今回紹介するのは2020年の2月に発売されたプラチナのノック式万年筆「キュリダス」です。
発売当初から気になっていて、やっと手に入れることができました。
透明軸なので複雑な仕組みが見え、プラチナ万年筆の技術の高さがうかがえる万年筆です。
それでは詳しく紹介します。
キュリダスはこんな人におすすめ
ノック式の万年筆に興味がある
プラチナ万年筆が好き
メカっぽいものが好き
キュリダスの特徴
ノック式だから片手で操作ができる
キャップのある万年筆だとどうしても両手をつかってキャップを外さなければなりません。
その点、ノック式は片手でノックするだけですぐに使い始めることができます。
これがノック式の最大の特徴ですね。
クリップが外せる
クリップがついているので、胸ポケットに入れて持ち運べます。
さらにこのクリップは外すことができるので、ペンケースに入れて持ち運ぶ人にも使いやすくなっています。
クリップを外せば、一緒に入れているペンケースの中のペンを傷つける心配もありませんね。
ちょっと大きめのサイズ感
持ち運びにはちょっと大きいかな?って感じがします。
同じプラチナの万年筆、「#3776センチュリー」、「プレジール」と比較してみました。
その大きさの違いは下の写真の通りです。
長さはペン先が収納されている時は結構長く感じますね。
ノックして筆記する時にはちょうどいい感じになります。
グリップ部分もちょっと太いかなって感じですね。
太めの軸が好きな人にはいいかもですが、僕にはちょっと太すぎたかなって思います。
カートリッジ・コンバーター両用式
プラチナは独自規格です。
他のメーカーのカートリッジ・コンバーターは使えません。
購入するときには気をつけてくださいね。
コンバーターやカートリッジインクの規格についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
よかった参考にしてください。
ブルーブラックのカートリッジインクが一本ついてくる
購入時にはカートリッジインクが一本ついてきます。
カートリッジインクの色はブルーブラックです。
とりあえずすぐに使いたいという人は、このカートリッジインクを差し込めばすぐに使えますね。
プラチナのカートリッジインクはカーボンインクがおすすめ
プラチナの染料インクをつかったカートリッジインクは、ブルーブラックの他、ブラック、レッド、ピンク、バイオレット、イエロー、グリーン、ライトブルー、ブラウンの9種類あります。
定番の色がそろっていますね。
染料インクは使用後の手入れがしやすいですよね。
染料を使ったカートリッジもいいですが、僕がおすすめするのは「カーボンインク」です。
真っ黒な線が書きたい人にはいいですよ。
プラチナのコンバーターは2種類
プラチナのコンバーターは金色と銀色の2種類あります。
色が違うだけでインクの容量は同じです。
僕は万年筆の装飾の色に合わせて使い分けています。
このキュリダスは金属部分が銀色なので、銀のコンバーターを使っています。
といってもパーツを組むと何色のコンバーターかほとんど分からなくなりますけどね(笑)
コンバーターの使い方についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
よかったら参考にしてください。
プラチナ万年筆おすすめのボトルインク
ミクサブルインク
プラチナのボトルインクは、なんといっても「ミクサブルインク」ですね。
基本は9色ですが、自由に混ぜて好きな色が生み出せるというインクです。
いろんな色の組み合わせや、それぞれの混ぜる量によって無限ともいえる種類の色を生み出すことができますね。
クラシックインク
もう一つおすすめするボトルインクは古典インクに分類される「クラシックインク」です。
「クラシックインク」は6種類。
古典インクの魅力は何といっても筆記した後の色の変化です。
この変化がたまらないですよ。
ぜひ一度使ってみてください。
万年筆のインクは大きく染料インク、顔料インク、古典インクに分けることができます。
万年筆のインクについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
よかったら参考にしてください。
ペン先が乾きにくい
顔料インクや古典インクを使いたいと思っていても、メンテナンスが大変なのでなかなか勇気を出して使えないって人は意外といるんじゃないでしょうか。
プラチナの万年筆は、ペン先が乾きにくい「スリップシール機構」が特徴です。
僕はこのスリップシール機構を搭載している「プレピー」「プレジール」「#3776センチュリー」には顔料インクや古典インクをガンガン入れて使っています。
しかし、このノック式万年筆ではこの「スリップシール機構」が使えません。
でも、「キュリダス」はペン先の乾きを防ぐために、
- ペン先の空間を小さくして空気に触れるのを最小限にしている
- 蓋でふさいで空気の流入の防いでいる
ということをしています。
写真では分かりにくいかもしれませんが、中の白い樹脂がペン先の乾きを防ぐ蓋です。
インクが乾きにくい工夫がされているので、顔料インクや古典インクも怖がらずに使ってみてはどうでしょうか?
