「万年筆を買いたいけどいろいろあるし、どれを買えばいいのかわからない。」
万年筆を初めて買う時、何を見て買えばいいか分からないですよね。
万年筆を選ぶ時のポイントとしては大きく分けると、
- 「見た目」
- 「機能」
- 「メーカー」
- 「値段」
といったあたりかと思います。
それぞれの視点を解説しながら具体的にどんな万年筆を選べばいいのか紹介していきたいと思います。
この記事はこんな人に読んでもらいたい
万年筆のどこを見て選べばいいか分からない
初心者におすすめの万年筆が知りたい
万年筆を選ぶ時の視点
万年筆を選ぶ基準はまず見た目
初めて万年筆を選ぶ時、僕が1番大切なのは見た目だと思っています。
いくら高価な万年筆でも見た目が好きじゃないものはだんだんと使わなくなってしまいます。
万年筆を何本も持っている人は、その人なりのテーマみたいなものを持っていて、
黒い軸が好き、透明な軸が好き、青い軸が好き、装飾は金色がいいといったように、色や形それぞれにこだわりがあったりします。
見た目のポイントとしては
- 色
- 形
- 装飾
- 素材
というところですね。
万年筆の色
万年筆といえばまず最初に黒い樹脂製のものを想像してしまいます。
ですが、黒だけでなく何色ものカラーを展開している万年筆がたくさんあります。
塗装もパール加工をしていたり、マット処理をしていたりするものもあります。
単色だけでなく、キャップと軸の色が違っていたり、マーブル模様になっていたり、
蒔絵といって軸やキャップに絵を描いている軸があったりと、かなりいろんな種類があります。
色ひとつとってもかなり種類があるので迷ってしまいますよね。
これに関しては、自分が好きな色を直感で決めてみましょう。
また、パール加工や蒔絵やマーブルなど加工に手がかかるほど高価になります。
自分のお財布が許す範囲で探してみてください。
万年筆の形
万年筆の形には傾向があって、大きく分けると2種類あります。
- 「ベスト型」 両端が平らになっている
- 「バランス型」 両端が丸くなっている
詳しくはこちらの記事で紹介しています。
よかったら参考にしてください。
僕の持っているもので例えると、ペリカンやパーカーなどは「ベスト型」ですね。
スタイリッシュな印象でかっこいいです。
モンブランのマイスターシュティックに代表される「バランス型」は、伝統的な印象で万年筆らしい形ですね。
歴史的には「ベスト型」の方が古いとされていますが、モンブランの登場で「バランス型」の方が伝統的なイメージで定着しています。
もちろん、「ベスト型」や「バランス型」に含まれない万年筆も多くありますが、色と同じく形も見た目を左右する要素です。
軸やキャップの装飾
すごくシンプルな万年筆ではクリップ以外に装飾がない、
なんてのもありますが装飾部分も見た目を左右する重要な要素です。
キャップについているクリップや装飾部分はおおまかに「CT(クロームトリム)」と「GT(ゴールドトリム)」に分けられます。
その他にも、ピンクゴールドトリムなど特別な装飾もありますね。
華やかな金色にするか、落ち着いた銀色にするか、
装飾ひとつで見た目がガラッと変わるので、どちらか好みの装飾を選んでください。
「CT」「GT」についてこんな記事を書いています。
良かったら参考にして下さい。
素材
万年筆の軸やキャップにはいろんな素材が使われています。
筆記具で一番なじみのある素材は「樹脂」と「金属」、次いで「木」などの天然素材ですね。
初心者向けの万年筆は軸やキャップが「樹脂」でできているのが多いかと思います。
軽くて丈夫で扱いやすいのが特徴ですね。
「金属」はアルミニウムや真鍮が使われることが多いです。
樹脂に比べ重いですが、高級感があり、頑丈である、というのが「金属」の特徴です。
素材の違いは見た目だけでなく、持った時の重さや手触りも違ってきます。
万年筆の素材についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
よかったら参考にしてください。
最初に選ぶ素材はやはり「樹脂」か「金属」ですね。
「木」や「竹」、「セルロイド」など扱いが難しかったり、高価だったりするので初心者には不向きかなと思います。
万年筆の機能で選ぶ
ずっと見た目に関する視点を紹介してきましたが、次に万年筆の機能についてです。
具体的な視点としては
- ペン先
- インクの吸入方式
- キャップの開閉方法
というところかと思います。
ペン先
万年筆は筆記具なので、この「書く」もしくは「描く」という点において一番大事なのはこのペン先です。
いかに見た目が良くても、このペン先が悪ければ、その万年筆は結局使わなくなってしまいます。
ではペン先ではどこに注目すればいいかですが、
- ペン先の太さ
- ペン先の素材
- 書き味
というところかと思います。
ではそれぞれに解説していきます。
ペン先の太さ
まずは太さですね。
大まかにF(細字)とM(中字)があり、より細いのがEF(極細字)、より太いのがB(太字)という感じです。
メーカーや万年筆のモデルによってはさらに、UEF(超極細字)やBB(極太字)といった太さものもがあります。
さらには「特殊ペン先」というものもあります。
このペン先の太さを選ぶ基準は「どういう使い方をするか」です。
小さいメモ帳に太いペン先は不向きで、細いペン先のほうが書きやすくていいですよね。
