今回は無印良品の「ポリカーボネイト万年筆」を紹介します。
無印良品では幅広い商品を提供し筆記具の種類も豊富です。
「ポリカーボネイト万年筆」はシンプルなデザインで初心者でも使いやすい万年筆です。
それでは詳しく紹介します。
無印良品(MUJI)「ポリカーボネイト万年筆」をおすすめする人
とにかくシンプルなデザインの筆記具を使いたい
初心者でも気軽に使える万年筆を探している
無印良品(MUJI)が好き
無印良品(MUJI)について

無印良品(MUJI)は、1980年に日本で誕生したブランドで、「しるしの無い良い品」=無印良品という名前の通り、ブランド名や過剰な装飾を排したシンプルで機能的な商品を提供しています。
国内外合わせて1364店舗(2024年8月末現在)、2024年度の営業収益が6617億円で2025年度はさらに業績が過去最高を更新する勢いです。
シンプルなデザイン、素材選び・工程の見直し・包装の簡略化でコストを抑える合理的な価格が世界中で受け入れられている理由ですね。
衣料品、生活雑貨、食品、家具、文具、住宅まで幅広い商品を展開しています。
僕が気に入ってよく買っているのは無印良品のレトルトのカレー(笑)
食品部門にも魅力的な商品がいっぱいですよね。
今回紹介する万年筆は、無印のコンセプト通りのシンプルなデザインになっています。
無印良品(MUJI)「ポリカーボネイト万年筆」の特徴
キャップや軸のデザインはシンプル


無印のポリカーボネイト万年筆の一番の特徴はとにかくシンプルなデザインというところです。
僕は商品ラベルを貼ったままにしていますが、ラベルを剥がすとキャップ、軸共に真っ白で、ロゴなどは全くありません。
シンプルゆえ飽きがこないのがいいですね。
長さは収納時で137.64mmで重さは13g


キャップを閉めた状態(収納時)の長さは137.64mm。
キャップを外した本体だけの長さは121.98mmです。

キャップは軸につけることができ、キャップをつけた状態で155.65mmです。


カートリッジやコンバーターを除いた状態で10.91gと非常に軽量です。
カートリッジインクを装着した状態で13.30gでした。
プラチナ万年筆のOEM
これは明確に「OEM(相手先ブランド製造)」であると公式に発表されているわけではありません。
ですがプラチナ万年筆の「プレピー」と多くの共通点がある為、「事実上のOEM製品である」と広く認識されています。
無印の「ポリカーボネイト万年筆」とプラチナ万年筆の「プレピー」を比較しながらその共通点について見ていきます
ペン先の「P」

ペン先の素材はステンレススチールが使われています。
そしてペン先中央にある「P」の文字。
ペン先の形といい、もうそのまんまですよね。

「P」は「PLATINUM(プラチナ万年筆)」の頭文字で、「プレピー」だけでなく、その上位機種「プレジール」にも同じ「P」の刻印があります。
ペン先の形も全く同じですね。
キャップ内にスリップシール機構が備わっている
スリップシール機構が備わっているかどうかは公式ページなどでも言及されていませんが、キャップ内をじっくり見ると備わっているのが分かります。
スリップシール機構とは
スリップシール機構というのはプラチナ万年筆が開発したペン先の乾燥を防ぐために開発した機構です。
簡単にいうと「バネ付きのインナーキャップ」ですが、これがかなり優秀です。
キャップを閉めると、インナーキャップがペン先に密着しペン先が密封されます。
ただペン先の気密性を高めるだけだと「ポンピング現象(インクの噴き出し)」が起きてしまいます。
これに対し、バネ付きインナーキャップでペン先に適度な圧力をかけて密閉。
またキャップを閉める際、インナーキャップが回転して摩耗を防ぐ構造にしたことで「ポンピング現象」が起きにくい構造になっています。
この機構はプラチナ万年筆が特許を所得しています。
プラチナ万年筆の万年筆で「スリップシール機構」が備わっているのは高価格帯の「センチュリー#3776」の他、低価格帯の「プレピー」「プレジール」にも備わっています。
真っ白なキャップなので、内側を覗いてみてもスリップシール機構かどうかは分かりにくいかと思います。