ペン先は小さい
同じプラチナの万年筆、「#3776センチュリー」と「プレジール」とで大きさを比べてみました。
写真は左から「キュリダス」「プレジール」「#3776センチュリー」です。
かなり小ぶりな感じですね。
「#3776センチュリー」のペン先の存在感が際立つ写真になってしまいましたが…
ペン先の素材は、ステンレス。鉄ペンに分類されます。
ペン先の形は「プレジール」のに似て五角形になってますね。
ペン先が乾きにくい機構の中に納まるように、この小さなペン先が開発されたんですね。
「#3776センチュリー」「プレジール」についてのレビュー記事を書いています。
よかった参考にしてください。
樹脂製でメカニズムが見える
樹脂製で半透明になっているので、中のメカニズムを見て楽しめます。
中の蓋が開いてペン先が繰り出してくるところなんか、特にメカっぽいですね。
使うわけでもないのに何度も出し入れしながら、蓋の開閉を眺めてしまいます。
あんまり出し入れしすぎると、ペン先が空気に触れる時間が長くなって乾きの原因となるので、インクを入れている状態ではやりすぎないようにしましょう。
「キュリダス」はカートリッジインクやコンバーターを装着する時、またメンテナンスのためにかなりバラバラにすることができます。
分解の方法については、ちょっと複雑なのでこちらの記事で詳しく説明しています。
よかった参考にしてください。
キュリダスの書き味
今回は付属のカートリッジインクを使ってみます。
色はブルーブラックです。
キュリダスのペン先は中字(M)です。
いつも文字ばかり書いているのも面白くないかなと思って、こんな本を買ってみました。
「万年筆ですぐ描ける!シンプルスケッチ」
で、さっそく描いてみました。
シンプルな文字とイラストが紹介されていて、いろんな応用もできそうです。
簡単に描けました~ってレビューがあったので、僕でも描けるかな?と思って買ってみました。
確かに簡単に描けました!
ちょっとしたイラストを描いたり、おしゃれな文字を描いたりするのにいいですね。
で、肝心の「キュリダス」の書き味ですが、インクフローはちょうどいい感じで、多くも少なくもなく安定しています。
ペン先のタッチはなめらかで、紙の上をすべるようにスルスルっと書けます。
線の太さは一定で、プラチナの品質の高さを感じられ、とても安心できますね。
重さとペンバランスですが、このノック式のためのメカニズムがあるので、「プレジール」や「センチュリー」に比べると、多少重く感じます。
筆記時のペンバランスは真ん中からちょっとペン先寄りに重心があり、重さを感じることなく書きやすいです。
僕は筆記時に若干重みを感じるほうが好きなんですが、この「キュリダス」の重みはけっこう好みですね。
キュリダスをおすすめする理由
持ち運びに便利で、すぐに使えて使いやすい
カートリッジ・コンバーター両用式
ノック式だけどペン先が乾きにくい機構
半透明の樹脂製でメカニズムが見える
という感じじゃないかと思います。
ノック式にしては大きいので持ち運びにはやや不便
耐久性に不安
という点がちょっとマイナスなところかなと思います。
いろんな人のレビューを見ると「ペン先にクラックが入った」だとか「ノックの機構が複雑なパーツで構成されているので壊れやすかい」というのを目にします。
僕はペン先にクラックまではないにしても、耐久性という点が気になりますね。
とりあえず今のところ壊れてはいないですが、もし何か不具合があればレビューしたいと思います。
最後に
初めてのノック式万年筆を買って使ってみましたが、使いやすいし、とても書きやすいし、見た目もかっこいいです。
インクの補充やメンテナンスなど、最初は扱いにちょっと戸惑うし、手間かもしれません。
慣れれば簡単ですし、ちょっとメモをするときやスケッチをするときなど、片手ですぐに取り出せて使えるのでとても重宝しますよ。
値段もノック式の万年筆としては比較的お手頃じゃないでしょうか。
僕の好きな価格帯の万年筆に比べたら高価なので、買うのにちよっと勇気がいりました(笑)
最後まで読んでいただきありがとうございました。
コメント