からもうひとつコンパクトな万年筆が出てきます。

パイロットの取説を見ると、ペン先がついている方を「筆記体」、後ろについている銀色のキャップを「カートリッジカバー」と呼ぶようです。

このカートリッジカバーを外して、筆記体とコンバーターやカートリッジとを接続します。

ペン先は18金

ロジウムメッキ処理が施され、銀色に輝いていてきれいですね。

写真左はパイロットの「エラボー」です。

並べて比べると、かなり小ぶりな感じがしますね。

ペン先は18金です。

金ペンは腐食に強く、ペン先のタッチが柔らかいといったメリットがありますね。

ペン先の形状がちょっと変わっている

ペン先を横から見た写真です。

左がキャップレス、右はペリカンのM400です。

キャップレスのペン先はちょっと上に反りあがっているように見えますよね。

この形状のおかげでキャップレスは従来の万年筆のように寝かせなくても筆記することができるんですね。

結構立てて書いてもスラスラと書けますよ。

書き味については後述しますね。

ペン先の太さは全部で4種類

キャップレスのペン先は極細字(EF)、細字(F)、中字(M)、太字(B)と全部で4種類。

今回紹介するのは中字(M)です。

手帳などに書き込むにはちょっと太すぎるかもしれません。

でも万年筆の醍醐味であるヌルヌルした書き味でいろんなインクで楽しみたいという人は太めのペン先がおすすめですよ。

持ち運んで手帳に使用する極細字(EF)か細字(F)を選べば大丈夫かと思います。

カートリッジ・コンバーター両用式

キャップレスはカートリッジ・コンバーター両用式です。

カートリッジインクはもちろん、コンバーターも使うことができます。

常に持ち歩いて使用するのであれば、簡単にインクの補充が出来るカートリッジインクが便利です。

予備のカートリッジだけであればコンパクトで、何本も持ち歩けますからね。

ただカートリッジインクはボトルインクに比べ選択肢が少ないのが難点です。

使用するのがベーシックな黒やブルーブラックであればカートリッジインクで十分です。

またパイロットのカートリッジインクは種類が豊富です。

ベーシックなカートリッジインクの他、色彩雫シリーズのカートリッジインクもあります。

色彩雫シリーズでは12色ものカートリッジインクが販売されています。

ボトルインクに比べると割高にはなりますが、いろんなインクを手軽に楽しみたい人にはおすすめですよ。

コンバーターはCON-40が使える

いろんなボトルインクを楽しみたい、インクをゆっくり吸入して使いたいという人はコンバーターがおすすめです。

パイロットのコンバーターはCON-40とCON-70の2種類があります。

写真上がCON-70、写真下がCON-40です。

キャップレスで使えるのはCON-40という、小さい方のコンバーターです。

回転式になっていて、ノブを回すことでインクを吸入出来ます。

もうひとつあるCON-70はプッシュ式でインクの吸入は簡単ですが、大きいのでキャップレスの軸内に収まらないので使えません。

購入の際は気を付けて下さいね。

コンバーターの使い方についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。

よかったら参考にしてください。

カートリッジ・コンバーターはパイロットの独自規格

カートリッジやコンバーターには規格というものがあります。

この首軸とカートリッジやコンバーターを接続する部分のサイズが規格です。

パイロットはメーカー独自の規格です。

他のメーカーのカートリッジやコンバーターは使えません。

かならずパイロットの製品を使用してください。

カートリッジやコンバーターの規格についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。

よかったら参考にしてください。

コンバーターを使う時はカートリッジカバーは使わない

万年筆内部にあるカートリッジカバーは、カートリッジインクを使う時にはカバーとしての役目があります。

ですが、コンバーターを使う時はカートリッジカバーは使いません。

コンバーターを使う際には無くさないように保管しておくようにしてください。

PILOT(パイロット)ノック式万年筆「キャップレス」の使い心地

ノック感

ボールペンのノック部分と比べると、ちょっと長く感じるノック部分です。

動きはなめらかですね。

ペン先が出てきた所でカチッと音がして、ペン先が固定されます。

もう一度ノックするとペン先が軸の中に収納されます。

