プラチナ 万年筆のプレジールは、エントリーモデルながら見た目が良く、書きやすい万年筆です。
カラーバリエーションが豊富で、選ぶ楽しみもあり、初心者におすすめです。
それでは詳しく紹介します。
プレジールはこんな人におすすめ
初心者向けの万年筆を探している
かっこいい万年筆が欲しい
インクが乾きにくい万年筆が欲しい
プラチナ プレジールの特徴
インクが乾きにくいスリップシール機構
プレジールのキャップは嵌合式
嵌合式というのは、パチンと開け閉めするキャップのことです。
万年筆は主にネジ式と呼ばれるキャップが主流です。
意外とこのネジ式の構造って複雑なんですよね。
それで、安価にしようとするとこの嵌合式というキャップが採用されるのですが、
この嵌合式のキャップは構造上、単に密封するだけだとキャップを開閉するときにインクが噴き出てしまうんです。
またキャップ通気性を持たせたるとインクが噴き出すのは防げますが、インクの渇きを防げなくなってしまいます。
そこで、プラチナ万年筆が開発したのがこの「スリップシール機構」です。
「スリップシール機構」とは
インクの乾燥を防ぐ完全気密キャップのことです。
その特徴は
- インクが噴き出すポンピング現象を防ぐことが出来る
- ペン先を完全密封にすることでインクの乾燥を防ぐ
というところにあります。
この機構がプラチナ万年筆最大の特徴といえます。
このスリップシール機構のおかげで、数日どころか数か月使ってなくてもインクの乾きを防いでくれます。
インクが乾かないので、書こうと思ったときにキャップを外せばすぐに書けますよ。
乾きに強いので顔料インクが使いやすい
この乾きにくい構造のおかげで、染料インクだけでなく顔料インクも使えます。
顔料インクはにじみにくく、裏うつりなどもしにくい良いインクなんですが、扱いを間違えると大変です。
インクが乾燥することで
- ペン先にインクが詰まって書けなくなる
- インクが固着するとペン先や本体を傷めてしまう
という不具合が生じます。
ですが、このスリップシール機構のおかげでインクが乾きにくくなっているので、顔料インクや古典インクも使いやすい!ということなんです。
万年筆に使われているインクについてこちらの記事で詳しく紹介しています。
よかったら参考にしてください。
カラーバリエーションが豊富
軸やキャップの素材はアルミニウムです。
アルミニウムは、軽くて丈夫、サビに強いという特徴があります。
これにアルマイト染色という方法で着色しておりとてもきれいです。
かなりいろんなカラーのラインナップがあり、通常ラインの他、マット処理を施したもの、アルマイト染色の上にアルマイト処理を施したものもあります。
色の加工方法に手間がかかる分、特別仕様や期間限定のプレジールは値段が高くなっています。
真っ黒のいかにも万年筆!というのもいいですが、
いろんなカラーバリエーションがあると選ぶのが楽しいですよね。
きっと好きな軸色が見つかると思います。
僕が持っているプレジールは「ガンメタリック」と「ブルー」です。
「ガンメタリック」は残念ながら現在廃盤となってしまっていますね。
高級感がある
キャップや軸は丸みがあります。
両端が丸くなっている形を「バランス型」といいます。
同じ価格帯の万年筆と比べると、ぱっと見安っぽくは見えません。
むろん高級万年筆と比べると見劣りはしますが、同価格帯では見劣りすることはないですね。
万年筆の形には大まかに「バランス型」と「ベスト型」というのがあります。
詳しくはこちらの記事で紹介しています。
よかったら参考にしてください。
プレジールはコンバーターが使えるの?
結論としては「使えます!」です。
メーカーの公式ページではカートリッジ専用となっています。
でも僕は実際にコンバーターを使っています。
特に問題はなくインクを吸入できますし、インク漏れもなく普通に使えますよ。
インクを吸入すると首軸の透明なところがインクで満たされるので見た目的に「大丈夫かな?」ってなるかもしれませんが、使用に関しては特に問題ないですね。
プラチナのブルーブラック「富士」を、コンバーターを使ってプレジールに入れて使ってみた記事を書いています。
よかったら参考にしてください。
カートリッジインクとコンバーターどちらでも大丈夫!
コンバーターが使えるとなると、好きなボトルインクが使えますね。
ボトルインクは携帯に不向きですが魅力的な色が豊富にあります。
カートリッジインクは手軽で使いやすいし、携帯にも優れています。
最近ではかなり豊富な色のインクカートリッジが販売されています。
気に入るインクを探してプレジールで使ってみましょう!