とりあえずインナーキャップらしきものは肉眼で確認できます。
さらにスリップシール機構かどうかを確認するため、細いボールペンなどでキャップの中をつついてみます。

つついてみるとインナーキャップにしっかりバネが効いているのが分かりますよ。
「バネ付きのインナーキャップ」であることが確認できたので、「ポリカーボネイト万年筆」にもスリップシール機構が備わっていることは間違いないです。
プラチナ万年筆の万年筆だけでなく、無印良品の「ポリカーボネイト万年筆」にも特許技術を惜しみなく使用しており、ペン先を乾燥からしっかりと守ってくれていますよ。
ペン先が乾きにくいことで実用性が高い

「スリップシール機構」によりペン先が乾きにくいということは、いつでもすぐに書きだせるというメリットがあります。
ペン先が乾燥してしまうと、洗浄が必要であったり、改めてインクを入れなおしたりといった手間がかかりますよね。
いつでもすぐに書きだせるので、日常で使いやすいです。
キャップはパチンと開け閉めする嵌合式というタイプです。
キャップの開け閉めが簡単なのも使いやすいポイントですね。

また、インクの選択肢が増えるというメリットもあります。
万年筆に使われるインクの多くは染料インクですが、その他に顔料インク、古典インクがあります。
顔料インクや古典インクは乾燥してしまうと洗浄が大変で、場合によっては万年筆が使えなくなってしまう場合もあります。
ペン先が乾きにくいということは、乾燥によるトラブルが起きにくいということで、顔料インクや古典インクも使用できるということになります。
インク選びの選択肢が増えることで、より万年筆を楽しめますね。
万年筆のインクについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
よかったら参考にして下さい。
また、顔料インクを使っていてインクが詰まるなどトラブルとなった場合の対処法についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
こちらもよかったら参考にして下さい。
プラチナ万年筆のカートリッジインクがそのまま使える

購入時にカートリッジインクが1本付属しています。
インクカラーはブラック。
無印では黒とブルーブラックの2色から選べます。
このカートリッジインクには規格があります。

万年筆の規格というのは、カートリッジを差し込む部分のサイズです。
プラチナ万年筆のカートリッジの規格はメーカー独自の規格で、他メーカーのカートリッジインクは使えません。
ですが、「ポリカーボネイト万年筆」はプラチナ万年筆と同じ規格です。
無印良品のカートリッジインクだけでなく、プラチナ万年筆のカートリッジインクも使用できますよ。
プラチナ万年筆にはブラック、ブルーブラックの他、レッド、ピンク、バイオレット、グリーン、ブルーといったインクカラーのカートリッジも使えますよ。
万年筆のカートリッジインクやコンバーターの規格についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
よかったら参考にしてください。
プラチナ万年筆のコンバーターが使える

無印良品では万年筆用のコンバーターは販売していません。
ですが、プラチナ万年筆のカートリッジが使えるので、当然同じ規格であるプラチナ万年筆のコンバーターも使えます。

コンバーターというのはインクを吸入する役割と、インクを貯めておくタンクの役割をもつ万年筆に使う道具です。

首軸に接続し、ペン先をボトルインクの中に入れてノブを回すことでインクを吸入できます。
コンバーターを使えばいろんなボトルインクで楽しめますよ。
無印良品(MUJI)「ポリカーボネイト万年筆」の使い心地
付属のカートリッジインクを使ってみる

コンバーターでいろんなインクを入れてみるのも楽しいですが、今回は付属のカートリッジインクを使ってみます。
首軸をしっかりと固定し、カートリッジをまっすぐに差し込みます。