程よい弾力感があり、ボールペンのノック感よりはやや強い感じがします。

また収納時の跳ね返りは結構強めですね。

インクを入れた状態で何度もカチカチとノックしましたが、インクの吹き出しや漏れは無かったです。

パイロットの色彩雫「竹炭」を使う

今回はパイロット色彩雫「竹炭」を入れてみました。

筆記体の中にコンバーターがちょっと隠れてしまっているので、インクがどれくらい入ったのかやや見えにくいです。

筆記体を先軸に入れる際、筆記体にある出っ張り(凸部)と、先軸のくぼみ(ガイド溝)を合わせるように入れてください。

筆記体を先軸に入れ、後軸をつければ筆記準備完了です。

キャップレスの書き味

かなりなめらかな書き味ですね。

M(中字)というのもありますが、ヌルヌルとした程よいフローで気持ちよく書けます。

ペンポイントもなめらかで紙との摩擦はほぼ感じないですね。

ペン先は小ぶりですが、程よくしなってくれます。

M(中字)は手帳などで使うには太すぎるかと思いますが、ヌルヌルとした気持ちのいい書き味が楽しめますよ。

PILOT(パイロット)ノック式万年筆「キャップレス」をおすすめする理由

ノック式の万年筆として完成した美しさと機能美を兼ね備えている

コンパクトに持ち運びができ、気圧の変化でもインクが噴き出さない

コンバーターが使えるのでいろんなインクを入れられる

18金ペン先はソフトでなめらかな書き味が楽しめる

という感じかと思います。

キャップレスのブラックマットは税込定価30800円とかなり高価にはなりますが、見た目はかっこいいし書き味も最高です。

最後に

今回はパイロットの「キャップレス」ブラックマットを紹介しました。

ずっと欲しかった万年筆だったので、手に入れることができて本当にうれしかったです。

なかなか手が出せない価格帯の万年筆だったので、手に入れてから数か月もの間、インクも入れずにずっと手に取って眺めていました(笑)

この記事が皆さんの万年筆選びの一助になれば幸いです。

最後まで読んでくれてありがとうございました。

キャップレスシリーズを紹介

「ペーシックシリーズ」

今回紹介するキャップレスは「ベーシックシリーズ」。

ペン先が18金と、特殊合金の2種類があります。

特殊合金製のキャップレスは税込定価13200円。

ベーシックシリーズの18金ペン先のキャップレスは27500円。

値段だけ比較すると特殊合金ペン先の方が手に入れやすいですね。

特殊合金と18金ペン先とでどのくらい書き味が違うのが、また購入できたら比較してみたいと思います。

「螺鈿(らでん)シリーズ」

蒔絵技法を用いて軸に装飾を施したキャップレスの最高峰シリーズです。

税込定価が99000円とかなり高価です。

貝の光沢と漆(うるし)の黒とのコントラストが美しいですね。

かなり高価なのでなかなか買えませんが、いずれは使ってみたい一本です。

「木軸シリーズ」

樹脂含浸カバ材という特殊加工された木材を軸に使用した木軸のキャップレスです。

樹脂含浸カバ材は以前に紹介したレグノというボールペンの軸にも使用されています。

カバ材特有のきめ細かい美しい木肌に、さらに樹脂含侵によって頑丈で安定させた材になるので、ながく美しい状態を保つことができます。

税込定価は39600円と、ベーシックより高価な設定となっています。

「キャップレス デシモ」

ペーシックモデルは軸に黄銅(真鍮)が使われていますが、デシモは軸がアルミ製になっています。

デザインも細身で、軽量化されより持ち運びしやすいモデルになっています。

ペン先は18金のみです。

デシモの登場は2005年。

デシモはスペイン語で10番目という意味だそうで、キャップレス発売から10代目のモデルだからだそうです。

税込定価は27500円です。

「キャップレス フェルモ」

フェルモはノック式ではなく、回転繰り出し式になっています。

1963年に登場した初代キャップレス万年筆と同じ方式になりますね。

ペン先は18金、税込定価は26400円です。

「キャップレス LS」

ノックする事でペン先が出てきて、尾冠の突起を回すとペン先が収納されるというノック&ツイスト式というこれまでにない機構を搭載キャップレスです。

触ったことが無いので、どのくらいしなやかに動作するのかすごく興味があります。

税込定価は49500円と、螺鈿シリーズに次いで高価なのでなかなか手が出せませんが…

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