またペン習字をする場合でも、最初はある程度細いペン先を選んで、文字の骨格から学びますよね。
とにかくインクを楽しみたいという人はM(中字)やB(太字)をおすすめします。
ヌラヌラとインクの変化や濃淡を楽しめますよ。
色んな太さのペン先がありますが、初心者はF(細字)を選ぶ方がいいと思います。
日本ではF(細字)が好まれる傾向があります。
より細いEF(極細字)が好きな方も多いですね。
僕も最初はF(細字)を好んで買っていました。
でも最近は色んなインクを入れて楽しむのにM(中字)やB(太字)を選ぶことが増えました。
M(中字)やB(太字)の方がインクの色が分かりやすいですし、インクの濃淡も楽しめます。
もし1本目がF(細字)を買ったのなら、2本目を買う場合にはM(中字)にしてみてはどうでしょうか。
ヌルヌル書ける感覚は結構楽しいですよ。
ペン先の素材
大きく分けて
- ステンレスなどでできた「鉄ペン」
- 金でできた「金ペン」
があります。
鉄ペンは安価な万年筆に多く採用されています。
鉄は腐食しやすいなどと言われてきましたが、最近の鉄ペンは本当によくできています。
書きやすいですし、腐食にも強いです。
見た目も装飾もきれいなものが増えてきました。
ペン先の素材によって値段がかなり変わってきます。
当然金を使用した「金ペン」は高価なものばかりです。
その分、「鉄ペン」よりも柔らかいタッチで書けますし、腐食にもつよいという特徴があります。
いきなり高価な「金ペン」を選ぶのは避けた方がいいと思いますので、最初は「鉄ペン」でいいのかなと思います。
書き味
ペン先の素材や太さはある程度、データを確認すればわかることですが、ペン先で一番重要なのはこの「書き味」です。
太さや素材にこだわっても、この「書き味」が残念な感じだったらどうしようもありませんよね。
これは実際に使ってみないと分からないです。
万年筆を買う場合、特に高価な万年筆を買う場合、できれば試し書きをするのが一番いいと思います。
これはネット通販などではできないですね。
実際に文具店に足を運んで試し書きをさせてもらうしかありません。
近くに文具店がないなど、試し書きができない環境の方もいらっしゃるかと思います。
そんな時はネット通販などのレビューを手あたり次第に見る事です。
万年筆の書き味についてはかなり個人的な見解が多いですが、ある程度は参考になりますよ。
ペン先についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
よかったら参考にしてください。
インクの吸入方式
インクの吸入方式も万年筆を選ぶうえでは重要な要素です。
インクの吸入方式は大きく3種類あります。
- カートリッジ式
- コンバーター式
- 本体吸入式
一番出回っていて、初心者におすすめなのはカートリッジ式、もしくはカートリッジ・コンバーター両用式というものです。
最初からいきなりコンバーターを使って万年筆を使うのもありですが、手軽に始められるカートリッジ式が良いと思いますね。
万年筆の吸入方式についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
よかったら参考にして下さい。
キャップの開閉方法は主に2種類「嵌合型」と「ネジ式」
万年筆のキャップの開閉方法には2種類あります。
「嵌合式」というのはキャップを「パチン」とはめるタイプのもの、
「ネジ式」というのは、キャップをネジのように回すものです。
初心者向けの万年筆では「嵌合型」と呼ばれるものが多いですね。
キャップについてはこちらの記事を参考にしてください。
メーカー
僕がこれまで紹介してきたメーカーは
日本の3大メーカー「パイロット」「プラチナ」「セーラー」ですね。
海外では、「モンブラン」「ペリカン」「ラミー」「パーカー」「エルバン」「シュナイダー」「ジンハオ」など。
その他にも僕がまだ買ったことはないけど気になるメーカーはたくさんあります。
どのメーカーもそれぞれに特色があり、また初心者向けのお求めやすいモデルが多数ラインナップされています。
どのメーカーがいい、というのは特にありませんし、メーカーを知らない、メーカーにこだわりがないという人もいるかと思います。
ですので特にメーカーは気にしなくてもいいと思います。
とはいえ、いきなり無名のメーカーの万年筆を選ぶのは勇気がいりますよね。
最初から全く知らないメーカーのものを使って後悔するよりは、よく知っている大手メーカーのものを選ぶほうがいいんじゃないかと思います。
さしあたり日本の3大メーカー「パイロット」「プラチナ」「セーラー」から選んでみてはどうでしょうか。
値段
これは上を見るとキリがないですね。
高価な万年筆は素材や装飾が豪華で、筆記具というよりは工芸品って感じです。
実用として考えられる値段は1000円程度から、高くても10000円くらいが現実的かと思います。
ですが、初心者の方にいきなり10000円の万年筆というのは敷居が高いですよね。
最初からある程度高価な万年筆を買った方がいい、という人もいますが僕はおすすめしません。
まずは万年筆ってどんなものなのか、どんなに楽しい筆記具なのか、というのを体験してもらうのが一番だと思っています。
なのでおすすめする価格帯ですが、高くても3000円程度までで購入できる万年筆です。
初心者におすすめの万年筆は?
