OHTOは茨城県結城市に工場をもつ日本の筆記具メーカーです。
OHTOはボールペンのチップの製造から、組み立て、筆記試験に至るまで行っています。
今回はOHTOの「CR01」という水性ボールペンを紹介します。
キャップ式、金属軸の本格的な水性ボールペンで、サラサラととても書きやすいですよ。
それでは詳しく紹介します。
OHTO CR01はこんな人におすすめ
黒いシンプルなボールペンを探している
サラサラと書きやすい水性ボールペンが使いたい
キャップ式の水性ボールペンが好き
OHTO CR01の特徴
軸やキャップは金属製
軸やキャップの素材はアルミニウム製です。
持った感じはかなりしっかりしています。
口金や頭冠などは真鍮製
かなりずっしりとした重みを感じます。
重さは33gです。
軸全体は軽いアルミニウムとして、口金、頭冠、尾栓を真鍮にすることで、
全体的に軽量としながらも、両端に重みをもたすことで、
ペンバランスをとり、扱いやすくしているんですね。
全身黒でかっこいい
今回紹介するのはマットブラック。
キャップやクリップ部分に至るまで黒で統一されていますね。
全体的に引き締まった印象でとてもかっこいいです。
ブラックアルマイト染色とマットブラック電着塗装という手法を用いているとの事。
どんなものか調べてみました。
アルマイト処理とは
アルマイト処理とは、アルミニウムをコーティングする手法のひとつです。
アルミニウムの表面に酸化被膜を生成させる手法です。
アルミニウムという金属は通常の状態でも空気中の酸素と反応して酸化アルミニウムの皮膜を生成します。
この皮膜によりアルミニウムは腐食をしにくい性質を持っています。
しかし、塩分等に長時間さらされたり、水分が付着したりした状態で鉄などの金属に触れていると腐食を起こします。
また、アルミニウム表面の酸化皮膜は薄く、傷つきやすいということですが、
アルマイト処理をすることによって表面を保護することが必要となります。
メッキも金属表面をコーティングする手法ですが、
メッキは表面に金属の被膜をつける手法で、
アルマイト処理はアルミニウム素材そのものに被膜が浸透した状態となります。
つまりアルマイト処理とはメッキ処理よりも耐久性の高い被膜が作られているということです。
なので、メッキよりも耐久性の高い被膜で覆われているので腐食に強いということですね。
それから電着塗装についても調べてみました。
電着塗装とは
電着塗装とは、電着塗料という専門の塗料が入った水の中に塗装したい物を入れて電気を流して塗装を行う方法です。
電着塗装によるメリットとしては、
- 塗装の効率が良く(95%以上)全自動化が可能で大量生産が可能
- 塗料の突き周りが良く袋状の物にも均一の塗膜を隙間なく塗装することができる
- 塗料のロスが少ない
ということで、デメリットとしては
- 塗装したい物に電気を流す必要があるため、プラスチックや木材など電気を流せない物などには使えない
- 大型の設備が必要となり、管理も複雑
- 色の切り替えが困難で表現力が低い
- 段取りが多いため少量の塗装には不向き
ということです。
この手法が使われるものの代表は自動車ですね。
文房具は細かくかつ複雑な形をしたパーツの組み合わせですし、軸は細い筒状であったり、袋状になっていたりと塗装が難しいものですが、
この電着塗装によって、均一に塗装できるため、ムラがすくないということですね。
軸のカラーバリエーションは3種類
今回紹介するのはマットブラックですが、
その他のバリエーションとして迷彩柄があります。
カモフラージュブラックとカモフラージュカーキ。
なかなか攻めたカラーで、どれもかっこいいですよ。
カラーによって値段が違い、
マットブラックは税込み1980円
カモフラージュブラック、カモフラージュカーキは税込み2200円
となっています。
クリップはSK材
OHTOの十八番ともいえるこのクリップ素材。
SK材ってなに?という人は、OHTOのアメリカンテイストの紹介記事の中で詳しく解説しています。
よかったら参考にしてください。
グリップ部分にはエラストマーという素材
OHTOの製品を紹介すると、なにかしら新しい素材が登場するので勉強になります。
「エラストマー」とは
「erastic(弾性のある)」+「polymer(重合体)」を合わせた造語で、
豊かな弾性を持つゴム状の高分子物質の総称です。
広義には、一般的に「ゴム」と呼ばれているものすべてをエラストマーと言うようです。
従来のゴム製品は、強い弾性を持たせるため、硫黄などの物質や熱を加えることで高分子間を結合させる「架橋」と呼ばれる工程を行わなければなりませんでした。
このCR01に使われているエラストマーは「熱可塑性エラストマー(TPE)」呼ばれ、この架橋の工程を行うことなく強い弾性を発揮し、近年注目されている素材です。
「熱可塑性エラストマー」には「ゴム」に比べさまざまな優れた性質を持っていて
- 製造過程での省エネ性を確保できること
- リサイクルが可能なこと
- 「ゴム」よりも軽い為軽量化が可能なこと
といった優れた特徴があり、架橋という過程が必要な「ゴム」からの代替が進んでいるということです。
「熱可塑性エラストマー」は今回紹介する文房具だけでなく、医療機器であるとか、電気製品、自動車、スポーツ用品、家具などいろんな製品に使われています。
こういう素材の勉強をすると、工業製品なんだな~と感心してしまいます。
