今回はセーラー万年筆のプロカラー500「透明感万年筆」を紹介します。
キャップや軸はもちろん、ペン芯まで透明な万年筆です。
インクの色を存分に楽しめますね。
それでは詳しく紹介します。
SAILOR(セーラー)プロカラー500「透明感万年筆」をおすすめする人
透明な軸の万年筆を使いたい
本格的な万年筆が欲しい
1万円以下の万年筆を探している
SAILOR(セーラー)プロカラー500「透明感万年筆」の特徴
キャップや軸が透明
「透明感」という名の通り、キャップや軸、ペン芯に至るまで樹脂部分のパーツは全て透明となっています。
キャップをしていてもペン先がきれいに見えますね。
使用されている樹脂はPMMA樹脂で、アクリルとも呼ばれます。
アクリルはプラスチックの中でも透明度が高いのが特徴で、よく水槽などに使われています。
また傷がつきにくいのもアクリルの特徴です。
小さな傷がついてくるとどうしても透明度が低下して曇ったようになりますが、傷がつきにくいので長く透明で綺麗な状態を維持することができます。
ただ強い衝撃には弱く、誤って落として踏んでしまったりすると壊れてしまうので、取り扱いには注意してくださいね。
透明な万年筆のメリットは
- インクの色を見て楽しめる
- インクの残量がひと目で分かる
- 万年筆の吸入機構、インクの流れが見える
といったところですね。
いろんなインクを入れて透明軸を堪能できますね。
さらに細部を見ていきたいと思います。
キャップはネジ式
キャップはネジ式が採用されています。
回し心地はとてもなめらかですね。
樹脂によってはきしむような手ごたえを感じる場合もありますが、プロカラー500は全くないですね。
ネジ式キャップはペン先の気密性が高くペン先が乾きにくいという特徴があります。
使用するたびにネジを回してキャップを外すという手間をわずらわしいと感じる方のおられるかと思います。
ですがその手間がいい万年筆を使っているって感じるんですよね。
キャップの開閉方法にはネジ式ともうひとつ、パチンと閉める嵌合式というタイプがあります。
嵌合式は手軽に扱えるので便利ですね。
万年筆のキャップについてはこちらの記事でくわしく紹介しています。
よかったら参考にしてください。
キャップにはインナーキャップがある
キャップにインナーキャップがある事でペン先の気密性を高めています。
透明なので、このインナーキャップまでしっかりと見えますね。
ペン先をすっぽりと包んでいるのがよく見えます。
ペン芯が透明
ペン先の裏側にある樹脂部分、この部分をペン芯と言います。
通常の万年筆ではここは不透明な樹脂が使われていますが、この透明感はこのペン芯までが透明です。
インクを入れていない状態ではきれいな透明ですが、インクを入れるとペン芯までインクの色に染まって綺麗です。
ただ、ペン芯はずっとインクがついているので、しっかり洗浄しても多少インクの色が残ってしまいます。
綺麗に洗っていれば使用には特に問題はありませんよ。
万年筆の基本的な洗浄方法についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
よかったら参考にしてください。
軸が透明で中の状態がひと目で分かる
コンバーターを装着した状態で、中がしっかりと見えますね。
インクの色やインクの残量がひと目で分かります。
透明軸の一番の醍醐味はやはりこのインクの色を見て楽しめるというところかと思います。
透明軸を取り扱う上で注意しておきたいのは有機溶剤を使わないということ
アクリルは有機溶剤を使うと白濁してしまいます。
白濁は文字通り白く濁ってしまい、透明ではなくなってしまいます。
一度白濁すると元に戻すことが困難です。
有機溶剤というのは、いわゆるアルコールであるとか、シンナーや除光液といったものです。
よく感染症対策としてアルコール系のウエットシートなどが使われていますが、絶対に使わないでくださいね。
もし白濁してしまった場合は、アクリル研磨剤で表面を磨く方法がありますが、かなり手間がかかってしまいますので、十分注意してください。
万年筆の軸に使われている素材は今回紹介する樹脂の他、金属や木材などがあります。
万年筆に使われている素材についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
よかったら参考にしてください。
装飾はクロムメッキで美しい
キャップリング、クリップなど使用されている金属部分にはクロムメッキ処理がされています。
全体的に使用している色に統一感があってかっこいいですね。
キャップリングには「SAILOR JAPAN FOUNDED 1911」と刻印されています。
セーラー万年筆が1911年に創業したという意味ですね。
僕は金属部分が銀色になっているが好きで、「透明×銀」の組み合わせが好きです。
ちなみに一番好きなのは「黒×銀」の組み合わせです(笑)