おすすめする万年筆の条件としては
- 僕が使ってよかったと思うもの
- 値段は3000円以内で購入できる
- カートリッジ・コンバーター両用式
という感じで選んでみました。
パイロット カクノ
大ヒットした初心者向け万年筆です。
ペン先に顔が書かれていて見た目がかわいく、しっかりした書き味を楽しめる一本です。
僕は気に入りすぎて、「カクノ」シリーズは8本所有しています(笑)
パイロット ライティブ
初心者に限らず、誰にでもおすすめできる一本です。
とても書きやすいですし、見た目もかっこいいです。
もうこれ一本で満足してしまうほどのクオリティです。
セーラー ハイエースネオクリア
セーラー万年筆のエントリーモデルです。
スリムな見た目と、かなりしっかりした書き味が特徴です。
僕はセーラーの顔料インクを入れてガンガン使ってます。
セーラー プロフィットジュニア
見た目から本格的な万年筆を求めている人にはぴったりです。
通常ラインの他、限定モデルが多数あります。
紹介している「鉄(クロガネ)」は軸、装飾、ペン先に至るまで渋い黒で、とにかくこのかっこいい見た目で即決した一本です。
プラチナ プレピー
プレピーは機能はしっかり万年筆ですが、とにかく安いのが特徴です。
プレピーの上位モデルであるプレジールとペン先や機構が共通になっているので、
書き味は本格的、サラサラと書きやすいです。
プラチナ プレジール
僕が最初に買った万年筆がこのプラチナの「プレジール」でした。
色はガンメタル、装飾はCT、形はバランス型と見た目もかっこいい一本です。
書き味はもちろんいいですし、この「プレジール」はいろんなカラーが展開されているので選ぶのも楽しいですよ。
ラミー サファリ
ドイツのラミーというメーカーの代表ともいえるのがこの「サファリ」です
毎年限定カラーが出ており、とても人気の万年筆です。
見た目がスタイリッシュで独特なデザインが特徴です。
ペリカン ペリカーノアップ
ペリカンは高級な万年筆だけでなく、このペリカーノアップや、ペリカーノジュニア、ツイストなどお手頃な万年筆も多数作られています。
このペリカーノアップは、ふっくらした見た目でおしゃれなデザインが特徴です。
シュナイダー シオッドシャイニー
シュナイダーはドイツの老舗筆記具メーカーです。
シオッドシャイニーは見た目はシンプルですが、けっこうヌルヌルと書きやすい一本です。
機能的にもしっかりしており、ドイツ製でこの値段はかなりお買い得かと思います。
ジンハオ X159
初心者に最初の一本目としてはあまりおすすめはしませんが、おもしろい万年筆なので紹介します。
僕はこのジンハオというメーカーの万年筆が結構ツボで、つい次々買ってしまってます。
その中でこのX159は極太軸、大型ペン先と見た目のインパクトがすごいです。
最後に
今回は万年筆の選び方の視点について紹介しました。
すこしでも皆さんの万年筆選びの一助になれば幸いです。
当ブログではいろんな万年筆をこれからも紹介していきますので、よかったら参考にしてください。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
コメント
私の個人的な意見を述べさせて頂きますと日本語はひらがな漢字カタカナと書く機会があります。欧米人は数字以外はアルファベットが中心です。だから日本人が使うペンは縦横斜め曲線とあらゆる対応が迫られるのが日本の万年筆です。私は日本製の万年筆をお勧めします。
おっしゃる通り、僕も日本語を書くには日本製の万年筆が一番適していると思います。
コメントありがとうございました。