片手で差し込もうとすると、まっすぐ入らなかったり、カートリッジの腹部を押してしまいインクが噴き出してしまうことがあります。
必ず両手でしっかりと固定しながら、カートリッジの後ろ部分をグッと押し込むようにしてくださいね。
また、カートリッジを差し込んでもインクがペン先まで下りてくるまでしばらくかかります。

すぐ書けなくても故障や初期不良ではないので、しばらく待ってくださいね。
しばらく待ってもきちんと書けない場合でも、故障とは限りません。
インクがかすれたり、インクが出ない原因はいろんなことが考えられます。
インクがかすれたり出なかった利する原因についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
よかったらこちらの記事を参考にしてください。
軽量で扱いやすい
インクを入れた状態で13.25gとかなり軽量です。
軽量なのでペンバランスなどは気にならないレベルですね。
僕はキャップなしだとちょっと短くて使いにくいと感じるので、キャップは軸につけて使っています。
安定のさらさらとした書き味

書き味は「プレピー」や「プレジール」で体感したとおり、サラサラとしたなめらかな書き味です。
ペン先と紙との摩擦はほとんど感じず、すらすら書けますね。

インクフローは一定で、程よいフローで出過ぎることはないです。
ペン先はほとんどしならず、フローも安定しているので線の太さは均一で安定しています。
プレピーを使ってF(細字)以外の太さにカスタム可能
「ポリカードネイト万年筆」はペン先がF(細字)のみとなっています。
F(細字)で十分書きやすいですが、もうちょっと線が細い方がいいとか、太い方がいいとかって好みもありますよね。
「ポリカーボネイト万年筆」を楽しむには、「プレピー」を使ってF(細字)以外のペン先にカスタムすることが可能です。
方法はいたって簡単で、「プレピー」の首軸と交換するだけです。

写真を見てもらえば分かるかと思いますが、胴軸を外した状態での首軸を並べています。
どちらが「ポリカーボネイト万年筆」か「プレピー」か分かりますか?
答えは左が「ポリカーボネイト万年筆」で右が「プレピー」です。


首軸内のジャバラのような樹脂部分の色が違うだけで、サイズは同じです。
さらには首軸と胴軸をつなぐネジ部分もまったく同じです。
ネジ部分が同じなので「ポリカーボネイト万年筆」と「プレピー」の軸を交換することができるんですね。

交換しても首軸と胴軸がしっかりとつながりますね。
「プレピー」はペン先の太さが3種類あり、F(細字)の他、EF(極細)とM(中字)とがあります。
細くしたい場合は「プレピー」のEF(極細)と、太くしたい場合はM(中字)と交換すれば完了です。
特に難しい技術や特別な改造などは必要ないので、手技としては簡単です。
僕は経験していませんが、故障や不具合が起こる可能性もありますので、交換して使う場合はあくまでも自己責任という事でお願いします。
「プレピー」を使って、「ポリカーボネイト万年筆」と同じ首軸を持つ「プレジール」でもペン先が交換できます。
こちらの記事で「プレジール」のEF(極細)を作る方法についての記事を書いています。
よかったら参考にしてください。
無印良品(MUJI)「ポリカーボネイト万年筆」をおすすめする理由
シンプルなデザインで飽きがこない
スリップシール機構でペン先が乾きにくく日常使いに適している
ペン先はプラチナ万年筆クオリティで安定した書き心地
簡単な交換でペン先の太さが変えられる
というところかと思います。
「ポリカーボネイト万年筆」は税込定価590円。
万年筆としての機能は十分備わっており、かなりお買い得な価格です。
ちなみに「プレピー」の税込定価は550円と「ポリカーボネイト万年筆」の方がちょっと高いです。
どちらも機能的には同じなので、シンプルな見た目が好みという方には「ポリカーボネイト万年筆」で間違いないと思います。
最後に

今回は無印良品(MUJI)の「ポリカーボネイト万年筆」を紹介しました。
この記事が皆さんの万年筆選びの一助になれば幸いです。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
初心者向けに「万年筆の使い方」や「万年筆の基本的な洗浄方法」についての紹介記事も書いています。
よかったら参考にして下さい。










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