かなり筆記具の紹介とかけ離れた話が増えてしまいましたが、
文具作成に費やされた素材や技術を知ることで、よりその文具への思いが強まるかなと思います。
で肝心のグリップ感ですが、触った感じはしっかりしたゴムです(笑)
たしかに滑りにくくなっているのでグリップ感は向上しますね。
全体が金属なのでひんやりしますが、このグリップはひんやりした感じがないですね。
究極にシンプルなデザイン
ストレートな軸、シンプルなデザインのキャップ、「特徴がないのが特徴だ!」って感じですね。
キャップに「CR01」と「OHTO JAPAN」のロゴのみ。
黒い軸に白のロゴが映えますね。
使用する場面を選ばないシンプルさがかっこいいですね。
セラミックボールでなめらかな書き味
OHTOの水性ボールペンで一番の特徴がペン先に搭載されているボールがセラミック製です。
セラミックボールにすることで、ボール表面の凹凸にインクがのりやすいということですね。
またサビにも強くなるので、長期間使用していなくてもボールの不具合で書けなくなる、ということがなくなります。
セラミックはかなり硬い素材なので、ボールがゆがんだりせず、一定の書き味が保たれるというのも特徴ですね。
セラミックボールによるメリットはすごいですね。
ノンドライ機構でペン先が乾きにくい
キャップ式の難点は、キャップをし忘れたり、キャップをなくしてしまうとペン先が乾いて書けなくなるという点です。
ですが、OHTOの水性ボールペンはペン先が乾きにくい「ノンドライ機構」というものが搭載されています。
そのためペン先が乾きにくく、キャップをし忘れたとしても書けなくなる心配はしなくてもよさそうですね。
ただ、キャップをし忘れたり、キャップを外したままポケットなどに入れておくと、インクが流れ出てきて大きなシミを作ってしまいます。
水性染料インクといえど、一度シミを作ってしまうと洗い流すのは大変です。
キャップは使い終わったら忘れずにつけるようにしましょう。
リフィルはC-300系
C-300系リフィルの語源ともなったOHTOの水性リフィルが採用されています。
C-300系は高い互換性があり、いろんなメーカーのリフィルが流用できます。
C-300系リフィルには、ゲルインキリフィルの「J」型や「K」型が相当し、ぺんてるのエナージェルやゼブラのサラサなどがそうです。
また油性ボールペンではジェットストリームの「SXR-○」もC-300系です。
ジェットストリームのリフィル「SXR-○」をCR01で使用するには多少の工夫が必要ですが、ぺんてるのエナージェルやゼブラのサラサなどは無加工で使用することができますよ。
C-300系リフィルについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
よかったら参考にしてください。
CR01の書き味
重めだが太めの軸で持ちやすくペンバランスはいい
軸の太さは少し太めで握りやすいですね。
けっこうずっしりした感じです。
アルミニウムの軸なので持ったときにひんやりする感じです。
持つ部分のエラストマーのおかげでしっかりグリップできます。
エラストマー部分は金属のようにそんなにひんやりはしませんね。
口金や頭冠に真鍮を使っているので両端に重心があるのでペンバランスがいいです。
キャップは軸にしっかりとハマりますね。
キャップをつけるとけっこう重く感じるので、重いのが苦手という人は、キャップを外した状態の方がいいかと思います。
キャップのし忘れには注意してくださいね。
インクフローがよくサラサラと書きやすい
かなりインクフローは良いですね。
けっこうドバドバ出てくる感じです。
発色はとてもいいですね。
黒がくっきりとしています。
発色が良いのは水性染料インクの特徴ですね。
ただ、かなりフローが良いので紙質によっては裏うつりしてしまうので注意してください。
インクについてはこんな記事を書いています。
良かったら参考にして下さい。
日本語も書きやすいし、筆記体も書きやすい
筆圧をあまりかけなくても、さらさら書けるので日本語は書きやすいですね。
しっかり、「とめ」や「はらい」が表現できますね。
ペン習字などにも向いていると思います。
筆記体も気持ちよく書けますよ。
OHTO CR01をおすすめする理由
キャップ式で金属軸なので高級感がある
全身ブラックでデザインがシンプル
水性ボールペンでサラサラした書き味で書きやすい
日本では水性ボールペンといいますが、海外ではローラーボールとも呼ばれますね。
海外製のローラーボールは高価なものが多いです。
CR01は日本製で製造がしっかりしているので海外のローラーボールと遜色なく、しかも手に入れやすい値段となっています。
ローラーボールの入門としても十分な仕様ですし、ヘビーユーザーにもおすすめです。
ローラーボールとボールペンの違いについてこんな記事を書いています。
よかったら参考にしてください。
最後に
今回はOHTOのCR01を紹介しました。
とても書きやすいですし、僕は重めの軸が好きなのでとても使いやすかったです。
シンプルなデザインなのもいいですし、全身が黒というのもかっこいいですよね。
OHTOの製品で他にも気になるものがたくさんあるので、また紹介したいと思います。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
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