プレジールに使うプラチナ万年筆でおすすめのインク
カートリッジならカーボンインク
カートリッジインクでは真っ黒に書けるのが特徴のカーボンインクです。
カーボンインクは顔料インクです。
耐水、耐光性があり長期保存に向いています。
公文書などにも使えますし、長期間保存しておきたい場合には最適です。
日記など数年後、数十年後でも紙さえボロボロになっていなければしっかり文字が残っているのでおすすめですよ。
ボトルインクならクラシックインク
先に少し話に出たブルーブラック「富士」は古典インクというインクに分類されます。
プラチナ万年筆のクラシックインクもこの古典インクです。
古典インクは乾燥すると酸化した鉄が固着してしまうと洗浄では洗い落とせません。
場合によってはメーカー修理が必要になり、それでも修理できない場合もあります。
ですが、このプレジールに搭載されているスリップシール機構のおかげでペン先が乾きにくいので、よほど長期間放置しなければ固着して使えなくなるということは起きにくいです。
クラシックインクは時間の経過とともに色の変化が楽しめるとても楽しいインクです。
渋めの色がランナップされていて、僕のお気に入りのインクのひとつです。
ぜひ使ってみてください。
プラチナ万年筆は独自規格
プラチナ万年筆はメーカー独自の規格となっています。
他のメーカーのカートリッジやコンバーターは使えないのでカートリッジなどを購入する際は必ずプラチナ万年筆のものを選んでくださいね。
万年筆のカートリッジやコンバーターには「規格」があります。
この万年筆の「規格」ってなに?という人はこちらの記事を参考にしてください。
ペン先はステンレススチール
ペン先の素材はステンレススチールが使われています。
ステンレススチールのペン先は俗に「鉄ペン」と呼ばれています。
ステンレスは酸に強く、錆びにくいという特徴があります。
先ほど紹介したクラシックインクが強酸性ですが、ステンレスのペン先は酸に強いという特徴があるので、腐食しにくくクラシックインクも安心して使用できます。
ペン先の種類はF(細字)とM(中字)の2種類
ペン先の種類はF(細字)とM(中字)の2種類です。
軸の色は多彩ですが、ペン先はこの2種類のみ。
小さな文字を書きたいという人が多く、万年筆のペン先でEF(極細字)が欲しい人は結構いますよね?
ちょっとした細工でEF(極細字)のプレジールを作ることが出来るのはご存知ですか?
こちらの記事で紹介しています。
よかったら参考にしてください。
プレジールの書き心地
中字にはコンバーターを装着してインクを吸入してみました。
今回はモンブランのブラックを入れてみます。
首軸にインクがたっぷりと入っています。
カートリッジインクをつけても、こんな感じにインクがたっぷりと入ることがないので最初はびっくりすると思います。
インク漏れはありませんでしたし、問題もありませんね。
筆記時のインクフローも特に問題はなかったです。
細字はプラチナのカートリッジを使ってみました。色はブルーブラックです。
細字、中字ともにインクの流れがすごくいいです。
ステンレスのペン先ですが、柔らかい書き心地で、ぬるぬるとインクが紙に吸い付いていく感じ。
荒い紙質でもペン先が滑っていくように感じます。
細いボールペンに慣れている人にはちょっと線が太いと感じるかもしれませんね。
僕は最初に買ったのが中字でしたが、細字もすごく書きやすいですよ。
どちらにするか迷ったら最初は細字をおすすめします。
製品仕様
ペン先 | ステンレス |
胴・キャップ | アルミ |
カバー | アクリル樹脂 |
クリップ | 鉄にクロームメッキ |
中間リング | 黄銅にクロームメッキ |
寸法 | 全長142.5mm×最大径15.0mm |
標準重量 | 15.4g |
カートリッジインク | SPSQ-400, SPN-100A |
プレジールをおすすめする理由
インクが乾きにくいスリップシール機構がある
カラーバリエーションが豊富
高級感がある
というところかと思います。
万年筆の構造や書き味などを味わうことが出来るので、初めての万年筆としておすすめの一本です。
「万年筆の使い方」という記事を書いてます。
万年筆初心者の方は参考にしてください。
万年筆との出会い
『PLATINUM PLAISIR プラチナ プレジール 中字 ガンメタル』
僕が初めて買った万年筆です。定価は税別で1000円でした。
筆記用具に1000円は高くない?
僕も最初はそう思っていました。
安価なボールペンが市場で出回っているし、特に不便は感じていませんでした。
ある時上司が胸ポケットからサッと万年筆を取り出してサラサラと文字を書いているのを目にしました。
キャップの先に白い星のようなマークが見えました。
その時はその万年筆が、どこのメーカーなのか、何のマークかも分からなかったのですが、そのカッコよさに見惚れてしまい、その時から万年筆が欲しいと思うようになりました。
色々調べるうちに、その万年筆は「モンブラン」というメーカーなのを知りました。
太さ、長さなどから多分その時見たのは「149」というモデルだと思います。
その時はこんな高級な筆記用具があるんだとびっくりしました。
これは手が出ないなと思っていた時に文具店でこのプレジールに出会いました。
出会った2020年当時、プレジールは1000円で販売されていました。
「でも1000円か・・・」としばらくお店でプレジールを手にとっては戻すというのを繰り返してました。
時間にすれば30分ほどだったかと思います。
悩んだ末に「よし、買うか!」と決心し購入しました。
100円のボールペンで満足していた僕が1000円の筆記具を買うのにはそれだけ勇気が必要でした(笑)
付属でカートリッジインクが1本ついていたので、すぐに差し込みインクが出てくるのを待ちました。
インクが出るようになり、最初に書いたのは自分の名前だったと思います。
「こんなにサラサラとなめらかに書けるものなんだ!」
ボールペンに慣れていたので、つい筆圧を強くしてしまいがちでしたが、力を抜いてもサラッと書ける万年筆に感動したのを覚えています。
それからすっかり万年筆にハマってしまい、万年筆を見つけるとつい買ってしまっています。
いろんな万年筆を知り、万年筆の良さを知ってくると
「1000円安っ!!」
と思うようになりました。
気がつけば何十本にまで万年筆が増えています。
「そんなに万年筆を買ってどうするの?」
って思われるかもしれませんが、すっかり万年筆にハマってしまいました。
もうどっぷり沼につかってしまい、もうこの収集はやめられません。
万年筆の楽しさをこのブログを通じて皆さんにお伝えできればと思います。
仕事をしながら記事を書いていくので、更新はかなりマイペースですがこれからもよろしくお願いします。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
万年筆初心者に向けて「万年筆の使い方」という記事を書いています。
よかったら参考にしてください。
コメント