金属のメッキには今回紹介したクロムメッキの他、ゴールドメッキがあります。
メッキについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
よかったら参考にしてください。
ペン先はステンレススチール
ペン先も装飾と同じくクロムメッキ処理がされていてとてもきれいです。
また、ペン先は下位のモデルに比べてサイズが大きくなっており、また刻印が精巧でかっこいいですね。
ペン先の素材についてはステンレスの他、金が使われています。
ペン先についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
よかったら参考にしてください。
ペン先の太さは中細のみ
今回紹介するプロカラー500「透明感万年筆」はペン先の種類が中細のみとなっています。
他のペン先は選べないので、購入する際はご注意ください。
書き味については後述しますね。
カートリッジ・コンバーター両用式
インクの吸入はカートリッジ・コンバーター両用式となっています。
セーラー万年筆のカートリッジやコンバーターは独自規格となっています。
カートリッジやコンバーターの規格というのは、首軸とカートリッジなどを接続する部分のサイズを指しています。
メーカー独自の規格となっているので、セーラー万年筆以外のメーカーのカートリッジインクやコンバーターは使えないので注意してくださいね。
カートリッジやコンバーターの規格についてはこちらの記事でくわしく紹介しています。
よかったら参考にしてください。
コンバーターでいろんな色のインクを楽しめる
カートリッジインクはお手軽ですし、いろんな色のカートリッジもありますね。
でも透明軸なのでコンバーターを使っていろんなインクを入れてみるのも楽しいですよ。
コンバーターは別売りとなっています。
セーラー万年筆のコンバーターはノブの部分がカラフルで、10色から選べます。
金属部分がクロムカラーの他、ゴールドのコンバーターもあります。
僕はこの金属部分がクロムメッキされた透明のコンバーターを使っています。
より統一感がでてかっこいいですよ。
コンバーターの使い方についてはこちらの記事でくわしく紹介しています。
よかったら参考にしてください。
SAILOR(セーラー)プロカラー500「透明感万年筆」の使い心地
セーラー万年筆のゆらめくインクを使ってみる
今回はコンバーターを使って、セーラー万年筆の「ゆらめくインク」シリーズの「極夜(KYOKUYA)」を使ってみました。
「ゆらめくインク」は、濃淡や時間の経過、使う紙によっても色彩が変化していくというインクです。
このキャッチコピーにコロっとやられて衝動買いしてしまいました(笑)
インクは特に問題なくスムーズに吸入することができました。
とてもなめらかな書き心地
ペンポイントはとてもなめらかでスラスラと書けます。
MF(中細)ですが、思ったより細めな印象です。
インクフローはけっこうよくて、安定していますね。
ヌルヌルというほどでもありませんが、インクが途切れたり、かすれたりする事はありません。
ペン先は若干しなりますが、やや硬めの印象ですね。
グッと力をいれても線の幅はあまり変化ありませんね。
インクの濃淡でいろんな色が見え隠れする感じとも相まってとてもいい感じです。
軸のネジ部分がなめらか
筆記とは直接関係ありませんが、この首軸と胴軸のネジがかなりなめらかです。
ネジの精度、樹脂部分の仕上げなどもしっかりされています。
キャップ部分のネジもなめらかな手ごたえでしたが、この胴軸部分もなめらかなので使っていてストレスを感じませんでした。
SAILOR(セーラー)プロカラー500「透明感万年筆」をおすすめする理由
透明度の高いアクリル樹脂製で見た目が美しい
「透明×銀」のコンビでかっこいい
インクの色や残量がひと目で分かる
パーツそれぞれの精度が高い
というところかと思います。
ペン先はステンレス製ですが、全体の完成度が高く本格的な透明軸の万年筆を探している人にはピッタリかと思います。
値段も税込定価6600円と、ちょっと高い価格帯になってくるかと思います。
1万円以下で買える万年筆としては十分満足でき、おすすめできる一本です。
最後に
今回はセーラー万年筆のプロカラー500「透明感万年筆」を紹介しました。
セーラー万年筆の「透明感万年筆」として今回紹介したプロカラー500の他、レクル、プロフィットJr.にも「透明感」があります。
プロカラーを使いながら、急に全部揃えたくなってレクルとプロフィットJr.も買ってしまいました。
こちらもまたそれぞれレビューしたいと思います。
この記事が皆さんの万年筆選びの一助になれば幸いです。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
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